バークレイズ証券 室内履きのままロックアウト解雇された管理職に同僚7人が裁判で人望示す陳述書提出、3931万円で和解
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左上は英バークレイズ会長のデビッド・ウォーカー氏。右上はバークレイズがスポンサーシップ契約を結んでいる英サッカー・プレミアリーグ。右下は同社日本法人バークレイズ証券の中居英治社長(中居氏は東大HPより。それ以外は英バークレイズHPより) |
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- 大手証券を渡り歩きバークレイズに転職
- 室内履きのままオフィスを追い出される
- 提訴後、同僚7人が陳述書で援護、人望の厚さを示す
- 原告勝訴級の解決金3931万円で和解成立
大手証券を渡り歩きバークレイズに転職
訴状や準備書面などの裁判資料によると、原告の藤原京子氏(仮名、現50代前半)は、80年代後半に大学を卒業後、外資のCT信託銀行(以下、社名はイニシャル表記)に1年間入社した後、外資のMS証券で、アナリストアシスタントとして勤務した。
そこで藤原氏は、アナリストの犬井祥平氏(仮名)と知り合い、仕事上のパートナーとなった。その後、10年にわたって同社で一緒に仕事をする中で、犬井氏は藤原氏の手腕を高く買うようになっていった。
そして、犬井氏は、外資のC証券に転職する際、藤原氏もセットで入社させることを条件とした。
証券業界では、アナリストとアナリストアシスタントがセットで転職することは、よくある。転職のつど、一からアナリストにアシスタントをつけるよりも、仕事の能率が上がるためだ。
こうしてC証券に移った藤原氏は、その後も犬井氏に同行する形で、内資のM証券、外資のJM証券、内資のMU証券を渡り歩いた。MU証券では、藤原氏は、株式調査部のシニアマネージャーの「部長代理職」に出世し、アナリストアシスタントの教育、指導、管理、アナリスト評価基準や各種マニュアルの作成、海外セールス会議の司会、運営などの業務責任者として働いた。
そうした中、犬井氏は10年3月、英大手金融グループ・バークレイズの日本法人バークレイズ・キャピタル証券(12年6月より「バークレイズ証券」に社名変更、以下「バークレイズ」という)の株式調査部長の名倉泰三氏(仮名、現50代後半)と、会って話す機会があった。
その時、犬井氏は、MU証券では自分はプロタグトマネージャー(PM)として、アナリストチーム全員を評価するマネージャーとなり、海外マーケティングのセミナー立案、投資家からの評価(ブローカーズランキング)などの外部ランキング引き上げのための施策の実施といった、マーケティングマネージャーの役割をしている、という話をした。また、藤原という女性が業務をサポートしてくれていると伝えた。
名倉氏は話に聞き入り、「バークレイズでもそのような仕事が必要だ」と語った。
そして同月中旬、名倉氏は、都内大手町の丸の内オアゾにある和食処「ねのひ」に犬井、藤原氏を呼び、バークレイズへの転職を勧誘した。この時、名倉氏は、藤原氏に対し、「藤原さんには、犬井PMのサポートを引き続きしてもらうと同時に、ビジネスマネージャー(BM)のポジションとして、是非、来て欲しい」と言った。
BMは、藤原氏のためにバークレイズで新設されるポストだった。名倉氏の説明によると、バークレイズの株式調査部のアナリストは約40人。各アナリストの下にジュニアアナリスト、アナリストアシスタントが付き、2~4人で1チームとなる。その中で、管理職であるBMの主な仕事内容は、以下のものだった。
・株式調査部の予算管理のサポート。
・関係当局からの紹介、検査の窓口対応。
・アナリストに対する顧客からの評価の整理、集約。部長である名倉氏に対する、アナリスト評価のための判断材料の報告。
・アナリストアシスタントの管理、業績評価。
名倉氏の説明を受け、犬井、藤原両氏は、転職を了承した。こうして10年5月1日から、バークレイズに入社した。
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バークレイズ証券の入る六本木ヒルズ![]() |
バークレイズでの藤原氏の年俸は、
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解雇通知書の概要(※筆者が裁判資料をメモして作成したもの=コピーや撮影はできないため)
和解条項の概要
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IBMもひどいが、すでに同じような事例があちこちにひろがっているな。
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