日本マクドナルドのドナルドクラブで2005年に配布されたマグカップのうち、Mさんが入手した3つともに亀裂が生じていた。ドナルドクラブHPより。
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マクドナルドが2005年に13万個ほど配布した景品、子ども用マグカップに亀裂が生じた。交換してもらったカップも、保存用でとっておいたカップも、短期間で同じ不具合が出た。「子どもに火傷やケガか起きてからでは遅い」と思った父親のMさんは、入手した新所沢支店(埼玉県)に事実関係を伝えると、店員も同じ経験をしたという。だが、マクドナルド本社での検証にも立ち会うと申し出たMさんに対し、本社はなんと訪問を拒否。証拠隠滅の恐れがある「破損品の現物送付」のみを頑なに要求し、いまだ問題を放置している。
【Digest】
◇3ヶ月で亀裂、飲み物が漏れはじめた
◇3個のマグカップすべてに亀裂
◇マクドナルド「現物を預からないと対処できない」
◇危険性を喚起する説明書はなかった
◇子どもに火傷やケガが起きてからでは遅い
大手ファースフードチェーン、
マクドナルドで配布された景品について、安全性を疑問視する情報が寄せられた。
埼玉県在住の会社員Mさんが指摘するのは、2005年にマクドナルドの店舗で配布された、ドナルドクラブ会員向けのマグカップである。
「
ドナルドクラブ」とは、日本マクドナルドが一部の店舗で実施している、12歳以下の子どもを対象とした会員制のサービスである。会費は無料で、入会すると会員限定のさまざまなアイテムをもらえるなどの特典があり、現在も継続中である。
◇3ヶ月で亀裂、飲み物が漏れはじめた
今回、危険性が指摘されているのは、ドナルドその他のオリジナルキャラクターがデザインされたマグカップ。日本マクドナルドによれば、2005年にドナルドクラブ会員特典として、全国で13万個が配布された。
入手条件としては、マクドナルド製品を購入するたびにもらえるスタンプが、決められた個数たまると、そのスタンプカードと交換に受け取ることができるというもの。
Mさんの子どもは、2005年秋頃にこのマグカップを2つ入手。ひとつは保存用として保管し、もうひとつを、ほぼ毎日、使用していた。
ところが、3ヶ月を過ぎる頃にカップの部分に横に亀裂が生じ、中に入れた飲み物などが漏れるようになった。
それでも「子どもが気に入っていたので、タオルなどを巻いて使っていた」と言う。
さらに使い続けていると、使用から半年を過ぎる頃には飲み口にあたる縁にも亀裂が入り、ついに使用が困難な状態にまでなったというのだ。
筆者が「無理な使い方をしたのでは?」と質問したところ、「カップの底に耐熱温度が90度と書かれているので、熱湯を注ぐようなことはしていません。それに、子どもが使うものに、そんな熱いものを入れたりするわけがありません」とMさんは話す。
つまり、ごく常識的な方法でしか使用していないにもかかわらず、3ヶ月で不具合が発生し、半年で使用できなくなったというのだ。
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亀裂が生じたので、交換してもらったマグカップにも亀裂が生じた。3~5ヶ月間使用。
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◇3個のマグカップすべてに亀裂
そこでMさんは、破損したマグカップを入手したマクドナルド新所沢店に持参し、事情を話したところ破損したものと交換で新品を手渡された。だが、この代替のマグカップも、使用していると前回とほぼ同時期に、同様に亀裂が発生した。
さらに、保存用としてとっておいたマグカップも使ったところ、やはり同じような時期によく似た形状の亀裂がみられたという。
さすがに3つ続けて同じ状態になったのはおかしいと思い、今年の4月にMさんが同じ新所沢店に出向いて事情を説明した。
するとSという店員が対応し、「このマグカップは使用していると亀裂が入るため、現在ではもう配布していない」と告げられた。そして、「自分の子どもも同じカップを使っていたが、やはり短期間で亀裂が生じた」とも述べた。
その際、S店員の対応がかなりぞんざいで、「何か私の対応に問題がありますか?」などと、文言にも粗雑なところがあったため、Mさんはこれを指摘し、「自分は単にマグカップについての説明を求めているだけだ」と述べたところ、店員は納得し、「実は本社にこのマグカップの件でクレームが寄せられ、金品を要求する事件があったため、勘違いした」と述べた。
そして、Mさんから、金品の要求などではないと指摘され、改めて謝罪した。
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保存用にとっておいたマグカップ。こちらにも亀裂。3~5ヶ月間使用している。
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Mさんが同店舗を訪れたのは夜間で、店舗責任者はすでに帰った後だったため、店員から「責任者に連絡させます」との約束を得て、Mさんはそのまま帰宅した。
◇マクドナルド「現物を預からないと対処できない」
翌日、Mさんのもとに新所沢店のI店長から電話が入り、「件のマグカップを確認したいのでM様のご自宅にうかがいたい。そして、破損した現物を預かりたい」との申し出があった。
しかし、マグカップの現物を渡してしまうと手元に証拠がなくなってしまうと考えたMさんはこれを拒否。Mさんのほうから破損したマグカップを持参して店舗を訪れ、店長に見せて、これまでの経緯を説明した。
すると店長は本社からの意見として、「現物を預からないと調査できない」「これまで当該のマグカップに関する苦情やクレームは本社にはひとつも寄せられていない」「当該のマグカップにかかるクレームや苦情で、本社が金品を要求されたことは一度もない」という3点をMさんに伝えた。店員Sが言ったことと矛盾しており、どちらかが嘘を言っている。
そして店長は、「自分は支店の店長に過ぎないので、本社の意向を伝えることしかできない。本社の意見には逆らえない。自分にはどうにもできない」と述べるにとどまった。
そこでMさんは、「写真でマグカップの状態を本社に送ってほしい」と申し出たところ、店長は携帯電話で撮影し、本社に送ると約束した。また、「証拠品のマグカップを預けることはできないが、検証ならいつでも応じるし自ら立ち会う」とMさんは告げた。
翌日、店長から再度電話があり、「本社は『現物を預からないとダメ』と言っています。
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日本マクドナルドのHPより。
以前販売していたオモチャは、「期間限定の取り扱いのため在庫を保管しておりません。」とある。
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