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10兆円企業リクルート 休日増え、ミッション達成のため短時間に「ギュッと詰まる」働き方に――フルリモート勤務の実情

情報提供
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東証1部時価総額ランキング上位(6兆円以上、2021年9月14日現在=Yahoo!ファイナンスより)
 高業績と将来期待から、東証1部に6社しかない“時価総額10兆円超企業”に仲間入りしたリクルート(2021年9月14日時点で12兆円強)。半期年俸制でミッション達成ベースの成果主義を徹底する一方、コロナ禍で原則フルリモート勤務に移行。今年4月からは休日数を初年度155日に増やし、短時間労働でもミッションを達成できる一部のスーパーマン的人材にとっては、ワークライフバランス抜群な、自由度が高く居心地のよい労働環境を整備した。一方で、大半を占める普通の社員にとっては、有休消化の強制や残業時間の上限規制で、やらねばならない仕事が平日の勤務時間のなかに、「ギュッと詰まるだけ」(中堅社員)。データ上は休みの日でもミッション達成の方法を考え続けねばならず、過酷な環境になっている。
Digest
  • 有休連続4日以上取得で5万円支給『アニバーサリー休暇』
  • 『フレックス休暇』半期で6日取得が実質強制
  • 「7日連続勤務禁止」超過残業は役員の評価に連動
  • 原則フルリモート化「難しいのは個人情報関係だけ」
  • 制度化された部活…「モンハン部」まである
  • 芸能人を呼ぶキックオフイベント
  • 性別を問わず出産育児介護で使える「特別休暇」

有休連続4日以上取得で5万円支給『アニバーサリー休暇』

2021年4月から、1日の所定労働時間を30分増やして「8時間」に伸ばす代わりに、有休を除いた年間休日数を130日から140日に増やしたリクルート。有給休暇は初年度15日(※うち年末年始に5日間を「指定休」として一斉強制消化、総日数は勤続年数に応じ最大25日に)付与となるため、制度上は年間で計155日も休める。52週で割ると、ちょうど週休3日だ。国内最大規模の従業員数を抱える日立製作所(1日あたり所定は7時間45分)で、年間124日+有休24日=計148日。リクルートのほうが7日も休みが多い。

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1.6万人を対象に「週休3日可能&フルリモート」勤務に移行したリクルート

しかも、これとは別枠で、3年に1回の「最大28日連休」取得も可能(以前より『STEP休暇』として実践)で、会社員という範囲内で「メリハリをつけた働き方」の究極形への挑戦、ともいえる。実際の運用は、どうなっているのか。

「私の知る限り、一人も(定期的に)週休3日勤務の人はいませんが、日曜以外の『指定休日』を廃止することで土曜以外でも休日にできる(※土曜に働いても休日出勤手当はつかない)よう自由度を高め、フルリモート化で出社義務もなくし、8時間換算の業務時間以外の有休を捻出しやすくして、幅広く自由な用途に充てられるようにした点は素晴らしいと思います」(元社員)

つまり、毎週、土曜は働き、日曜と月曜を休みにすることも可能だし、「半日単位」で有休を消化することもできる。有休消化はむしろ奨励されているため、とりにくさはない。ただ、ミッションの進捗状況が芳しくない状況では、休む気になれないのが一般的であろう。

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「株式会社リクルート」の有休消化率、中途採用数、男女別管理職比率など(2021年4月時点)。情報開示は進んでいる。ただ、母数が曖昧で、非正規が含まれているのか定かではない。

成果さえ出していれば週3日相当の休みを継続的に取れる設計になったのは事実であるが、まだ開始から半年経っておらず、「なんだかんだ土日休みで、まだ大きく変わった印象はありません」(元社員)。会社発表では、そもそも有休取得率が2020年度実績で平均10.1日と半数程度にとどまっており、それほど高くない実態もある(※有休消化率上位企業は、大手メーカーを中心に9割を超え、年18日ほど)。

今年度から休日数が増えるので、この有休消化率がさらに悪化しかねない。そこで4月に導入されたのが「アニバーサリー休暇」。前年度までリクルートキャリアで導入されていた制度(有休を4日連続取得で6万円支給)を、統合会社で全社展開した。在籍年数1年以上の縛りはあるが、2年目以降は毎年取得でき、「連続4日以上の取得で5万円支給」とした。これは、取得しないと5万円損してしまう感覚になるため、有休をまとめて消化する強いインセンティブになる。

『フレックス休暇』半期で6日取得が実質強制

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リクルート平時の有休日数と消化促進策、3年に1度の「14~28日連続休暇」ルール

ほかにも各部門で、消化率アップの施策が行われている。「半年の間に6日、『フレックス休暇』を計画的に取得しなければ

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リクルート独自の特別休暇(有給)としてストック休暇、出産育児休暇、ケア休暇、転勤休暇…がある

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