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世界禁煙デー、「卒煙アシスト賞」紀香、「タバコやめてネ!」和田、「暴煙横綱」養老、「禁煙横綱」巨泉

情報提供
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藤原紀香に贈った「卒煙アシスト賞」。禁煙した夫の陣内智則には「卒煙表彰状」。
 タバコ問題首都圏協議会とたばこ問題情報センターは、5月31日「世界禁煙デー」恒例の各種番付を発表した。タバコをもっともやめてほしい有名人は和田アキ子。続いて、さんま、宮崎駿、キムタク、オダギリ・ジョーとランクイン。「卒煙表彰」&「アシスト賞」には新婚の陣内&藤原。喫煙派横綱は養老孟司、禁煙派横綱は大橋巨泉が不動の地位となった。肺がんを告白し、治療のため番組を休養中の筑紫哲也も前頭1枚目に選ばれた。養老氏は「法で律することじゃない」などとする直筆コメントを寄せた。巨泉氏には、喫煙タレントを映すテレビ局の不甲斐なさほか、タバコ問題の核心を語ってもらった。
Digest
  • 「禁煙」「暴煙」両横綱は不動の地位
  • 一番の悪はJT筆頭株主の日本政府
  • さんまに「タバコを吸わないで」と言えないディレクター
  • 養老、猪瀬、岩見氏の禁煙運動への暴論はニコチンのなせる術
  • 「卒煙表彰」で藤原紀香に賞状を2度贈る
◇「卒煙表彰」&「アシスト賞」に陣内&紀香
 
厚生労働省が5月16日に発表した【平成17年 国民健康・栄養調査結果の概要について】によれば、喫煙率は男性が39.3%、女性が11.3%と、調査開始以来男性の喫煙率が初めて40%を下回ったという。

 今年3月から新幹線の全車禁煙化(JR東日本)、5月には名古屋タクシー協会による全面禁煙の実施と、タバコ問題への関心が高まる中、タバコ問題首都圏協議会(代表は渡辺文学。マスメディアや国会議員等へ禁煙・分煙への要請など行っている市民団体の集まり)は、5月の定例会で毎年恒例の企画を行い、今年度の表彰者を決定した。

 5月31日はWHO(世界保健機構)の定めた世界禁煙デー。その日にちなみ、タバコの「卒煙表彰」と「『タバコやめてネ』コンテスト」に相応しい著名人を選び、タバコ問題を社会にアピールしていこう、というのが協議会の企画の狙いだ。

 また、日本のたばこ(タバコ・煙草)問題を解決するための情報収集と活動を行っている「たばこ問題情報センター」(代表は同じく渡辺文学)では、こちらも恒例となっている「世界禁煙デー場所」番付表を発表した。

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■2007年「世界禁煙デー」恒例企画

(1)「『タバコやめてネ』コンテスト」
(写真上)和田アキ子に贈った賞状。賞状を手にしているのは渡辺文学氏。

(2)「卒煙表彰」&「アシスト賞」
(写真中)5月26日「世界禁煙デー記念シンポジウム」の会場で「卒煙表彰状」を受け取ったマーセラス・ニーリー氏。詩人であり、Dreams Come True(ドリームズ・カム・トゥルー)全国ツアーのバックボーカル、MCとして活躍している。20年以上喫煙していたが、昨年10月より禁煙パッチにて卒煙成功。右の女性はニーリー氏の卒煙を支えたアーティストのAOKAさん。
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(写真下)医師や区議会議員なども含めた5月19日の定例会で「卒煙表彰」&「アシスト賞」6名を選定し、「『タバコやめてネ』コンテスト」ランキングの集計により和田アキ子の第1位が確定した。

■「世界禁煙デー場所」
「世界禁煙デー場所」番付表の喫煙派には養老孟司や筑紫哲也など、未成年を含めた若者にも影響力のある旬な著名人をとりあげることで、タバコ問題への関心を高めるのが狙い。
 2000年9月から始めた「卒煙表彰」(画像参照)は、禁煙に成功し、タバコ問題に関して前向きな発言をしている著名人を表彰するもの。今年度は陣内智則、伊集院光、風見しんご、劇団ひとり、三浦大輔(横浜ベイスターズ投手)が選出され、表彰状を贈呈した。

 また、陣内氏との婚約期間中に卒煙に協力したとネット上などで噂された藤原紀香さんには、今年から新設された「卒煙アシスト賞」を贈ることになった。

◇和田アキ子を励ます
「やめコン」第1位賞

 2003年から実施している「『タバコやめてネ』コンテスト」(画像参照)は「この人がタバコをやめたら、他のタレントや未成年者を含む若い人たちにとても良い影響を与えてくれるはず」の著名人が対象であり、全国の禁煙運動関係者からの投票で決定される。

 集計の結果、今年度の1位は和田アキ子さんとなり、2004年、2005年に続いて3度目の受賞となった。

 さんま、宮崎駿、キムタク、オダギリ・ジョーとランクイン。未成年喫煙の加護亜依(W・ダブルユー)も6位に入っている。「大人の責任を子どもになすりつけないで/無責任で不親切な大人とニコチンの被害者に加護を/本人のせいよりも、タバコ野放しの社会が悪い!」が"入賞"の理由だ。

 そこで、第1位賞の賞状を直接和田アキ子さんにお贈りしたい、と事務所にお願いしたところ、マネージャーの方から電話があり、「直接受け取ることはできませんが、贈っていただけるのであればお願いしたい。本人はこういうのを面白がると思いますから」という好意的な反応だった。

 その上で、「回りのタレントに禁煙をすすめたりはしていませんが、本人が今まで禁煙にチャレンジした回数は数え切れません。最近では2ヶ月前に8日間ほど続きましたが、本人はもうあきらめている感じですね」と話してくれた。

