月額基本料980円の「ホワイトプラン」が1月16日から開始された。
1月25日には、第3世代(3G)の携帯電話の最新14機種を発表した。
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「通話料0円!」「メール代0円!」の誇大広告から3カ月。ソフトバンクショップの店員として、お客様に「甘い話には罠がある」とハッキリ言えるようになった。月額基本料980円の「ホワイトプラン」が1月16日から開始されたが、今回も、お客様が持っている情報=私たちショップ店員が持っている情報、という見切り発車。相変わらず研修はなく、難解な特別割引の仕組みは店員も完全に理解できないまま売り、現場は疲弊している。ホワイトプランでお客様が1番騙されやすい部分、すでに加入してしまった人が損をしない対処方法などをお伝えする。
【Digest】
◇公取の警告にもソフトバンクから指示なし
◇またまた突然の新プラン発表、研修なし
◇「ホワイトプラン」は「ゴールドプラン」の焼き直し
◇お客様へは「損をする。甘い話には罠がある」
◇「ホワイトプラン」加入で得する人&損する人
◇スーパーボーナスで安いと思わせ、実はローン契約
◇「ホワイトプラン」加入で損している人の対処方法
◇実は「26カ月は機種変更せず数千円のローンを払い続けろ!」
◇お客様センター「私たちに話を振られても困る」
◇ストレスで血尿、めまい、嘔吐・・・退社を決意
現在のわたしは、販売、接客、説明の通常の業務を中心に、新人育成業務も並行して行なっている。土日問わずシフト制で働いていて、残業が1時間ていどの日々だ。
ソフトバンク店員が詐欺的商法を告発 「客だけでなく店員も舐められているんです」で伝えたが、その後も孫正義ソフトバンクモバイルの施策は、まったく学習能力がなく呆れ果てている。
昨年「予想外」の発表をし、店頭やお客様に多大なる迷惑をかけたにも関わらず、同じように徹底した秘密主義で、顧客から説明を求められても、店員が答えられない。1番大切なお客様にツケがまわっている。
いま、手元にあるマニュアルには「1/16~4/15」までの各種施策と明記されている。詐欺的プランで「警告」を受けたのに、またもや期間限定の、行き当たりばったりの施策。その場をしのぎ、何かを言われた時のために期間限定にしているとしか思えない。
◇公取の警告にもソフトバンクから指示なし
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下:ソフトバンクモバイルからショップ宛に送られてきた公取からの「警告」について(2006年12月12日)の文書。
上:「SoftBank
Shop Information」(ショップ向けの連絡)では、これらの警告について「お問い合わせは弊社担当営業まで」とある。
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「予想外割」での新聞広告・テレビCMにおいては、「0円」という文字を目立たせた。ソフトバンクモバイルの携帯電話を利用すると、通話とメールが無料になるかのように表示し、公正取引委員会はその「0円」表示について、12月12日付で景品表示法(第4条第1項第2号 有利誤認)に違反する恐れがあると、ソフトバンクに警告した。
■携帯電話事業者3社に対する警告等について(公正取引委員会 2006年12月12日)
公取からのこの警告に対しても、ショップにはショップスタッフ向けのポータルサイト「VSP」で発表があっただけで、ソフトバンクからは何も指示はなかった。ユーザーに対しては、広告の差し替えだけ。ショップ向けに「本件に関するお問合わせは弊社担当営業まで」としているのみで、反省のカケラもない。
警告が入ったならば、店頭に警告の内容を大きく張ってユーザーに知らせ、謝罪の態度を示すことが企業としてのモラルではないだろうか。
自分の都合の悪いことに触れられると(公取の警告)、臭いモノに蓋をして、時間が過ぎるのをひたすら待つ。そして、マスコミに対する突然の料金プランの発表で、話題性だけを求める。
ショップスタッフ専用の掲示板に、あるスタッフが「まるで北の将軍様みたいだ」と書き込んでいたが、まさにその通りだと思う。
お客様のことを考えずに、自社の利益(いかにしてわからないように値上げをし、騙すか)しか考えない。絶対に、消費者は騙されないようにしていただきたい。
◇またまた突然の新プラン発表、研修なし
ソフトバンクモバイルは1月5日、月額基本料980円の新料金プラン「ホワイトプラン」を1月16日から開始することを発表した。1月5日の午後1時半頃に各メディアに通達が行き、3時半に会見を開いている。
