My News Japan My News Japan ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

ニュースの現場にいる誰もが発信者のメディアです

5.やりたい仕事をやらせる VS 仕事は会社が決める ♯【自律的に仕事内容を選択できる】

❐やりがい―仕事軸『いい会社はどこにある?』

情報提供
やりたい仕事をやらせるマップ
「やりたい仕事をやらせる VS 仕事は会社が決める」マップ

自律的な仕事の選択を、新卒時と入社後の二段階で考えると、前述のとおり、ほとんどの日本企業は、一応、希望は聞くものの、国内の判例法を背景とした暗黙の終身雇用と引き換えに、仕事内容は選べない。では、それ以外に、どのような選択肢があるのか。全体像を把握してもらうため図で示したものが、右記の『やりたい仕事をやらせる VS 仕事は会社が決める』マップである。

Digest
    ①キャリア自律型
  • 自発的に社内異動が可能な外資
  • 社内公募のメリット「ポテンシャル社内転職」
  • 経歴では無理でも「人間関係異動」はできる
  • 社内転職市場が「上司―部下」を対等にする
  • 「自分で行き先を探せ」と言われるソニー
  • 仕事がなくなるのは自己責任
  • ②旧来型外資
  • 「Hire&Fire」の狩猟民族
  • ④リベラルな日本企業
  • 中小企業は社長次第
  • ⑤昭和のパターナリズム企業
  • 軍隊の発想
  • ③士業の人たち
  • 組織内資格業は当然ジョブ型
  • 「新事業提案制度」の有無と運用実態

まず左右を、メンバーシップ型か、ジョブ型か、で分ける。これは、かなり明確である。

目次「やりたい仕事をやらせる」
『「いい会社」はどこにある?』元原稿連載一覧

なぜ同じ日本国内で同じ法律下なのにジョブ型が実現可能なのかというと、「運用」によってジョブ型に近づけることが可能だからだ。ただ、裁判が増えて、かつ企業側が負けるケースが多いため、“評判リスク”はある※。

外資系は、そもそも日本の法律をあまり重視しないし(おそらく日本の法律のほうが時代遅れで間違っていると考えている)、いざとなったら撤退すれば終わりだから、母国と同じ感覚で運用しがちである。

※解雇は社員側が勝つことが多いが、最後は金銭解決になるのが一般的で、感情的な対立もあり、社員として働き続けるケースは稀である。よって、結局、会社を去る。英大手バークレイズの日本法人「バークレイズ証券」でロックアウト解雇された40代社員(入館証や法人クレジットカードをその場で取り上げ、「私物はあとで自宅に送るから」と、室内履きのままオフィスから追い出されたケース)が、社員としての地位の確認や賃金支払いを求め提訴したケースでは、2014年5月、会社側が解決金3931万円を支払う形で決着。社員側の勝訴的な和解だった。詳しくは「バークレイズ証券 室内履きのままロックアウト解雇」参照。

上下は、リベラルか、パターナルか。大多数は、上述した右下の「昭和のパターナリズム企業」のエリアに収まるが、そうではないタイプもある、ということになる。順に説明しよう。

①キャリア自律型

自発的に社内異動が可能な外資

ドライなジョブ型といえば、ステレオタイプとして、トップダウンですぐにクビになる旧来型の米国企業を思い浮かべる人が多いだろう。それに対して、キャリアの自律性や柔軟性を社内でも発揮しやすい会社、つまり、より個人にフォーカスしたリベラルな人事処遇を行う先進的な会社が、ニュータイプとして現れつつある。それら左上に位置する企業を、「キャリア自律型」と名付けた。たとえば、それぞれ複数の社員を取材して実感したのであるが、アマゾンとグーグルは、GAFAと一括りにできず、考え方がぜんぜん違う。

グーグルは、社内転職の仕組みとして社内公募制を運用しており、イントラ上の社内転職サイトで募集がかかる。応募すると、人事部門のリクルーターがサポート役になって、円滑に進むプロセスが、仕組み化されている。ここで有名な、いわゆる「20%プロジェクト」※が利用されることが多いという。

※100%の定時の時間のうち20%、つまり週5日のうち1日は、本来アサインされた業務とは無関係な、自分で企画した、自分がやりたい仕事に使ってもよい、という社内ルール。

「社内異動したい人と、人手が欲しい部署との、お試し期間として使われることが多いです。『まずは20%という形でやってみる?』みたいな感じ。それでうまくできそうなら、実際に異動します。20%ルールで別部署の仕事を手掛けるには現部署の上司の承認は必要となります」(中堅社員)。実際に異動が決まったら、現上司と新上司を含め、具体的な異動時期について、すりあわせるのだという。(※「グーグル 居心地はよいが3~4年で辞める社員たち」参照)

この社内公募はグローバルで運用されており、日本から海外へ、別職種で異動することもできる。US本社には日本人が70~80人おり、その8割がたがエンジニア職であるが、営業・マーケティング系で日本から異動した人もいる。「USのグーグル本社にも、身近で数人が転籍しましたが、これは辞めるというよりも、本人希望による社内異動の一環、と言うほうが近いです」(中堅社員)

社内公募のメリット「ポテンシャル社内転職」

こうした活発な「社内転職市場」は、ビジネス系だとリクルート、技術系だとソニーが長らく運用して、すっかり根付いている。

この先は会員限定です。

会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。

  • ・本文文字数:残り14,987字/全文16,787字

リクルートの半期年俸制度

公式SNSはこちら

はてなブックマークコメント

もっと見る
閉じる

facebookコメント

読者コメント

※. コメントは会員ユーザのみ受け付けております。
もっと見る
閉じる
※注意事項

記者からの追加情報

本企画趣旨に賛同いただき、取材協力いただけるかたは、こちらよりご連絡下さい(永久会員ID進呈)
新着記事のEメールお知らせはこちらよりご登録ください。