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【こだわりグルメ】伊の無肥料・無農薬オリーブオイル アサクラ(オリーブオイル/お取り寄せ)

情報提供
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搾りたてのオリーブオイル
 イタリア滞在で惚れ込んだ有機オリーブオイルの販売を続けていた朝倉玲子さんは、栽培履歴で農薬が使用されていることを知って愕然とした。消費者に無農薬だとアピールし、嘘の商品を届けてしまった自己反省から奮起。イタリアに無肥料・無農薬のオリーブ畑を自ら所有し、自然栽培のエキストラバージンオイル「アサクラオイル」を開発した。有機や自然食を"売り"と考え、栽培履歴もはっきりしない商品を取り扱っている業者もいる中、自らホンモノを生産し、届け続ける。

◇イタリアのオリーブオイル事情
 国際オリーブオイル協会の分類によれば、オリーブの実だけを原料にして、化学溶剤を使った抽出や高熱での処理をせず、他のオイルを一切含まず、風味や香りは協会で認められたテイスターによって良好とされ、酸度0・8%以下のものが、「エキストラバージンオリーブオイル」、酸度2%以下のものが「バージンオリーブオイル」だ。

 風味に問題があり酸度が3・3%を超え食用に出来ない「ランパンテバージンオリーブオイル」などを脱臭、脱色、脱酸などの処理をして精製し、酸度を0・3%以下にした精製オリーブオイルに、バージンオリーブオイルをブレンドし、酸度を1%以下にしたものが「オリーブオイル」だ。

 イタリア産のエキストラバージンオリーブオイルを販売しているアサクラ(福島県会津若松市)の朝倉玲子さんが、1996年からイタリアの農家民宿で料理修行をしていた時のことだ。

 ある日、自家製のオリーブオイルがなくなり、民宿の奥さんがスーパーマーケットでオリーブオイルを買ってきた。それで料理したものを食べた家族は、油っぽくてきつい、酸化臭はとてもおいしいとは言いがたく、家族みんなが「今日のオイルはいったい何を使ったんだ!」と始まってしまった。

 朝倉さんももちろんそれに気づき、「そうそう日本で売っているオリーブオイルはまさにこれ!」と思い返し、「イタリアの農家で作るオリーブオイルはあんなにおいしいのに、なぜこのようなまずいオイルがあるのか?」という疑問がわいた。

 これは「エキストラバージンオイル」ではなく、「オリーブオイル」だった。

◇有機オリーブオイルに出会う

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(写真上から)
オリーブの実、オリーブ畑、元地主のジュゼッペさん夫婦、朝倉玲子さん
 そんなイタリア修行の最中、朝倉さんは南イタリアのベネベントに住むジョバンナさん一家に出会った。当時はおじいさん、おばあさん、息子、嫁の4人でオリーブ畑を切り盛りしており、イタリア有機認証も取ったばかりのオリーブ栽培者で、オルチョサンニータ(商品名)のオリーブオイルの生産者だった。

 オルチョサンニータは、単一農家だけで作られたシングルエステートなので、その良さを十分に兼ね備えたオリーブオイルだ。7ヘクタールの中に3000本と彼らの目が行き届く面積であり、栽培は化学肥料を一切使わず有機質の肥料のみを使い、化学農薬は一切使わないことになっていた。

 収穫もオリーブ果実が完熟する手前の一番よい状態のときに手摘みで収穫し、その日のうちに搾油所に持ち込み、すぐ搾られる。また搾油工程でも選別、洗い、粉砕、攪拌、分離と何工程も分かれているが、それぞれの工程に生産者はすべて立会い、間違いがないようにしている。

 さまざまなオリーブ農家や生産工場などを見てまわり、朝倉さんは一つでも自分の中のこだわりとは違っていたら取り扱う勇気は持てなかったが、やっとジョバンナ一家に出会い、オルチョサンニータのこだわり、おいしさに納得。3年間のイタリア滞在にピリオドを打ち、帰国の翌々年2000年からオルチョサンニータを輸入し、無農薬、有機栽培として自信を持って販売し始めた。

 2001年頃から無肥料無農薬の自然栽培の農産物を扱っているナチュラルハーモニーがオルチョサンニータの取り扱いを始めた。

◇販売の有機オリーブオイルに農薬が!
 その頃、ナチュラルハーモニーは取り扱っている商品の栽培・加工調査の依頼をするようになった。朝倉さんの取り扱い品であるオルチョサンニータも、栽培日誌の提示を求められ、生産者にその旨を伝えて取り寄せ、栽培日誌を日本語訳にし、ナチュラルハーモニーに提出することになった。

 オリーブの木は花が咲く時期に薄墨のわっかのような斑点が出来る「孔雀の目病」という菌にやられることがあり、これが出ると花の時期の後、せっかく結果した実が全滅することがある。その菌が出た場合に「RAME」という化学物質を使う。これは日本語に訳すと、銅からできた殺菌剤となる。

 銅の殺菌剤はオーガニック認証で認められた農薬であり、彼らの栽培日誌にも記してある。生産者のジョバンナさんも「銅剤は農薬ではない」と最初から言い切っており、オリーブ栽培にはなくてはならないものとして、当たり前のものとして朝倉さんも認識していた。

 だが、朝倉さんはこの銅剤というのはいったいなにかと調べてみたところ、日本では完全に農薬として扱われていることを知った。

 びっくりした朝倉さんは、ジョバンナさんとイタリアの認証団体にも問い合わせたが、「銅剤は農薬ではない」という答えしか返ってこず、彼らは「銅でできたものであるので、自然の鉱物=化学的薬品でない=農薬でない」ということだった。

 これを知った時、朝倉さんはがく然とし、今まで無農薬としてアピールしてきたことが間違いであることがわかった。

 その時のことを朝倉さんは「私はお客様になんとお詫びを言ったらいいのかと本当に悩みました。オーガニックは無農薬でない!という事実

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アサクラ◆住所:〒965-0861福島県会津若松市日新町10-29◆TEL&/FAX0242-27-2688◆E-mail:oil@orcio.jp(写真上)出荷されるアサクラオイル(写真下)ビン詰めされたオリーブオイル

■アサクラオイル収穫:2007年10月中旬収穫方法:手摘み搾油方法:連続法(物理的抽出法、化学物質は一切使っていない)酸化度:0.18%(エキストラバージンの規定MAX0.8%)容量:250ml賞味期限:2009年6月30日価格:¥3580(アサクラ小売価格)*オルチョサンニータは低農薬オリーブオイルとして販売している。■アサクラオイルの販売店野風パン(青森県弘前市)サンアイ(福島県郡山市)セーフティショップまなべ(栃木県佐野市)TEL0283-22-8261ナチュラルハーモニー下馬店(東京都世田谷区)ナチュラルハーモニック銀座(東京都中央区)ナチュラルハーモニーかかしの夢(東京都多摩市)ナチュラルハーモニックプランツ(横浜市都筑区)かねこや(三重県松阪市)

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編集部2008/02/11 23:07
編集部2008/02/11 23:06
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