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「予備校選びで、東進はやめたほうがいいです」東進ハイスクール元担任が語る7つの理由――第一志望に受からなすぎる、東大合格者は水増し、大学生に持論を展開される指導、3者面談までバイト…
インタビュイーの東進ハイスクールスタッフカード。生徒として通った年月を合わせると東進歴は5年に及び、現場の実情に詳しい。

 時給1千円程度の大学生バイトに対し、営業から生徒の指導、親との3者面談まで正社員と同様の仕事をやらせ、年70~100万円もの高額受講料をとる「東進ハイスクール」運営のナガセ。その成果は惨憺たるもので、映像授業にそれだけ払っても、第一志望校に合格する生徒が1割に満たない校舎が普通にあるという。今春には、売りにしていた看板講師陣とのトラブルなどで8名の講師が競合他社に一斉流出し、映像授業の質も低下。ますます東進を選ぶ理由はなくなった。担任助手、そして担任として、今春まで3年間にわたり勤務した元スタッフが、「自分に子供がいても、東進には入れません」と断言する理由を、自身の現場経験をもとに詳しく語った。

【Digest】
◇感覚的に「せいぜい2割弱」しか受からない
◇「サークルか?」東進の指導は大学生の持論に過ぎない
◇担任助手で一番多いのはMARCHの学生
◇東進にハマる子とハマらない子
◇「志望校どうしましょう?」3者面談も学生バイト
◇作文を親に見せて継続契約をとる
◇「他も検討してみて」はNGワード、生徒第一主義ではない
◇他塾に行ってたら「めちゃめちゃ成績上がったでしょ?」と煽る
◇校舎ごとの勧誘マニュアル「仲良くなる」「ここがヤバい」
◇3月末で生徒数が前年割れしていないこと、が重要
◇リーダーシップ教育も
◇校舎ごとの合格実績をオープンにしてはいけない
◇なぜか親がメガバンク勤務だと2割引き
◇ナガセは取材拒否

担任助手歴3年、担任も任されていたベテランバイトのインタビュイーAさん
 僕は、受験生時代も含め5年ほど東進ハイスクールに入り浸り、直近3年間は、担任助手、そして担任として、生徒を指導する側にいました。

 僕が身近な人に東進を勧めない理由は、まとめると7つあります。

 なお、野島博之先生や鎌田真彰先生など有名講師陣の大量流出による映像授業の質の低下は、僕が辞めた今春以降の話ですので、それを加えると8つになります。

 僕が現場の経験ベースでお話しできる7つについて、以下、順番に説明します。

1 とにかく第一志望に受からな過ぎる
2 東大合格数も誇大広告「目の前で1人も見たことない」
3 時給1千円の大学生が持論で指導してるだけ
4 指導する担任助手(学生バイト)は8割がたハズレ
5 志望校相談の3者面談まで学生バイトがやる
6 カネ儲けツールの“夢作文”「東進が言っていることは嘘」
7 生徒のためにならないカネ儲け主義の勧誘マニュアル
番外:社員も担任助手もブラック労働で生徒指導どころではない

■東進用語説明(※生徒60人程度の小規模校舎の場合)
講師:映像授業に出演している講師のこと(現代文の林修氏など)。画面を通しての関係となる。
担任:社員1人、学生バイト2人(シニアの担任助手が兼任)。月1の生徒面談で学習カリキュラム作成・修正。
担任助手:学生バイト6人(うち3人は「募集リーダー」「教務リーダー」「人材リーダー」)。1人で生徒10名程度を担当し、週1のグループミーティングで学習の進捗指導をする。
ホームルーム:月1~2か月に1回程度、大部屋に生徒を集め、社員または担任助手が全体スケジュールや季節の講習などイベントごとを、まとめて伝達。
グループミーティング:週1で約30分、担任助手が、生徒5人ほどとグループ面談。学習の進捗確認、連絡事項、模試申し込みの受付など。

