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3.人材を「排出」ではなく「輩出」している ♯【内外で多様なキャリアパスを描ける】

❐キャリア―仕事軸『いい会社はどこにある?』

情報提供
マザーズ上場時のCEO就業経験企業
マザーズ上場時、CEOが就業経験を持つ企業

#【内外で多様なキャリアパスを描ける】ことの3つめの基準は、その究極形ともいえる「人材を輩出している」ことである。学校の評価が卒業生の活躍ぶりによって定まるように、ある会社の評価は、その会社に在籍していた社員がその後、幸せなキャリアを築けているかで判断できる。会社選びにおいても、“卒業生”にどんな人がいて、何をしている人が多いのか、聞いてみるべきである。

Digest
  • 定番の「人材輩出」企業
  • 人材「排出」企業
  • 労災が隠ぺいされる構造
  • 「入」と「出」の双方を知る必要がある
  • 罰則なし、完全骨抜き状態の情報開示義務
  • ドクターストップまで働く
  • 医局で鍛えられるドクターたち
  • 「完全に使用人」オーナー次第のリスク
  • 求人広告業者が一番よく知っている

定番の「人材輩出」企業

以前よりビジネス誌では、いわゆる人材輩出企業と呼ばれる会社として、野村證券、日本IBM、リクルート、アクセンチュアなどが挙げられることが多かった。その数値的な裏付けとして有用な調査結果が、「マザーズ上場時CEOが就業経験を持つ企業」ランキングである。1999年11月の東証マザーズ市場開設から2016年12月末日までにマザーズ市場に上場した484社(2016年)が対象で、慶應義塾大学の琴坂将広研究室が調査した。

結果は、圧倒的に人材ビジネスのリクルートグループが1位で20人、2位がIT系外資の2社(アクセンチュア・日本IBM)の10人ずつだった。続いて、NTT・ソニー・三菱東京UFJ銀の8人。

その設立趣旨からして、楽天・三木谷氏を輩出した日本興業銀行がこうしたランキング上位に入るかと思っていたが、三木谷氏1人だけの突然変異だったようだ。3行合併のみずほフィナンシャルグループ全体で3人だけだった。

マザーズ出身企業別出現率
マザーズ市場上場CEOの出身企業別出現率

NTTグループは母数が324,667人(2021年3月期連結)と1ケタ多い(1位のリクルートグループは46,800人=2021年3⽉31⽇現在連結)ので、出現率で見ると、NTTが0.0025%。

これは中小零細企業も含めた日本全体の正社員約3500万人に対する上場時CEO484人の出現率(0.0014%)の1.8倍に過ぎず、「人材輩出している」とは到底、言いがたい。逆にマッキンゼーは出現率1%で、全体平均の723倍も輩出していることになる。

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