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NTT東日本 変わらぬ電電時代の内向き体質

情報提供
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B 不良企業予備軍
(仕事1.5、生活4.3、対価2.4)
 「なんでこんな綺麗な社内向けの資料を、時間をかけて作っていたんだろう?」元NTT社員は、異業種に転職して、そう思ったという。顧客向けではなくて社内向けの資料なのに、カラーが基本で、分厚いものを常に要求されていたからだ。
Digest
  • 美しい社内向け資料
  • 長い会議、出るのは課長以上
  • たくさんの判子
  • 課長もヒラ社員みたい
  • ウラで確実につけられている背番号
  • 新規事業は法的な制約を受ける
  • 社内公募、土日の面接で守秘
  • 離職率は低い
  • スキルアップのプレッシャーは弱い
  • 扶養手当・都市手当がなくなる
  • 学閥に左右される出世
  • やっと始まった評価のフィードバック
  • 営業は昇格で冷遇
  • 単なる賃下げのリストラ
  • 水金は17時半に本当に退社
  • 「ストレスが溜まりようがない」
  • 楽過ぎる不安
  • 精神的ストレスが多いスタッフ部門
  • NTT東日本 支店・法人営業担当者の1日

美しい社内向け資料

「資料の美しさでは西武鉄道とNTTがトップを争う」といわれるくらい、NTTでは、見た目が美しくて、量も多く、立派な資料が、「良い資料」だとされている。

ある中堅社員によれば、部長クラス以上が権限はもっているが、彼らは頭デッカチで現場を知らない。だから、中身に詳しい若手が、膨大な量の説明資料を作らなければならない。

「これは○○部長向けの資料だから、と似たような資料を複数つくらされる。それを首尾よくこなす人が、なぜかデキるビジネスマンとされ、社内では評価される」(元社員)。その結果、社員は社内を向き、顧客のほうを向かなくなるという。

そもそもの背景は、NTTの成り立ちにある。固定電話という独占事業を長らく手がけてきたため、営業などしなくとも顧客が勝手に申し込んでくる。だから、社内の力関係では営業部門は弱く、管理・技術部門が強い。社長も管理畑と技術畑から出るのが暗黙の了解となっている。

営業は数字で評価しやすいが、管理や技術は評価が難しい。結果、社内官僚組織で上司を見て仕事をするようになり、根回しや、社内向けの調整がうまい社員が評価される。顧客視点からは無駄が多いことを誰もが感じているが、染み付いた体質が変わる気配は今のところない。

長い会議、出るのは課長以上

部下が長時間かけて作成した資料は、社内会議で使われる。NTTの会議が「長くてなかなか決まらない」のは有名だ。会議に出席するのは、各部署からやってくる課長以上(企画部系のみ主査も出る)。既に部下たちにより根回しは終わっているので、会議は議論の場ではなく、通達に近いという。「議論する内容よりも、誰が出ているか、が重要とされます」(元社員)。

「おれは聞いていない」という状況を避けなければならないので、根回しと社内調整に膨大な時間をかける。現場社員は出席しないので、事前に情報が必要になると、部下に「みんな、どう?」と聞いてくる。現場の状況を知らない人たちが話をするので、ちょっとつまずくと長引き、不明点は差し戻される。

たくさんの判子

官僚組織なので、承認階層も無駄に多い。「課長、部長、周りの部署の部長…と、数千万円程度の案件を通すのに、8~9人のサインが必要で、1週間かかることもざら。スピード感はない」(若手社員)。電話機など値段が決まっているものは別として、それ以外のベンダーを使ったサービスなどは、正式な見積書に課長以上の判子が必要となる。

一応、稟議はシステム化されているが、なぜか紙ベースでも良いことになっている。システムの使い方を教えてあげないと分からない電電公社時代からの年配者がいるため、その人で止まるよりは紙のほうが速いということで、紙でまわすこともある。

社内向け作業に忙殺されるなか、やりがいは

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SuzumiyaRyosuke2009/03/25 13:47

◇「ストレスが溜まりようがない」 ◇楽過ぎる不安

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学生2009/02/27 16:41
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