1 とにかく第一志望に受からな過ぎる
◇感覚的に「せいぜい2割弱」しか受からない
 結論として、東進ハイスクールに通っても、第一志望の大学には、ほとんど受かりません。第一志望合格率は、僕がいた校舎では今春、1ケタ%、つまり1割に満たない数字でした。これは、生徒に受験する大学をすべて登録させて志望順位もつけさせる仕組み(社内では『合格設計図作成システム』『サポートシステム』と呼ぶ)なので、間違いないデータです。

 第一志望合格率の低さが、東進の一番イタいところだと思います。僕は、働き手として3年在籍するなかで、約30校舎に担任助手の友達がいて他校舎の話も聞いていますが、これは特異な例ではなく、感覚的に言って、全体でも10%台、高めな校舎で、せいぜい2割弱です。業界一の高い受講料を考えると、費用対効果が悪すぎます。

 本来、大学受験予備校なのだから、社内でも、第一志望の合格率を上げるよう競うべきだと思いますが、社内では、「売上」と、その元になる「在籍人数」ばかりを日々、追いかけています。つまり、教育事業のわりに、生徒本位ではなく、カネ儲け主義ということです。

 たとえばナガセは、東進ハイスクールの担任助手向けの全体研修会を年3回やっていて(春夏秋)、毎回1000人以上が「ベルサーチ新宿」に集まって成績のよい校舎を表彰していますが、そこで「第一志望合格率」によって校舎の順位が発表されたり、合格率の高い校舎が表彰対象になることはありません。公開授業の動員数やポスティングの枚数など、営業を頑張った校舎を中心に表彰されます。

 「向上得点」という、主に講座を修了することで上がる指標がありますが、これもたくさん講座を買わせれば上がるので、売上に連動します。社内で設定した得点がいくら上がっても、志望校に受からなければ生徒にとっては意味がないんです。

 生徒は第一志望の大学に合格するために来ているのですから、本来、合格実績をどれだけ出したか、を最優先に表彰すべきですが、僕が5年ほど見てきた限りでは、結局、売上第一主義で、生徒の合格は二の次なのだ、と感じています。

2 東大合格者数も誇大広告「目の前で1人も見たことない」
 第一志望合格率は、低すぎて公表できないのが実情だと感じていますが、それを補てんするためのPRツールが、「742人東大合格」という宣伝文句です。どの校舎にも貼り出していますが、実際には東進ハイスクールや東進衛星予備校の一般校舎に在籍していない人、つまり「東大特進コース」という特殊な短期講座(全国3~4校舎だけで開講)に、特待生で受講料を払わず在籍だけした人を多数含んでおり、一般校舎(全国に直営とFCで計1100校舎ほどもある)の実態を表していません。

 東進ハイスクールの校舎で東大受験について聞かれたら、「本社の東大特進コース担当者にでも聞いてみて下さい」と言うしかありませんでした。校舎では指導できませんし、何も情報がないからです。実際、東大合格者なんて目の前で1人も見たことがありません。742人とか言われても、「ホントなの?」「絶対700人もいないはずなんだよな」っていうのが、ほとんどの担任助手の感想だと思います。

 「東大特進コース」は、ナガセが社内で決めている高校ランクが「Sランク」「Aランク」(東大合格者をたくさん出している等で決まる)など上位で、かつ、その高校内の学年順位が上位だと、講座が無料になります。あとは、東進だけでなく、駿台・河合の模試で東大の合格判定が高いと、無料になります。(例:志望校が東大で、駿台・河合の指定模試A判定=4講座が無料、など)

これが、ナガセ社内で決めている「Sランク」の高校51校。東大京大合格者数などで決めているらしい。高校内の同学年順位なども加味して、東大特進コースへの優待度合が決まる。巣鴨高校など4校が最近、Sに格上げされたことがわかる。
 つまり、①進学校でもともと成績がよくて東大に受かりそうな生徒、②他の予備校で実力をつけた受かりそうな生徒を、特殊な「東大特進コース」(99%の校舎では関係ありません)に、特待生としてほとんど無料で在籍させて合格者を“横取り”し、数字を水増ししています。

