「いいから、振替票を渡せ!」事故による振替乗車でみえたJR、東京メトロの乗客軽視
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池袋駅で駅員と取り合いになった振替乗車票。これは乗り換える回数の数だけもらわなければいけない。 |
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- 12分も歩かされる
- 「振替票は置いていってください」
- 「えっ、JRで回収してたんですか」
- 振替輸送は1社に1枚
- カードは、完全に未対応
12分も歩かされる
1月21日午後5時過ぎ、東京メトロの有楽町線で事故がおこり、電車が止まった。→【お詫び】有楽町線輸送障害について
その日私は、飯田橋駅から乗車、230円の切符で営団赤塚駅まで行く予定でいた。スムーズに行けば30分くらいで行ける距離だ。電車は飯田橋の次の江戸川橋でストップした。
止まってから20分くらい経ってようやく「信号設備の故障で復旧の見込みがないので、神楽坂駅から振替輸送を行います」というアナウンスがあった。神楽坂駅とは東西線という別の地下鉄の路線で、12分くらい歩かなければならないという。
ちょうど通勤時間でもあり、振替輸送といったら大体、大混雑が予想される。こういう場合急がないんだったら、料金払い戻しをしてもらって、近くの飲み屋で一杯やって復旧を待つのが一番。しかしその時は急用があったため、仕方なく振替輸送でいくことに決めた。
江戸川橋駅の改札に行くと、改札の片隅にある事務所の窓から3人の駅員が振替乗車票を配っていた。その周りは振替票をもらう人たちでごった返しており、中には「事務所から出てきてもっとテキパキと配れ」と怒号が飛ぶなどちょっと殺気立った感じでもあった。私はおとなしく並んで15分くらいで振替乗車票をもらった。
どこまで行くのかと聞かれたので、営団赤塚駅までというと、「でしたら、まず地下鉄東西線の神楽坂駅まで歩いていただいて、そこから高田馬場駅まで乗ってください。そこでJRの山手線に乗り換えて池袋駅まで。そこから、東武東上線に乗り換えてください」といわれた。そして神楽坂駅までの地図と振替乗車票を1枚くれた。
「2回も乗り換えるのに1枚で大丈夫なのかな?」という不安がちょっとよぎったので、「この振替乗車票だけで最後まで行けるんですね」と念押ししたら、江戸川橋の駅員は「大丈夫です、いけます」と確かに言った。
江戸川橋駅から神楽坂駅まで、はるばる歩いて、高田馬場駅に向かった。
「振替票は置いていってください」
神楽坂駅と高田馬場駅では「振替の人たちはここから通ってください」と一つの改札口を空けて駅員が1人立って案内をしていた。振替票を見せてスムーズに通過できた。
ところが、である。高田馬場駅でJRの山手線に乗り換えて池袋駅を出るときのこと、改札で、振替担当の柄の悪い駅員が「振替乗車票はここで回収します」と大声で叫んでいる。まだ20代くらいの見るからに体育会系のイガグリ頭の駅員だ。
「池袋までしか乗らない予定の人だけのことだろう」と思い、振替乗車券(票)を見せて通り過ぎようとしたら、
柄の悪い駅員「ちょっとちょっと、振替票は置いていってください」私「え、まだこの先東上線に乗り継ぐんですけど・・・」
柄の悪い駅員「いいですから、」
私「だって、ここで切符渡したらこの先で乗れないでしょ」
柄の悪い駅員「それは、先で説明してください」
私「だって、これをもらったとき、最後の駅で渡してくださいって言われましたよ」
柄の悪い駅員「いいから、出して」
私「ダメですよ、まだ必要なんだから、何でここで出さなくちゃいけないですか、おかしいでしょうが」
駅員の声が大きく、私も釣られてちょっと声を大きくなったらしい。私たちの口論を、他の振替のお客さんも注目しだした。すると、
柄の悪い駅員「(めんどくさそうに)ああっ、じゃあもう行っていいです」
内心、「行っていいっていう言い草はなんだ」とカチンときたが、とりあえずそこは我慢して通過した。
「えっ、JRで回収してたんですか」
次の東上線改札では案の定「振替票見せてください」といわれた。私は振替票を死守していたので大丈夫だったが、中にはJRの改札でとられた人もいるのではと思い、「さっきJRの改札で振替票を回収してたけど、無くても大丈夫なんですか」と東上線の駅員に聞いてみた。
すると、「えっ、JRで回収してたんですか(ちょっと驚いたふう)、仕方が無いですね、だったらいいです」と言ってくれた。
それで最終目的駅の東上線の下赤塚駅の改札で振替票を渡すときに、20代の若い駅員さんに聞いてみた。こちらは物腰の柔らかいやさしい駅員さんだった。
私「途中、JRの池袋駅の改札で、回収されそうになったんだけど」やさしい駅員「あ~あ、そうですか。2社にまたがる振替輸送なんですね。その場合JRさんの方でも乗っていただいた証明として振替票が必要なので、本来ならば最初の江戸川橋の駅で振替票を2枚配らなければならなかったんですよね・・・。でもお客さんは分からないですよね。混雑してますしね。その場合は私どもに言っていただければ、券がなくても通っていただくようにしています」
