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CyberAgentに学ぶ「経済のパイを大きくする」ということ

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 確かに2006年ごろ、ブログはもう伸びない、というムードが流れていた。私もそう感じていた。日垣隆氏のような、それなりに売れてる論者も、4年前にそのようなことを述べていた。
 総合的に判断して、2年前から始まった日本におけるブログ・ブームは、終 焉に向かいつつあります。
 人気ブログのアクセス数は頭打ちとなり(安定したとも言う)、新たに始める人とともに、更新が途切れがちな人々も激増中です。毎日毎日、人を驚かせるような出来事が起きたり、そのように見せたり、目からウロコの視点や新鮮な情報を提供し続けたり、1年に365個も話題やネタを打ち出せるような生活は、周囲からすれば迷惑な話なのではないでしょうか(おまえもな)。
 終焉へ、との判断に戸惑われた方もおられるかもしれません。
 全国紙までがブームに言及し始めたのも、そのブームが去りつつある逆説的な証拠です(朝日新聞5月3日「GWおうちでトライ ブログづくり」など)。流行感度の鈍い一般紙がとりあげるころには、たいていブームはピークを過ぎているというのが日本の常識ですから、そのような指標を見つけるためにまだまだ全国紙から目が離せません。
--「ガッキィファイター」2005年05月10日号

ところが、「人気ブログのアクセス数は頭打ちとなり」どころか、サイバーのアメブロは頭抜けて増殖したのだった。

 『藤田晋の仕事学』では、こう述べられている。
 ブログサービスは2~3年前に『もうこれ以上は伸びない』と言われました。多くの会社がブログサービスを提供し、利用者も一回りして目新しさがなくなってきたところでした。米国も日本も利用者はもう増えないと思われていました。しかし、私は自分自身でブログを使ってきた経験から、市場はまだ伸びると感じていました。そして、次の一手は何かと考えていくうちに見えてきたのが『芸能人・有名人ブログ』でした。(中略)誹謗中傷のコメントを24時間監視して削除する体制を整え、芸能人ブログ専用の営業部隊を作ってブログを書いてもらえるように働きかけていきました。それが大成功しました。

先行投資してきたアメーバ事業は、アバター、プーペガール(きせかえゲーム)での課金、ブログ上でのプレゼント、アドセンス広告などで、2009年7~9月期は黒字化が確実となっている。

よくもまあ、あの手この手を考えるな、と思うくらい必死なのだ。きせかえゲームにそこまで情熱を燃やせるモチベーションがどこから来るのか私には分からないが、こういう努力は、素直に認めるべきだ。このブレークスルーこそが、経済のパイを大きくするからである。

子供手当を親にバラ撒いたり高速道路を無料にしたりしても、経済のパイは大きくはならない。払った税金が貧しい人に戻ってくるだけだから。だから民主党の経済政策は、ジリ貧決定なのである。

アメブロは、既に著名人だけで4千人以上が利用し、圧倒的な先行者利益を確保した。著名人にカネを払ってブログ上でPRしてもらうサービスも始めている。こういった新サービスが始まり、つまり供給サイドが拡大し、経済は成長するのだ。

竹中平蔵がサンプロで「経済の競争力、供給サイドを強くする政策をやらない限りは無理です。需要政策で成長力を高めることは、経済学の常識としてできません」と述べていたが、こういう経済学の常識を民主党はまったく理解しようとしない。

数年前のブログと同様、「もうこれ以上は伸びない」と言われている様々な業界(新聞、テレビ、雑誌など)が行き詰っているのは、そこに藤田氏のような新しい経営者がいないからであり、新規参入できない規制があるからだ。楽天の三木谷氏がTBSを買収できていれば、あの勢いで、あらゆる策で業績を伸ばしただろう。逆に政府に守られたTBSは2009年度の赤字転落を発表した。

新事業が成功する背景には、その裏に膨大な失敗がある。日常的に、社員ぐるみで様々な新規事業育成策を打っているからこそ、その中から成功するものが出てくる。

サイバーでは、末端社員までを対象に行う新事業プランコンテスト「ジギョつく」があり、いまだ成功した事業は出ていないが、我慢強く続けている。毎年一回、夏に選考が行われ、優勝者は100万円の賞金プラス、事業責任者として実行することができる。2009年は過去最高の167案が出た。

それに比べると、新聞・テレビ・雑誌は、自らの崩壊が始まっているのに、指をくわえて見ているだけ。規制に守られ、新規参入がないから、ゆで蛙になっている。政府の規制政策でぬるま湯に浸かっていたツケだ。別に彼らがゆで蛙になって滅びるのはよいのだが、本来ならば経済のパイを増やし、雇用を増やし、法人税を沢山払って税収に貢献できたはずの産業が、一部の無能経営者と貰いすぎ社員たちの食い物にされながら滅んでいく様は、まさに国益を失っているから問題なのである。

 以上の話は、私が下記で述べた政策の分かりやすい事例だ。
①聖域なき構造改革、経済的規制の撤廃。既得権者にムチを打ち、新規参入を促して経済を活性化する。

競争政策を促進し、供給サイドを強めないと経済は成長しない。生活者へのバラ撒き(子供手当て、高速道路無料化)は企業へのバラ撒き(公共事業)よりはましだが、同時並行で規制撤廃・競争促進政策も実施しないと民主党政権は経済の2番底にブチ当たって崩壊する。同時にできるのだから、やればよいのである。

※サイバーについて、詳しくは、サイバーエージェント、「喜び組」が支えるサークル組織に書いている。

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