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働く議員、働かない議員(上) 国会は大「発言量格差」社会

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2007年通常国会における発言量の上位ランキング(30位まで)
 国会議員の2007年通常国会における発言文字数をカウントしたところ、全議員平均42,378文字に対して、上位5人がその5倍超にあたる20万文字を超える一方、発言ゼロ議員も派閥の重鎮クラスを中心に83人もおり、国会が「大発言量格差社会」であることが分かった。上位を野党議員が独占するのは、与党議員の活躍の場が、党内の「部会」や「調査会」だから。そこで実質的な政策立案が行われるにもかかわらず、その透明度はゼロに近く、国民が与党議員を評価しにくい現実も見えてきた。
Digest
  • 発言の3分の2は野党議員
  • 与党の主戦場は非公開の部会
  • 国会での地道な活動を評価して(桜井議員)
  • 発言ゼロ議員83人リスト

民間企業では成果主義が導入され、半期ごとに客観的な目標を立て成果を測る「目標管理」が当たり前になった。その際、評価基準となるのが、売上、利益、納期、顧客満足度調査結果といった、定量化された数値である。

では国会議員はどうか。議員の第一の仕事は、立法府である国会における政策の立案・審議。だが、誰がどれだけ仕事をしているのかという定量的なデータは、明らかにされていない。有権者として政治家の仕事ぶりを評価する際、評価軸はどこに置くべきか。

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本稿は『週刊東洋経済』2007年10月6日号「数値データでわかった!働く議員VS働かない議員」の原文です

そこで今回、国会議員の国会での活動を定量的に把握すべく、初の試みとして、2007年通常国会における全議員(直近の参院選で落選した議員を除く)の活動を調査・分析した。

現在、日本の国会では議事録が衆参のウェブサイトで開示されている。衆参の委員会・本会議での登場回数(発言がない場合は出席していてもノーカウントとする)、発言回数、発言文字数をカウントし、各議員の国会活動状況をランキングしたものが、冒頭の一覧表だ。

発言文字数とは、2007年通常国会における本会議と各委員会の議事録から、各議員が発言した部分の文字数を抜粋して合計したもの。登場回数とは、発言した本会議や委員会の数。発言回数とは、そこでの質疑や答弁などの発言回数を合計したもの。議員は、2007年9月4日時点での衆参各議員の名簿による。

もちろん「議事録に残らぬウラでのネゴこそ効率的」「量より質だ」等の議論があることは承知の上だ。あくまで議員評価の1つの指標として、投票での参考にしていただきたい。

発言の3分の2は野党議員

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上位100位までのランキング表

今回の調査で明らかとなったのは、衆参国会での発言量全体(大臣を除く)の66.5%を野党議員が占めていること。衆参合わせて55.5%の議席を持つ自民党議員は発言量では半分未満の23.8%に過ぎず、多くの時間を野党に譲っていることが数値的に明らかとなった。

これは、原則どおり「議席数に応じた時間」にしてしまうと、たとえば「少数会派は30秒になってしまって質問にならない」といった理由から、慣例として、野党が要求する質問時間を受け入れる傾向にあるためだ。

一般に「少数政党や無所属議員は、数の論理で発言機会がほとんどない」などと言われるが、むしろ無所属でない野党議員についていえば、その議員数比率以上に、発言機会が確保されているというのが事実である。

特に社民と共産は、議員数比率の、実におよそ3倍も発言している。社民は議員数比率でいえば1.7%に過ぎないが、発言量比率では5.4%を占める。共産は議員数2.5%に対し、発言量は7.8%にもなる。

答弁のため必然的に上位を占める大臣を除くと、衆参総合で発言量のトップは、一般の知名度は高くない民主党の櫻井充議員だった。2位:吉井(共産)、3位:川内(民主)、4位:保坂(社民)、5位福島(社民)と続く

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発言文字数第一位に輝いた民主党の櫻井充議員

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