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持続可能なプロのジャーナリズムとは――弊社を支える会員像

情報提供

正月も普通に仕事しています。12月は過去最高の21本も更新して、苦しみつつ2千人規模に到達しました。会員収入で売上を立てるサイトは、以下グラフの通り、一気に増やすことは難しいのです(逆に一気に減るようなこともありません)。

MyNewsJapan、会員2千人に

一般的な広告収入に依存するニュースサイトは、お客さんが広告主(スポンサー企業)だから、ちょっと景気が悪くなったりすると簡単に「広告宣伝費一律3割カットね」みたいにトップダウンで決まって、切り捨てられる運命にあるわけですが、ウチのお客さんは広告主ではなくて有料定期購読者100%なので、非常に安定しています。

もともと会員が5百人もいればそこそこ続けられるビジネスモデルなわけですが(記事は減りますけど)、2006年に1千人を超えてから一度も1千人を割ったことはありません。読者のコミットメントは強く、会員の皆さんに感謝するばかりであります。

そもそも、ニュースサイトのお客さんが読者じゃないって、おかしなことです。これは、ファッション誌なんかだとそんなにおかしくないのですが、ニュースの場合、読者と広告主の利害は、絶対に一致しないからです。

広告主(トヨタ、ユニクロ、政府機関…)にとって都合の悪い情報は、読者にとっては、もっとも有用な情報です。トヨタに入社して命を落とすユニクロに入社して精神を病んで職場復帰できなくなる自衛隊に入隊して自殺する…そういった事実と背景を知っていれば、人生において貴重な武器になります。

武器どころか、知らなかったがために人生を棒に振ることが起きますから、その情報の価値たるや、人の命にも等しい場合もある。人の命はお金で買えませんが、裁判的に言うと、7~8千万円が相場です(20代過労死の賠償金)。そう考えると、1800円なんて安いものだと思いませんか?

プロフェッショナルというのは元々、神の前でProfess(告白)する、顧客のため、クライアントのために忠誠を誓います、と宣言する、というのが語源です。だから、顧客が2人も3人もいたらプロは成立しない。プロ=顧客志向です。読者と広告主のような利害が相反する顧客を同時に持つ行為は、プロとして失格なわけです。

■プロのジャーナリズム

僕は、プロのジャーナリストが活躍できる場を創りたかった。日本にそういう場がないからです。僕が昔いた日経新聞は、広告主と読者という2つの顧客を持ってしまったアマチュア集団で、プロの仕事ができる場では全くなかったので、とてもプライドを保てなかった。もう、自分で創るしかなかったのです。

有料メルマガも悪くないのですが、僕はもともと政治に興味があって総合政策学部を卒業して新聞社に行った経緯があり、コントロール動機というか、支配動機、影響欲が強い。だから、自分以外のジャーナリストも含めてプロの仕事を実践できる「場」を創り、プロ集団を育て、社会により大きな影響を与えたかった。だからネット新聞なのです。

ジャーナリズムという機能は民主主義国に不可欠だ。プロのジャーナリストにとっての「場」を創りたい。ジャーナリズムを実践する場がないといけない。それを、地に足が着いた形で、持続可能なものとして運営しなければならない。そう思いながら10年、やってきました。

2千人というのはまだ大した数字ではありませんが、有料メルマガの3倍の単価と考えると、有料メルマガで会員6千人というのは、まだホリエモンの半分に届かないくらいかもしれないけど、けっこうな規模です。

■ジャーナリズムとコマーシャリズムの両立

ジャーナリズムにはカネがかかります。評論やキュレーションとはワケが違う。6千字の記事を書くには、膨大な準備と取材と後整理と執筆、裏取り、推敲の時間がかかります。

だから、ビジネスモデルと購読者数は重要なのです。日本版オーマイニュースにしてもJANJANにしても、理念は悪くないのですが、続かなかった。商業的にビジネスモデルが優れていなかったからです。

理念だけでは飯は食えない。ジャーナリズムとコマーシャリズムは、両立させてはじめて意味がある。言い換えれば、ロマンとソロバンの両立。優しさと強さの両立。

もともと儲かりにくいビジネスであるジャーナリズムだけに、この両立問題は決定的に重要です。持続可能なジャーナリズム。その一定のメドは、つけられたと思っています。

■個人が生活できる「職業」に

持続可能と言う場合には、個々のジャーナリストが、ちゃんと飯を食えないといけません。ボランティアでは続かない。人はパンのみにて生くる者に非ず、ですが、パンがなければ生きていけません。

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会員の年齢分布(2013年12月時点、以下同じ)

そのためには、記事1本につき10万円が1つのメドで、15~20万円は必要だと思っています。現在の謝礼は、6~10万円前後で、これは継続的な貢献度と個別記事の成果(アクセス数、続報望むポイント、facebookおススメ数、tweet数…)に応じて自動的に決まる合理的なものですが、このベースを、まずは早期に1.5倍に引き上げたいと思っています。

現在でも、うちに週1本書いて月30万円強を稼いでいるジャーナリストは実績ベースでいますし、フリーだから他で自由に書けるし、単行本を出して印税収入を得てもいいので、ちゃんと市場を見て精力的に活動し、自己ブランディングとキャリアを磨くことを怠らなければ、月50万円くらいの収入は確保できるわけです。

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会員の入会からの年数分布

もちろん、ウチから払われる原資は、お金を払って支えてくれている会員によるものです。1.5倍に引き上げるためにも、会員増が必要です。まさに会員の存在こそが、すべてのカギを握るわけです。以下、統計処理した会員データをもとに、どのようなかたが会員になっているのか、感謝の気持ちを込めて、この機会にまとめてみました。会員ログインのうえ、ご覧ください。

■会員像

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会員の都道府県別比率

会員の就労形態別分布

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locust01382014/01/07 13:28

プロのジャーナリストとしてタクシードライバーへの侮辱と移民差別を行うわけですな。ご立派です。

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NOV19752014/01/07 13:15

プロのジャーナリストたるもの、公共の場(=ネット)においては常にプロのジャーナリスト然としているべきだろうな。あの態度を改めないと持続可能性が下がる気がしている。

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gnt2014/01/07 10:51

メディアによるメディア批判って、難しなあ、とこないだのナタリー編集長の件も思い出しつつ。私情/市場が入るととたんにゲスに見える。津田さんによる「政治&メディア」メディアに期待ですかね。

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soratokimitonoaidani2014/01/05 17:56

月に1000円位だと記憶してましたが、値上げしたんですね。

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takanofumio2014/01/05 07:26

あっいつぞやのタクシーの方

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SasakiTakahiro2014/01/05 05:36

個人が生活できる「職業」に。

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応援会員X2014/01/04 10:26会員
 2014/01/02 20:16
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