すでにＫさんのセッションを受けていた山中さんからの事前情報によると、印象は悪かったものの、「自分のホルモン関係の病気のこと、母の眼が悪いこと（２年前の白内障）は当たっている。こちらから情報を伝えたわけではないので、病気の部分は見えるのかな、と思いました」とのこと。人物の性格透視も、視えているようだと言う。能力がありそうなら、検証する価値アリだ。

予約はあっさり翌週に入った。電話をすると本人が出て、雑な対応だったが、人格と霊能力は別なので気にしない。40分15,000円のコースを申し込む。21,000円のほうのコースは何なのかと聞くと、企業向けとのことだった。

７月９日、渋谷。旧ライブドアがヒルズに移る前のオフィスにほど近い場所だ。古くて巨大なワンルームマンションの一室で、家賃はまあ、月10万円くらいだろう。ローコスト経営である。

扉を開けると、整体院の先生風のさっぱりした服装で準備万端のＫさんがいた。名前と時間だけ聞かれて、連絡先も尋ねられないという、いい加減なアポだったので、もしかしたらいないかと思っていた。

事前情報がほとんどないということは、それだけ能力に自信があるのかもしれない。第一印象は、格闘技「K1」解説者の谷川貞治で、まあ整体・整骨院の出身らしく、気のとおりは良さそうなしっかりした体格だ。

「江原さんは勘違いしている」

「今日はどういったご相談で？」

江原氏による守護霊の分類

－－もし霊の世界があるとしたら人生観が変わるような話なので、本を２～３冊読んだのですが、実際にカウンセリングを受けるほうが早いと思って申し込みました。江原さんの本にはこうありますが（といって右記守護霊の４つの分類を見せる）、まずはＫさんに見える範囲で、自分に関して見える守護霊を教えていただけたら、と思うのですが。この考え方は共通してるのでしょうか？

「ま、あえて言えば、ね。言葉で言うと、こういうのがわかりやすいかな、と。でも、このガイドスピリットというのは、明らかに違うね。これは江原さんが勘違いしているんですよ。これは、アテンダントスピリット、というんですよ。たとえば渡辺さんが何か勉強したい、と本屋にいく。ばーっと見ているときに、一冊の本が目に入る。これはアテンダントスピリットの導きなんですよ」

－－指導霊（ガイドスピリット）って、趣味も司るそうだから、まあ、そういうことですよね。

　呼び名の違いだけだと思うが、江原に対し、いやに敵対心を見せたな、と思った。この本屋で本を見つける話、山中さんのセッションでも同じことを言っている。納得する人が多いから、よく使うネタなのだろうか。

「あとね、コントロールスピリットというと、いかにも、あなたを支配しているようだけど、そんなことはない。あなたの人生は、あなたが主人公で、この世では、あなたが決めたことを覆すことはできないんです。もっと大事なのは、守護霊が考えていることが、必ず正しいとは限らない。守護霊だって、思い違いや間違いをいっぱいする。未来のことを全部知っているわけでもない」

－－この、一生変わらない主護霊（ガーディアンスピリット）というのは？

「一生変わらない守護霊というのは、いません」

守護霊は「前世のあなた、イタリアの女性」

－－私の守護霊としては、何が見えますか？

「あなたの守護霊は・・・（左上をみている）・・・女の人。あなたには見えないが、僕には見える。髪の毛がブロンド。白人種。年代でいうと、1800年くらい。（また上をみている）・・・イタリア。ドイツに近い地域にいた。純粋にイタリア語ではないね。ドイツ語が混じっている。この人が、前世のあなたです」

　新しいキャラが登場した。初の女性キャラ。山中さんが言われた守護霊は、ミシシッピの黒人女性。当たり前すぎる江戸時代の武士とかよりは、今後の検証がしやすい。

－－へえ。仕事はなんですか。

「大勢の人の食事をつくっているのが見える。宿屋を経営しているのか、食事をまかなっている」

－－ほかに守護霊は見えますか。

「江原さんは誤解してる。守護霊っていうのはね、６人で一人前なんです。（といって、１つの丸の周りに５つの丸がある図を描いた）・・・本体がいて、プラス、分霊が５人いるんです。で、便宜的に番号をふると、たとえば２番があなただとすると、２番が現世に出てきたら、５人は霊界で待ってる。それで、１個前の、１番の霊が守護霊をすることが一番多いんです。１個先の３番の人が守護霊をすることもある。これは次に現世に出る準備の意味もあって」

止まったレコーダー

　このあたりで、買ったばかりのレコーダーが止まった。Ｋさんの霊能力だろうか