スタッフにその通知が来たのは、会見の日だった。番号継続制度「MNP」が解禁された10月のときもそうだったが、今回も店員には当日、突然知らされた。「寝耳に水」だ。
1月15日に「予想外割」キャンペーンが終了し、新プラン「ホワイトプラン」が開始されたが、そのときもお客様からの質問に四苦八苦した。何も情報がない。噂話すらない。お客様が持っている情報=私たちショップ店員が持っている情報、なのだ。
スタッフに事前通達をしない秘密主義はやめ、お客様に説明ができない現状をいい加減理解してほしい。研修は、ソフトバンクモバイルが「研修をする」と通達が来ない限りないが、以前と同様、本件についての研修もなかった。
「ホワイトプラン」の運用前にお客様から問い合わせがあった。私もよくわからなかったので、ショップ専用窓口に1月からの新プランのことを電話で聞いたら、「来月から、おそらく新しいプランになりますから」と、オペレーターからは曖昧な返事をされた。
適用日も答えられないなど言語道断である。ソフトバンクモバイル本体のオペレーターでさえ説明できないのが、ソフトバンクモバイルのプランなのだ。
さらに、1月25日に第3世代(3G)の携帯電話、最新14機種を発表したが、この新機種発表までもが秘密主義だった。私は知人からのメールで新機種発表を知ったほどだ。
◇「ホワイトプラン」は「ゴールドプラン」の焼き直し
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■「ホワイトプランガイド」
研修も説明も何もなく、この資料を読んで勝手に理解しろというのがソフトバンクモバイルの実態。
●1月16日以降の施策(3P)
10/26~1/15と1/16~4/15までの違いである。
新スーパーボーナスの「最大¥10,500円(税込)店頭割引」とあるが、10/26~1/15までは全て頭金が0円。しかも、1/16~はこの特典がないにも関わらず、いまだに頭金0円のまま。10,500円引き(最大)がなくなったのなら、店頭では頭金が発生するはずだが、1/16~も頭金は0円。期間限定と言いながら、まったく限定ではない。
●ホワイトプラン展開スケジュール(5P)
どこにも研修の文字はない。社員向け説明会は何なのかを耳にしたこともない。営業向け(ソフトバンク社員)の説明だと思うが、このスケジュールを見ると、あまりに無謀である。わずか10日あまりでこのマニュアルを独自に理解してお客様に伝えなくてはいけない。
●受付時のご注意事項(16P)
これが難解な特別割引の仕組み。わたしも完全に説明ができない。「クレームが発生しないよう」と記述されている。説明ができないのに、どうやってクレームを防げばいいのというのか。
●ホワイトプラン変更専用キット(29P)
下の四角部分。「専用申込書でプラン変更を申込んだ場合、お客さまはいつからホワイトプランが適用となるのか把握ができません」とある。適用日がわからないソフトバンクモバイル。 
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いま手元にあるのは、料金プランの説明マニュアル&切り返しトーク集(48P)くらいである(右記画像参照)。発表するプランや、商品によってマニュアルの枚数も変動している。
マニュアルの配布時期は「ホワイトプラン」の発表と同時期で、これは、完全な新マニュアルだった。
二重価格の「ゴールドプラン」は、「予想外」に早く消えた。
「ゴールドプラン」は、24時間の内、20時間(夜の9時から深夜1時までは月間200分までが無料。超過すれば30秒21円の課金)ソフトバンク同士なら通話し放題・メールし放題のプランで、他社携帯にかけると30秒21円の課金が発生する。
CMで、ひたすら「0円」と流していたあの“詐欺的”プランだ。
1月16日以降、「ゴールドプラン」の申し込みはない。今ではお客様に説明をすることすらない。不正なプランはやはり消えていくものだと思った。
しかし、今回の新プラン「ホワイトプラン」は、「ゴールドプラン」の焼き直しに過ぎない。21~1時までの200分の無料通話をなくしたプランが「ホワイトプラン」になる。
お客様には、できるだけわかりやすく、「ホワイトプランは、基本料金がお安いので、待ち受け中心の方、他社と通話をされない方、昼間にソフトバンクによくかけられる方向けのプランです」とかみ砕いて、要点を簡潔に説明している。
これは、お客様の立場になった時、複雑に説明をされると大変困るからだ。
「予想外割」のときと自分の中で気持ちが違う点は、「ゴールドプラン」の悪い部分を把握できたので、お客様に真実を伝えられることかもしれない。
