『ヒルズではたらく社員の告白』(ムック)
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- 格差社会を軟着陸させねばならない
他の記事も結構おもしろい。元物流業界紙編集長の横田増生さんによる潜入ルポを書いたアマゾンが興味深かった。まさに「自動車絶望工場」の進化形。著書を読んでみようと思う。
ITを駆使した時間管理、「アマゾン-日通-日通子会社-派遣社員/バイト」といったカースト制度のような労働現場が、これからの企業の働く現場の姿になりつつあるという。その通りだと思う。そして、その上に株主がいる。
IBMも全く同じで、一部のトップタレントが優遇され、ボトム10が切り捨てられる。残りの8割は、待遇を下げられつつも、トップタレント目指して、不満を漏らしながら、あくせく働く。その下に、下請けの協力会社が沢山いるカースト構造。
国民は、今回の選挙で日本がIBM型の社会、アマゾン型の社会になっていくことを選んだ訳だが、本当に気づいているのだろうか?企業は社員をリストラできるが、政府は国民をリストラできない。そのとき、何が起きるのか。
格差社会を軟着陸させねばならない
「1人のホリエモンと100人のホームレスを作るのが自民政権だ」と菅直人が民主の代表選を前に盛んに言っているが、その通りである。「不幸を最小化するのが政治だ」というのも、その通り。それを全面に出して訴えられない民主党は、まったく不甲斐ない。本当に政治をやる気があるのか疑ってしまう。
しかし、どんなにこの国に不幸者が増えても、この格差社会を進める自民党政権を圧倒的多数が選んだ国民は、何ひとつ文句をいう権利はないのだ。ベンチャー企業経営者に代表されるように、ごく一部の「勝ち組」に果実が集中し過ぎている現状は、働く側の幸福感から見ても問題がありすぎる。
ホリエモンが今夏、保有株を時価約142億円で売却したが、課税は10%だけ。一方、所得税・住民税・年金・保険などサラリーマンが支払わねばならない「国民負担率」は50%まで上げる方針なので、近々、額面年収の半分は天引きで国に持っていかれる。ホントに国民はそれを望んでいるのかね?どうみても逆だろうと思うが、国民はなぜか自民党を選ぶ。
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『ドラゴン桜』より![]() |
少なくとも、資産課税を強化すべきことは、民主国家の論理としては明らかなのだが、議論にすらならない。理由は明確で、「社会のルールってやつは、すべて頭のいいやつが作っている。そのルールは、頭のいいやつに都合のいいように作られてるんだ。逆に都合の悪いところはわからないように隠してある」(漫画『ドラゴン桜』より)。
日本の国民が総じて頭が悪いのは、選挙結果をみても全く明らかで残念きわまりないのだが、同じ国に住んでいる以上、ほうっておいて治安が悪くなったり、企業犯罪・官僚犯罪だらけの生活しにくい国になっても本当に迷惑なので、なんとかしたいと思っている。
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読者コメント
自民党の勝利はマスコミを味方につけているからですね。馬鹿はテレビの情報を自分の考えと誤解しちゃうのです。自民党どうにかする前にマスコミどうにかしないと意味がない。
アホの一つ覚えのように「郵政民営化」を叫んでいただけの郵政おじさんになんでみんな投票したの?わたしは別の党にしたから文句を言います。自民党に投票した人は文句を言えませんよね。
ヒルズの本屋に平積みされており、思わず買ってしまった。弊社部分はかなり的を得ている。昇給に関するシステムなど、よくここまで綿密に調べたなと関心しきり。
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