◇完全無添加ハム・ソーセージと居酒屋で出会った
　1994年頃ある雑誌で化学調味料を一切使っていないという東京の居酒屋店が紹介されていた。当時は化学調味料を一切使っていないレストランすら少なく、ましてや低価格がうりの居酒屋で本当に化学調味料を使っていないのかと疑問を持ちながらも、期待もして友人たちと行ってみた。

　その居酒屋に行って、いろいろなメニューを注文して友人たちと食べてみたが化学調味料を使っていない味で、しかもテーブルに置かれていたしょう油などの調味料をなめてみても化学調味料を使っていないようだった。味も美味しく、当たり前だが他の居酒屋から比べればやはり値段は２、３割高めだった。それでも店はよく繁盛していた。残念ながら現在、閉店してしまった。

　全部ではないが、こだわった食材もいくつか使っていることがメニューに書いてあった。その中で注目したのは完全無添加と書いてあったハム・ソーセージだった。その頃、完全無添加のハム・ソーセージはほとんどなかった。広島に行ったときに連れていってもらったドイツレストランでドイツの完全無添加のソーセージを食べたことがあり、美味しかったのでオーナーシェフにテイクアウトをお願いしたがレストランで使う分しか仕入れができないので販売はしてもらえなかった。

　そして雑誌などで無添加のハム・ソーセージが紹介されていると注文してみたが、化学調味料については調味料などのキャリーオーバーも含め一切無添加だったが、発色剤の亜硝酸ナトリウムは使っていた。

　亜硝酸ナトリウムとは、白～淡黄色の結晶性粉末で、肉の血色素のヘモグロビンやミオグロビンに作用して、過熱などにより変色しにくいきれいな赤色を形成する。これを使わないと、黒ずんで見た目が悪いため、ほとんどのハム・ソーセージや魚卵などに添加されている。

　ある無添加のハム・ソーセージを作っている会社の社長に、亜硝酸ナトリウムも使わないで作ってもらえないかと頼んでみたことがあった。しかし、その社長さんが言うには「亜硝酸ナトリウムは発色剤のためだけではなく、殺菌作用もあるのでごく少量だが使っています」とのことだった。

　そこで、私は「完全無添加のハム・ソーセージで亜硝酸ナトリウムを使っていないために食中毒になったということはほとんどないでしょう。殺菌しなくてもボイルして真空パックにし冷蔵で流通保存すれば大丈夫ではないでしょうか」とお願いしてみたが、応じてもらえなかったことがあった。

◇13年前から完全無添加

ファーマーズジャパン ◆住所：北海道札幌市清田区里塚2条2丁目5-15 ◆TEL:011-889-2333　FAX:011-889-2777 ◆e-mail：oil@orcio.jp ◆電話注文受付：月～金9：00－17：00 写真は、岸晃弘社長 <

　その今は閉店してしまった居酒屋でハム・ソーセージの詳しい原材料を店員に尋ねてみたところ、その店員では「よくわからない」とのことで、責任者がいる事務所を教えてくれた。後日、その事務所の責任者に電話をして聞いてみたところ、原材料の詳しい内容を教えてくれるとのことだったので訪ねてみた。

　すると、その完全無添加のハム・ソーセージは北海道のファーマーズジャパンが製造しているものだとわかった。原材料の一覧表を見せてもらったが、