 その他塾(駿台・河合など)在籍者は、東進で学力を伸ばして東大に受かっているわけでは、決してない。つまり、誇大広告です。

 実際、僕が在籍していた直営の東進ハイスクール校舎では今春、東大合格者ゼロでした。広告にだまされて、東進の映像授業や指導法が優れているから自分も有名大学に受かる学力が身につくのでは、などと勘違いしないでください。

 直営校の在籍者が何人受かったかは、社内でも知らされませんから、どれだけ存在しているのか、あやしいものです。

 本当に沢山いるのなら、他の予備校がやっているように、堂々と各校舎に貼り出せばよいでしょう(※東進は校舎別のデータ開示を禁止している)。普通の校舎にいると、東大特進コースは全く関係がないので、担任助手にとっては実態がよく分からない謎のコースなんです。

3 時給1千円の学生が持論で指導しているだけ
◇「サークルか?」東進の指導は大学生の持論に過ぎない
 僕に子供がいたら「東進には入れたくない」と思う理由のなかでも大きなものが、校舎での指導法です。指導の仕方が、ぜんぶ「その学生個人の持論」に過ぎないのです。僕自身がそうやって指導していたので間違いありません。

 直営の東進ハイスクールでは、小規模校だと、1校あたり、「担任」が3人、「担任助手」が6人くらいの体制。担任3人のうちナガセの正社員は1人だけで、残り2人は大学生の年長バイトです。僕も大学3年生のとき、担任助手と担任を兼任していました。担任は、月1で生徒と面談して、全体のカリキュラムを作成・修正するほか、親子と3者面談をやり、ほぼ社員と同様の仕事をします。

 ナガセは、給料が社員よりもダントツで安い学生バイトをフル活用することで儲けています。学生は、僕がそうだったように、その大半が時給1千円固定。社員は1人だけ置いて、残りは全員バイト、という体制の校舎が、たくさんあるんです。

 バイトは、担任助手1年目で指導経験もないのに、最初から1人で生徒10人くらいの指導を受け持ってしまいます。その指導内容は、大学生個人の持論です。「ここは大学のサークルなのか?」と思いました。親は年70~100万円もナガセに払っているのに、ひどいものです。

 バイトどうしでも、たとえば英語だったら「今の時期は、まず単語だ」「今は長文読解だろ?」などと、指導の内容について言い合いをしていました。当然、校舎によっても指導法は変わります。訓練を受けた正社員が専門知識をもって指導にあたるわけでは、全くありません。唯一の社員である校舎長は、我々に「(親から)お金をとれ」とばかり言っていましたが、体系的な生徒の指導法についてレクチャーを受けたことは一度もありません。

難関大合格者たちの学習スケジュール。これが東進が提唱する「勝利の方程式」。現実的には、これをどうやって成し遂げるか?が問題だが、そこが現場のバイト個人の持論に任されている。
 一応、ナガセ式の「勝利の方程式」という理想的な全体スケジュールはあって、それは、①高2の3月までに主要科目を完成させる、少なくとも英語だけは受かる状態にする、②高3の8月までにセンター試験の合格ラインを超える、③9、10、11、12月で2次対策を集中的にやる、というもの。

 ただ、これができたら苦労はないわけで、ほとんどの生徒はこの通りには進めることができないのです。そこで、担任助手の出番になります。

 どうやってこの学習スケジュールを成し遂げるのか、遅れた場合どうキャッチアップするのか、という具体的な個別の計画を、担任助手が指導していきます。この際、会社からベースとなるパワポ資料は定期的に送られてきますが、そのまま使わないケースがほとんど。勉強の計画は個人によって全然違うので、個別の指導ノウハウが必要です。そこが「1大学生の持論」にすべて任されているのが問題だと思っています。

