| 有給使い切る国の1位はフランス、日本は最下位 | | ロイターと調査会社イプソスが有給休暇を使い切る労働者の割合を国別で調査した結果、フランスが89%でトップ、日本が33%で最下位であることが分かった。(中略)国別の有給休暇を使い切る労働者の割合は以下の通り。 フランス 89% アルゼンチン 80% ハンガリー 78% 英国 77% スペイン 77% サウジアラビア 76% ドイツ 75% ベルギー 74% トルコ 74% インドネシア 70% メキシコ 67% ロシア 67% イタリア 66% ポーランド 66% 中国 65% スウェーデン 63% ブラジル 59% インド 59% カナダ 58% 米国 57% 韓国 53% オーストラリア 47% 南アフリカ 47% 日本 33%
|
|
1位のフランスと最下位の日本の違いは、「What a funny life!トヨタは現代社会では異質」仏人ジャーナリストに聞くにあるとおり。フランスでは、only a job(ただの仕事)なのに対して、日本ではトヨタに代表されるように、会社への所属に誇りを持つよう洗脳・強制されていることからくる。
ちなみに何が「funny life」なのかというと、工場の生産性を高めるために、社員がみんなで一斉に同じ日に有給休暇を取るというトヨタの「奇行」についてである。そんなことしたら、行楽地が混んじゃうじゃない、何で有休の日まで会社に決められなきゃならないのか、バカじゃないの?というのがフランス人のまともな発想。日本人は会社のために、休む日まで会社の指示どおりに従い、「社畜」に徹する。
■有価証券報告書で開示せよ
これを是正するのは簡単だ。情報開示である。2010年から有価証券報告書での開示が始まったのは、年収1億円以上の役員報酬だけだった。この政策は、多くの労働者にとってはほとんど関係がない。働く側が知りたいのは、現場社員の労働環境の実態である。
現在、有報の「従業員の状況」という項目において開示が義務付けられている数値情報は、平均年収と平均年齢、平均勤続年数くらいだ。
平均年収だけは公表が義務付けられているため、高給企業は人気が上がる。だが、それと引き換えに何を失うのかについては、公表が義務化されていない。このアンバランスが、社員側・企業側双方に、年収至上主義をもたらしている。
企業には、ますます社員に激務を強いるドライブがかかる。過労死させようが、休みを減らそうが、公表義務がないからだ。有休休暇の取得率すら日本全体で未だ50%に満たないし、総労働時間はドイツやフランスに比べ年間で数百時間も長い。
今後は、少なくとも上場企業については、平均の「残業時間」「有休休暇消化日数と消化率」、社員の健康診断の結果、在籍中の死亡者数と死因(過労死認定数など)、平均寿命の公表を義務化すれば、1年で間違いなく、目に見える成果があがる。
ランキング好きのマスコミがきっちり一覧表にして書きたてるから、経営側にプレッシャーがかかるのである。民主党政権は、それを目に見える実績として国民に提示し、次期選挙を戦えばよい。
問題は、政治家にリーダーシップがないことに加え、本来ならこれを推進する圧力となるべき労組の親玉「連合」に全くやる気がないこと。「政治家のリーダーシップ欠如」「連合の不作為」という、日本政治のいつもの悪役タッグである。
連合はカネと雇用にしか興味がなく、休みを増やすことには、建前はともかく、実はウラでは反対だ。実際、何もアクションをとらずサボタージュしている。南アより14%も低くて最下位なんて、本来なら恥ずべきなのだが、古賀会長は涼しい顔である。だからいつまでたっても日本は戦後経済、社員に犠牲を強いる社畜経済のままなのだ。
→労働時間の長い会社、短い会社