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偽装メニュー対応で分かったホテル信用度 ワーストは近鉄系「奈良 万葉若草の宿 三笠」 主要30社調査

情報提供
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ホテルでメニューの虚偽表示が発覚した30社の悪質度を独自にランキングしたなかのワースト10。30社の評価と根拠詳細は画像2参照。
 メニューの虚偽表示が発覚したホテル30社について「有害性」「偽装意図」「事後対応」の3項目でランキングしたところ、ワースト総合1位は、子ども向けメニューにまでアレルギー物質の入った豪州産の成型肉を「和牛ステーキ」と偽って提供し、「大和肉鶏」と偽ってブラジル産を使うなど継続的な偽装意図もみられた近鉄グループ「奈良 万葉若草の宿 三笠」となった。2位の「名古屋観光ホテル」は、食中毒を起こしかねない加工肉ステーキを出しながら返金しないなど、事後対応も最悪だ。返金に応じるホテルは30社中16社にとどまった。より厳しい違反基準を独自に課したプリンスホテル(29位)など注目に値する動きもあるが、景品表示法は運用が恣意的で、消費者庁も、虚偽か否かの明確な線引きを示せていない。さらに、たとえ景表法違反となっても返金義務すらなく、騙された消費者は泣き寝入りするしかない。現状の法制度は明らかに改善を要する。
Digest
  • 表示の悪質性ワーストホテルは「奈良 万葉若草の宿 三笠」
  • 30社中全額返済は13社のみ
  • 前向きな対応を見せるプリンスホテル
  • 返金しないホテル増加の背後に中国料理協会
  • 景表法違反にあたるか判断伏せる消費者庁
  • 返金を義務付ける法律は日本には皆無

表示の悪質性ワーストホテルは「奈良 万葉若草の宿 三笠」

とどまるところを知らないホテルのメニュー虚偽表示。もともとは今年5、6月に発覚した「東京ディズニーリゾート(TDR)」と「プリンスホテル」での虚偽表示が見つかり、他社も調査したところ同様の虚偽が発覚。関西の「阪神阪急ホテルズ」、「ザ・リッツ・カールトン大阪」での報道で火が付き、全国各地に飛び火している。

一口に虚偽表示といっても、その種類は様々で、牛脂抽入や成型肉を意図的に使用した悪質なものから、車エビや芝エビなどの(一方的に提供者側にとってのみ都合がよい)長年の自分勝手な業界ルールによるものなど、様々だ。

そこで現在偽装表示が明らかになっている主要30社について、独自の分析を加え、ランキングした。そのうちのワースト10をまとめたのがトップの表である。

ポイントは、有害性(10点満点)、偽装の意図(10点満点)、その後の対応(10点満点)の3つの視点から評価し、その総合点でランク付けしている。点が高いほど悪いということになる。

評価を行った30社は、以下である。

近鉄旅館システムズ(奈良 万葉若草の宿 三笠)、名古屋観光ホテル、近鉄ホテルシステムズ、東京第一ホテル米沢、グランドホテル神奈中、ホテルプラザ勝川、山形グランドホテル、宇都宮東武ホテルグランデ(東武ホテルチェーン)、江陽グランドホテル(仙台市)、山形国際ホテル、仙台国際ホテル(東武ホテルチェーン)、ロワジールホテル上越(上越市)、JR四国ホテルグループ、ホテルセンチュリー静岡(小田急ホテルグループ)、城山観光ホテル(鹿児島)、ザ・リッツ・カールトン大阪、阪急阪神ホテルズ、札幌グランドホテル、ホテル日航熊本、ホテルメトロポリタン山形、東京ディズニーリゾート、小田急リゾーツ、ガステックサービス、名鉄グランドホテル、JR北海道ホテルズ、ルネッサンス札幌ホテル、ハイアット・リージェンシー、金沢スカイホテル(名鉄グループ)、プリンスホテル&リゾーツ、ホテルコンコルド浜松(遠州鉄道グループ)

全30社についての詳細な評価結果と根拠は、下記画像のとおり。偽装問題やその後の対応には、消費者に対する姿勢やホテルの体質が如実に現れるため、今後のホテル選びの際に参考にしていただきたい。

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虚偽表示が発覚したホテル30社ランキングと根拠詳細。虚偽表示の内容、返金の有無などの対応を一覧にした。ホテルグループの中には複数ホテルが含まれるが1件とカウント。

ワースト1位は、10月31日に発覚した近鉄旅館システムズの「奈良 万葉若草の宿 三笠」だ。

このホテルでは、子ども用メニューの「バンビ御膳」の中にあった「和牛ステーキ」が、実は「オーストラリア産牛肉の成型肉」だった。

成型肉というのは、細かいくず肉を張り合わせてステーキの形にするもの。張り合わせるために決着剤が使用されるが、その中に、アレルギー物質の乳、大豆、小麦が入っている。

アレルギー発症の食中毒事件が起こる可能性もあったわけで、虚偽表示だけでは済まないケースだ。他のエビの名称の偽装や「鮮魚」「フレッシュジュース」などとは比較できないほどに、重大な虚偽表示といえる。

2位の「名古屋観光ホテル」や「近鉄ホテルシステムズ」などは、子どもには出していない点で救いがあるが、「脂肪抽入肉」は、加工中にO‐157などの病原性大腸菌に汚染される可能性があるため、食品衛生法で「十分な加熱が必要」という表示を義務付けている。スーパーで売られている成型肉には、そのような表示がしてある。

だが、阪急阪神ホテルズでも同じであるが、名古屋観光ホテルや近鉄ホテルシステムズでは、「ステーキ」と称して「脂肪抽入牛肉」を使用していた。宴会料理の一部など、事前によく火を通して提供していれば食中毒の危険はないが、ここに列記したホテルでは、単独料理のステーキに脂肪抽入肉や加工肉を使用していたという。

もし客から「僕はレアで焼いてくれ」と注文が来たら、どうするつもりだったのだろうか?そういう注文の時だけは本物の高い牛肉を使っていたとしたら、明らかに意図的偽装をやっていたことになる。また、2位3位のホテルは、返金に対応していない点も事後対応という点で悪質といえる。

4位の「東京第一ホテル米沢」は、有害性については

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陳健一氏(左)が代表の日本中国料理協会はエビの表示の変更通知を会員向けに通知。金萬福氏が料理長のホテルレストランではメニュー変更だけでHPでの謝罪も返金対応もなし。

ワーストワンに輝いた近鉄系「奈良万葉若草の宿三笠」では、いまだに「不適切な表示」と逃げているが、偽装の意図はみえみえ。

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ワーストワン北田宣之2013/11/07 22:23会員
子供たちの未来2013/11/07 13:22
植田武智2013/11/06 16:10会員
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