 生徒は、大学生から独自の持論を聞いて、あとは、それに従って、お金を払って講座をとって下さい、と。講座をとったからといって、必ずしも伸びるわけではないです。学生バイトがしっかりコーディネートして、やる気を持続させないといけませんが、そこの当たり外れが大きいのです。

4 指導する担任助手(学生バイト)は8割がたハズレ
◇担任助手で一番多いのはMARCHの学生
 指導する担任助手(学生バイト)の当り外れは、すごく大きいです。学歴でいうと、僕がいる地域でいえば、担任助手(全員バイト)のボリュームゾーンはMARCH(明治・青山・立教・中央・法政)の大学生で、国立や早慶は少数派です。

 必ずしも学歴に比例するわけではないですが、早慶を目指している高校生なら、マーチ(明治、青山、、立教、中央、法政)の担任助手に指導されたくない、というのが普通ではないでしょうか?でも実際には、キャパの問題で、マーチの大学生が早慶第一志望の受験生を担当することはよくあります。(※個別指導塾では、このマッチングが確実に行われる仕組みをとっているところが多い)

 運よく学歴がマッチする担任助手にあたったとしても、一貫した指導法が確立されているわけでもないので、必然的に属人的な指導で、優秀な人が担当してくれるかは、バクチです。優秀なバイトがいる校舎もたまにありますが、比率では、ダメなほうが多いと思う。いろんな情報を持っていて、適切な情報を提示してくれる、というレベルの担任助手は、せいぜい全体の1~2割だけだと感じます。そうとう少ない。つまり、8割がたはハズレなんです。

 いずれにせよ、担任助手は、大学生レベルの「持論」で指導するだけなので、担任助手の話を参考程度に聞き流して、自学自習できるような優秀な生徒でないと、東進では学力が伸びません。それができる生徒は、人数でいえば、やはり生徒全体の2割くらいだけだと思います。

◇東進にハマる子とハマらない子
 あとの8割は、いっぱい講座をとらされて、たくさんカネをとられて、結局、不合格になっているパターンが圧倒的に多い。だから東進式の衛星授業は、自分で全部できちゃう人向けなんです。

 つまり、東進のやり方にハマる子とハマらない子の差が大きい、ということ。ハマる子は自分でやり方がわかっていて、消化できる人。問題集を自分で選んでやっていけるタイプ。「予定立てておいで」と言うだけで立てられる人は、東進でOKです。でも、そんなデキる子、ハマる子は、校舎を見渡しても、全生徒の2割くらいだけ。

 逆にハマらないのは、「公文式」みたいな、全部教えてくれ、という子。「なにやればいいですか?」はダメ。だから、言われたとおりにやるだけの“学校秀才”は、東進のやり方にハマりません。

 本来、指導が必要なのは、自分でできない子(8割)のほう。そもそも校舎に来ないと指導できないので、週1のグループミーティングには必ず来い、と言って指導しますが、指導法が合っているのかどうかはわかりません。1大学生が、自分の経験ベースで考えた持論を展開しているだけですから。

 僕の経験上、生徒の半分以上は、自分で予定を立てられません。我々バイトは、この相談に対応している時間が長いです。担任助手1人が担当する約10人の生徒が、どんな10人かにもよりますが…。なお、誰が誰を担当するかは、理系・文系・国立・私立などで適当に分けています。これも運です。

 勉強がデキない子は、「何がわからないか」がわからない。どこが難しいか、もわからない。だから、質問もできません。「分からないことが少しあって、分からないままにしておくのが当り前」という状態が普通になってしまっている。つまり、デキる子とは別の信条で勉強をしているんです。そういう子には、東進はおススメできません。