私「移動の途中で券を没収されるというのは不安ですよね。ほんとうに振替輸送か証明してみろと言われても証拠がなくなるんだから」
やさしい駅員「有楽町線が止まっていることは分かっているんで、こちらでは通っていただけるようにしますけれどもね」
私「この振替票をもとに、あとで東京メトロに料金を請求するんですか?」
やさしい駅員「ええ、本来振替票を元に、発行した駅に後で請求することになるんですよ」
私「だからJRも振替票が欲しかったんだ」
やさしい駅員「そうですね、だから本来は江戸川橋で2枚なんですが、なかなか緊急事態では、一人一人お客さまの行き先を聞いてうまく処理はできないですよね。その場合、途中駅のJRでは融通を利かせて、券を回収しなくても通ってくださいとするべきだったと思いますよ。『これから先も乗るんですといわれたら』私だったら、『では最終の駅でお渡しください』っていいますけどね」
一番の問題は、2枚の振替乗車票を渡さなかった江戸川橋の職員にあるようだ。 次の日東京メトロのお客様センターに聞いてみた。
ナガノさん「はい、東京メトロお役様センターナガノと申します」
私「(昨日のことを説明)」
ナガノさん「大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。本来であれば2路線乗り換えるとすると振替票を2枚発行するように指導はしています。でも混雑していたりして、行き先を聞かずに1枚だけ配るということもございますよね。その場合などは、JRのところでお申し出いただければ、振替票を渡さずに御通り頂くということもできるんですけれどもね。今回は2回間違った対応をお受けになってしまったということになりますね」
私「振替票がなくても、JRは代金を請求できるんですか?」
ナガノさん「振替票を回収できない場合でも、
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鉄道会社で振替乗車証を取り合いしてるf
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読者コメント
振替乗車票は一枚配布すれば十分だ。しかし目的地までの乗車券があればの話だ。一枚の振替票で何線区でも乗り継ぐことが可能である。接続駅で回収するなんてバカもいいとこだ。ふざけるな!!
東京メトロの規程を確認しました、「経由運輸機関の数にかかわらず1枚を発行」となっていましたので、1枚を発行した江戸川橋の対応は「正当」です。
これは会社によって異なります。JRでは、「経由運輸機関の数にかかわらず1枚を発行」です。経由運輸機関の数だけ発行する会社もあります。
>>いつも氏
それは振替票の正しい使い方ではない。
嘘を書かないように。
JRは民営化されて随分経つけれど、相変わらずのお役所体質で、サービス精神の欠片も感じられません。。。
1枚をもらって、他社線に乗り換えても最後の駅まで行っていますね。この場合、途中に何社使ったとしても江戸川橋→東上線の駅という1旅行なわけですから。必要なら下車印でも押せばいい話ですよね。
東京メトロは、レベル低いですからねぇ~。うちで、かなり使えないクビ同然の社員が転職していますから。僕は、駅員ともめたら土下座するまで追い込んでいます。
あまりのことにびっくりしましたが、今思えば証拠を残しておけばよかったです。JR代々木駅にも子会社の佐藤という社員がいてものすごい態度が悪く、腕をつかまれたのでびっくりしましたJRといっても本当に体質は昔の国労とかわらないのがよくわかりました
私はJR系列のSUICAのカード会社に電話をしたとき(引き落としができなくて支払いのこと)担当の埒が明かなかったので上の人に代わってもらいました。パソコンの使い方も判らないようで、詳しく見てもらおうとしてもダメ。とたんに態度と口調の荒いおっさんで「金返せ!」と10回ほど怒鳴られました。
せこい、せこくないという話ではないと思います。危機管理システムが完成しているか、していないか、企業の姿勢に問題があると、ここのところの各社の不祥事報道に思います。
駅員にあまりにもひどい対応をされた場合、その人の名前を控え後で本社の窓口に相談するのがいいのでは?その場で言い争っても客が悪者にされます。
何年か前に同じ経験をしました。東武野田線の船橋かどこかの駅でそんな「いちゃもん」を駅員に言われました。そんな事故も振り替え券を二枚もらえないのも、自分のせいじゃないのに、その駅員の言い方ときたら・・・普通の人は知らないってば。
振替票の件、以前から気になっていました。事後の確認、追跡がていねいになされており、参考になります。
記者からの追加情報
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