「ゴールドプラン」はほとんどのユーザーにメリットが少ないことがわかった。「ホワイトプラン」ともかぶるが、周囲にソフトバンクがいなければ割高になる。「オレンジプラン」(単純にAUの料金プランをコピーしたもので200円安くしている。同様に、ブループランはDocomoの料金プランのコピー)や、旧ボーダフォンのプランの方がお客様にとってメリットが多い。
それでも「ゴールドプラン」の焼き直しだったので、皮肉なことだが、理解するのは楽だったとも言える。
◇お客様へは「損をする。
甘い話には罠がある」
私は以前AUショップに在籍したとき、プロスタッフというAUの認定資格も取得したことがあった。AUではきちんとしたプラン説明会や質疑応答があった。少なくとも1カ月前にはスタッフに知らせ、十分に理解を深めてから展開させていた。
だから、ソフトバンクモバイルの無謀さ、見切り発車しかしない、行き当たりばったり感、話題性重視の中身がカラの施策が余計に見えてくる。
以前は、Auと業界2位の座を争っていたのに、今や落ちぶれている。ボーダフォンになってから落ち、ソフトバンクになって、今後はさらにAuとの差が開くのではないか。お客様は正直だから…。
前回の告発をしたことにより、私はお客様に「損をする。甘い話には罠がある」とハッキリ言えるようになった。
人として正しいこと。
決して他人を欺かない。
欺いてまで、契約を取りに行かない。
これを実行できる勇気が、今の私にはある。
そして、身を守る術(情報)がある人は、巧みなメディア戦略に乗ることなく、「本当に良いモノ」を購買している。
◇「ホワイトプラン」加入で得する人&損する人
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■「切り返しトーク」
●「ソフトバンクのシェア16%ですよね???」(43P)
16%のシェアで、1540万人とあるが、84%の人がほかのキャリアを使用している。6人に1人程度しか持っていない携帯電話をあたかも1540万人という数字で多いという錯覚をさせるトーク。
●「夜間は有料ですよね???」(44P)
夜間(21~1時)は一番携帯電話を利用する時間。昼は仕事、携帯はプライベートで使用するときは必然的に夜になる。
●「エリアがあまりよくないイメージがあるんですが」(47P)
4万6000局は予定であって、決定ではない。ホームアンテナは工事費が掛かることがある。
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売れ行きからみると、プラン変更をされる方がかなり多く、「980円」に飛びつくお客様が多い。
一方、新規・機種変更の場合は、ショップに在庫が入って来ないので、予約受付ばかりになっている。だが、オンラインショップには在庫があるし、家電量販店も優遇されているようだ。お客様に対しての顔であるショップをおざなりにし過ぎである。
他社に対しては純増しているが、今後の施策を見ないとどうなるかは、予測不可能だ。
「ホワイトプラン」にされて、得になる方もいる。現在、安い料金プランにされていて、通話をほとんどされない方だ。年配の方や、緊急連絡用のため受信がほとんどというユーザー層には、本当にお得になるから、そういう方にだけお勧めしている。
損をする人も当然いる。こちらの方が、多数を占めている。
その損をする条件は、
(1)他社との通話が多い方。
(2)現在LOVE定額や家族通話定額、指定割引をつけており、21~1時にたくさんソフトバンクに通話をしている方。
この2点は重要項目である。
ソフトバンクは、シェアが低いキャリアだ。周囲はAu、DoCoMoばかり。「ホワイトプラン」はシェアが低いキャリア同士、昼間限定通話し放題のプランだから、言わずもがな、通常はお勧めする理由がない。
これが現実なのに、知らないお客様は騙されてしまうのだ。非常に悪意を感じる手法だと思う。
◇スーパーボーナスで安いと思わせ、実はローン契約
「ホワイトプラン」の980円もスーパーボーナス契約(割賦契約)にすると、980円にはならない場合がほとんどだ。
だが、スーパーボーナスといっても、ボーナスなどではない。
確かに、基本料金やパケットし放題(3G機種のみ)、スーパー安心パック(携帯電話の保険サービス)、スーパー便利パック(キャッチホン等のオプション付き)等が最大2~4カ月無料でついてくるが、結局は(スーパーボーナス契約=携帯のローン契約)ということを忘れないでほしい。
「あたかもボーナスと言って安いと思わせて、実は.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