5 志望校相談の3者面談まで学生バイトがやっている
◇「志望校どうしましょう?」3者面談も学生バイト
 大学1年生のバイトは「担任助手」ですが、大学3~4年生になると「担任」までやって、親対応もします。研修で面談のロールプレイングなどは教わりますが、付け焼刃の知識で、親からの相談に対応するのです。これは3~4年前から始まった仕組みです。

時給1千円のバイトが持つ名刺。親との3者面談も行う。
 バイトを2年経験すれば、だいたい「担任」になります。僕がそうであったように、バイトを担任にしても、ほとんどの人の時給は1000円のままで、働かせます。

 担任になると、バイトが、生徒と親との3者面談に出ていきます。僕は昨年、16人分の「担任」をやりましたが、これは正社員(校舎長)の3倍ほどの人数になります。

 16回の3者面談では、「志望校どうしましょう?」という親からの相談に、ほとんど一夜漬けで、大学生の身分でナガセを代表して答え、講座を売り込んでいました。そして、1人あたり60~70万円分の契約をクレジットカードで決済しました。

 追加で30万円分の契約もとったりしたので、客単価は年間100万円を超えるケースも珍しくありませんでした。ナガセは、年間100万円払う客に対しても、社員が対応しないのです。

 支払いは、8割がた、クレジット決済。「クレジットで70万決済」が一般的でした。はっきり言って、高いと思います。ナガセはボロ儲けですが、素人のバイトに客対応させて、客をバカにしている。就活前のアルバイトとしては、よい経験になりましたが、自分が親の立場だったら、払いません。

6 カネ儲けツールの“夢作文”「東進が言っていることは嘘」
◇作文を親に見せて継続契約をとる
 仮に受験で受からなくても、もっと長期的な視野で学びを得られるのなら東進に来る意味はある、という考え方もアリでしょう。大学受験がすべてとは思いません。

 東進の方針として、大学1~2年生には、自分が将来何をしたいのか、という「夢」を考えさせます。これは、「グループミーティング」(週1、30分くらい、生徒を5人ずつ集めて担任助手が面談)や「ホームルーム」(月1くらい開催、大部屋に40人ほど集めて担任助手らが話す)を通して行います。これ自体は、よいことです。

 具体的には、「夢作文」と題して、生徒に作文を書かせます。我々は、これを親に見せて、「お子さんの夢の実現に向かってともに頑張りましょう」と、翌年の継続契約をとるんです。高3生には、大学進学の志望動機を書かせます。原稿用紙2~3枚です。(※「夢作文」研修は、社員向けにワタミも実施していた。ナガセでは「合格設計図作成システム」に、「夢・志」という項目があり、そこに画像でアップロードする仕組みになっている)

 一度、生徒に夢をじっくり考えさせたら、「大学に行かなくてよい」という結論になったことがあって、親から怒られました。その生徒は、クリエイター志望だったので、プログラミングを学ぶためには、大学に行く必要はない、というのが合理的な結論だったのです。

 親に怒られるのはまだしも、校舎長からも怒られました。それで、「いい大学に行ったほうが夢が叶えられる」という、無理やりなロジックにして、生徒を説得しました。その生徒が大学受験をやめてしまったら、ナガセが儲からなくなるからです。

 自分も校舎長に対し、かなり怒りました。「東進が言っていることは嘘じゃないか!」と。結局、カネ儲け主義なんです。夢と大学受験を無理やり結び付けて、高2高3の契約をとるツールに使っている。ある人の「夢」と「大学受験」が100%リンクすることなんて、ありえません。生徒本位ではないカネ儲け主義だと感じています。

7 生徒のためにならないカネ儲け主義の勧誘マニュアル
◇「他も検討してみて」はNGワード、生徒第一主義ではない
 ブロック単位で行われる担任向けの研修では、ロールプレイなどで、親と話す際のシナリオを叩きこまれます。たとえば、東進をやめそうになったときに、どうやって思いとどまらせ、引き留めるか。どうやって不安を指摘して煽り、講座をたくさん買わせるか、などです。