 マネージャー氏自身はタバコを吸わないが、特に分煙などはしていないとのことなので、彼の健康のためにも、あきらめずに禁煙を目指してほしいところだ。

 渡辺代表によれば、「タバコ問題首都圏協議会には医師や研究者などの専門家も数多くいるので、和田さんが卒煙を目指されるのであれば、全面的に協力したい」とサポートに意欲を示している。

「禁煙」「暴煙」両横綱は不動の地位

 また、たばこ情報センターが2000年から続けている「世界禁煙デー場所」番付表(画像参照)は、東を「禁煙・嫌煙派」、西を「喫煙・暴煙派」に分け、前頭18枚目までの顔ぶれを発表した。

 この番付は単に「タバコを吸うか吸わないか」という基準で選ぶわけではなく、メディアなどでの発言をより重視しているという。

 タバコ規制対策を支持する立場で執筆・発言している人、禁煙・分煙を積極的に支持している人を「禁煙、嫌煙派」とし、逆に、タバコ規制対策や禁煙・嫌煙運動を誹謗中傷している、映画やTVドラマ、トーク番組等で盛んにタバコを吸う、タバコ会社の広告やイベントに協力する、などの人々を「喫煙・暴煙派」としている。

 「喫煙・暴煙派」の横綱には、昨年度に続き養老孟司氏、一方の「禁煙・嫌煙派」の横綱には、7年連続で大橋巨泉氏が選ばれた。

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(上)「世界禁煙デー場所」番付表で喫煙・暴煙派の横綱に選ばれた養老孟司氏にコメントを求めたところ、直筆での回答が送られてきた。タバコ問題は「個人の好みに関すること」という相変わらずのスタンスだが、未成年者の喫煙や受動喫煙の危険性については言及していない。

(下)養老孟司が『週刊現代』(2003年11月29日号)で展開した「特別講座」。「全部わかると思うな」の見出しの後に、禁煙運動に対する暴論が披露されている。
 両横綱には、直接お話を伺いたいと打診したところ、養老氏からはFAXによる短いコメントが寄せられた(画像参照)。

 一方の大橋氏にはインタビューを了承いただいたので、タバコ問題首都圏協議会代表の渡辺文学氏とともに巨泉氏の事務所に伺い、タバコ問題に関する持論を展開してもらった。

一番の悪はJT筆頭株主の日本政府

--番付表を見て、いかがですか?

大橋「面白い、遊んでますね。遊びがあっていい。筑紫哲也のところに付いた(や)というのが面白い(注:場所休業という意味)。あいつもタバコやめたって。肺がんだから、やめざるを得ない」

--番付表制定以来7年間、巨泉さんは禁煙派横綱を守っていますが、その感想を。

大橋「そろそろ横綱から落ちたかなと思ったけど(笑)。カナダの厚生大臣にインタビューした時に、『今、タバコを嗜好品として売り出したいと言ったら、どこの国でも認めない、そのくらい強い毒性を持っているが、すでにあるものなので仕方がないから認めている』と言われました。

 タバコとはそういうものなんだというのを吸う人は認識してほしい。ただ今はまだ認められているわけだから、吸うのはかまわないけど、そっと吸ってほしいですね。

 僕が禁煙を始めたきっかけは、喉が痛くなったので。35年ほど前の、公害華やかなりし頃の話ですけど」

渡辺「僕も20年吸ってやめましたが」

大橋「そうですか、僕もちょうど20年吸ってやめました。

 日本ではようやく禁煙席が広まってきましたけど、いまや世界のほとんどの都市で、レストランやバーまで禁煙になってしまった。アメリカ人のことをタバコの害に関して被害妄想だと言っていた、あのタバコ好きなフランス人、イタリア人、スペイン人も、喫煙率の高いオーストラリアやニュージーランドでも、いまや全部のレストラン、バーが禁煙ですから。

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大橋巨泉氏。
タレント、放送作家、司会者、評論家と多彩な活躍を見せる巨泉氏は、著書や週刊誌のコラム、テレビ・ラジオ番組等で、タバコ規制対策や禁煙運動について全面的に支持する発言を繰り返している(写真提供:株式会社オーケープロダクション)
 だから、世界では禁煙席なんてないですよ。そのくらい日本は遅れている。

 そもそも世界で禁煙運動が起こったのは、国や地方自治体がタバコの害によって引き起こされる疾病についての医療費が持ちきれなくなったことから始まっているんです。日本は医療費がこんなに膨らんだ状態で、70歳になっても健康保険を払えという状況になっているんだから、今にさすがの政府も手をあげるでしょう。

 アメリカではタバコによる疾病が非常に多くなり、タバコ会社は儲ける、地方自治体や国が損をするという状況から、訴訟を起こされたタバコ会社がどんどん負けて、タバコの値段高くしたり、広告を規制したり、スポーツイベントのスポンサーからタバコ会社を締め出してタバコをやめさせようという動きになりました。

 一番いいのは、青少年が吸わなければ将来喫煙者はなくなるわけですから。

 ところが日本は違うんですよ。だから、何が悪いって、一番悪いのは国なんですよ。今は日本たばこ産業株式会社(JT)と言っているけど、実態は専売公社の頃と同じで、国にみんな金が入る仕組みなわけですから。国は国民の健康を売って金儲けをしているわけです」

 日本たばこ産業株式会社(JT)の株の50.02%は財務省が保有している。たばこ事業の監督官庁が筆頭株主では、抜本的なタバコ規制対策は望めない。
大橋「日本人は、やっぱり大衆がおとなしすぎます。渡辺さんたちが一生懸命いろいろやってここまできたとはいっても、2007年でやっと禁煙席

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みんみ2008/06/07 00:50
ノンスモーカー2008/02/01 02:51
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