※この手口は、サービス内容に自信がない問題企業で、よくみられる。解約されるケースが多いためだ。高齢者相手のサポートサービス契約で高額な解約料を求めるなどで炎上したPCデポでも、解約に来た客を引き止めることを「ОT」(おもいとどまり)と呼び、社内評価のポイントにしていた。

 「他も検討してみて」などNGワードも、教え込まれます。僕は一度、生徒のためを思って、「他の塾も見たうえで、決めたらいいよ」と、ごく当り前のアドバイスをした結果、客を逃したことがあって、社員からぶたれました。

 夢作文の話(生徒の夢を実現するには必ずしも大学に行く必要がない、を否定)と同様、こうした経験から言えることは、「生徒本位で考えてはいけない」「カネもうけ主義」が東進の基本方針なのだ、ということです。

◇他塾に行ってたら「めちゃめちゃ成績上がったでしょ?」と煽る
 東進ハイスクールは、1~2か月に1回、ブロック研修を行います。これは日曜日に、東進ハイスクール94校を15のブロックに分けてブロック単位で行うもの。平均6校くらいに在籍するバイトと社員が集まります。

 ブロックとしての営業マニュアルがあって、たとえば、親の職業や家族構成を、なるべく聞き出せ、と。これは、支払い能力を知るためです。シングルマザーの家庭なら年70万円も払えませんから。

 そして、ロールプレイで営業の実践を学びます。

 「他の塾いってるの?」→行ってたら、「めちゃめちゃ成績上がったでしょ?」(ここはロープレ資料でも実際に太字になっている)と聞くのがキーワード。だいたい上がっていませんから、そこで不安を煽って、東進に鞍替えさせるのがセオリーです。

 営業の大きな流れとしては、チラシのポスティングなどで告知し、有名講師の公開授業(年3回くらい)に参加させる→無料の「招待講習」を受けさせる。招待講習は、映像コンテンツ90分を15回くらい(5コマ×3個)を、無料で受けられます。受けた人の30~40%は、実際に入塾契約します。

 あとは、毎年10月の「全国統一高校生テスト」を受験してもらって、招待講習→入塾の流れです。

◇校舎ごとの勧誘マニュアル「仲良くなる」「ここがヤバい」
 いずれにせよ、招待講習から、いかに入塾に持っていくかが重要で、校舎ごとに勧誘マニュアルがあります。僕の場合は、以下のとおりでした。

1講座目を受けに来た際に、仲良くなって、その生徒の兄ちゃんみたいになる。

2講座目に、テスト結果でよかったところを褒めて、引き出し、超仲良くなる。

3講座目に、不安なところを聞いて、親を呼ぶ。

4,5回目の、親との面談で、「ここがヤバいです」と親に説明して、入学までもっていき、カネを払わせる。

 招待講習の最初にテストを受けさせるので、そこで弱点は把握済みです。「E判定ですね」「このままでは難しいです」「東進は1講座からでも受けられるので…」というのが殺し文句になります。

 1講座から始めて、成績が上がらないと、「足りないからです、1講座じゃ効果は出ないです」「補てんで、こういう講座があります」「入試で受からなくてもいいんですか?」と説得し、ズルズル引き込んでいって、年70~80万円払わせます。

 こうしたマニュアルは、売上至上主義、生徒在籍数至上主義という点で一貫していて、いずれも生徒本位ではない.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。



同じく今春まで別の東進ハイスクール校舎に勤務していたBさんにも事実関係を確認

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   11:30 12/30 2016
かつて吉野敬介氏も指摘していたのだけど床屋みたいな感覚で予備校で勉強しても成績は上がらない。自ら何が出来ないのか出来るようにならないといけないかを意識して勉強しないと。第一志望に受からなすぎる、東大合格者は水増しは他予備校でもあるけど3者面談までバイトは酷い