Baa優良企業予備軍
【仕事偏重型】
(仕事4.5、生活3.0、対価3.6)
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サイバーエージェントの女性社員が、選考過程での興味深い話をしてくれた。「明らかに、それと分かるグループがいたんです。なんでかわいい子ばっかり、と思いましたから。私の周りでは、『喜び組』と呼んでいました。人数ですか?10人くらいです。学歴は無視です」。女性から見てのことなので、サイバーがそういう採用をしているのは間違いないだろう。実際、藤田晋社長が「見た目重視」(つまり、その他の能力はともかく)の採用方針であることは社内外でよく知られ、その点は業界でも「(藤田氏が出身の)インテリジェンスと似ている」と言われている。
【Digest】
◇「顔採用」が基本
◇居心地よい“サイバー村”
◇感覚はサークル
◇辞める人に冷たい
◇長時間拘束労働が当り前
◇「誕生日を祝うのが当り前」な会社
◇激詰めカルチャーの変革
◇「TMN」「やったります」を真顔で言う社長
◇役員へのドッキリを総会で放送
◇女性は子育てと両立不可能
◇インターネット広告事業部、営業担当者の1日
◇様々なインセンティブ
◇4年目で500~700万
◇外資ではすぐクビになるような人が昇進
◇グレードと年俸は関係なし
◇各所にニンジンがぶら下がる
◇『もうこれ以上は伸びない』ブログを事業化
◇入社3年目で、ベテラン扱い
◇やりたいことはできやすい会社
◇ネット広告事業本部は目標未達で研修旅行
◇「顔採用」が基本
「顔採用って分かってるので、社長面接のときはメイクを頑張った、という話を女性社員からよく聞きます。最初は化粧&着飾っている女性ばかりですが、1~2ヶ月以内にスッピンを見てショックを受けるのですが。でも、確かに、ブサイクはいないと思います」(男性社員)
さすがに著書では、「採用面談の時にもよく学生の笑顔を見て判断しています。…最後に契約を結んでもらえるのは、雄弁に語る人よりも笑顔がかわいらしいために、どこか安心感が持てる人の方だったりします」(『藤田晋の仕事学』より)と記すにとどめているが、まるで芸能プロダクションだ。
2004年くらいからは、男性を中心に学歴も重視しており、最近は一番多い出身大学は早慶で次が明治など。東大も毎年3人くらいいるのだという。「女性は顔、男性は学歴」という採用方針は、かつて急成長を遂げたオウム真理教と同じ。組織づくりの成功法則なのかもしれないが、なかなか大企業では露骨に表明しにくい。このあたりは、創業者のキャラ次第でどうにでもできるベンチャーらしいところである。
サイバーは創業来、人材の採用に最大限の力を入れており、「絶対欲しい人は昼も夜も拘束して、社長が出向いて入社させている」(女性社員)という。当然、社長の描いたとおりの、独特なカラーをもった集団となる。
かの国では将軍様を喜ばせるのが「喜び組」のお仕事であるが、サイバーでは社長含む男性全般が対象。社長自身、社員の社内結婚を奨励しており、藤田氏がこのほど明らかにした再婚相手も、読者モデル出身で入社4年目の社長秘書という、なかなか分かりやすいものだった。
◇居心地よい“サイバー村”
サイバーは、渋谷マークシティの21階に入居している。2008年9月、同じビルの13階に同業(ネット広告)のフルスピードが引っ越してきた。当然、営業先や取引業者がバッティングすることもしばしばで、同じビルだけに、比較されやすい。
だが、1階でエレベーターに乗ってきた両社の社員が何階で降りるのかは、ひと目で分かるというのだ。「業者さんからも『分かります!』って言われるんです。サイバーは、ノーネクタイで襟が立ったかんじで、ツンツンヘアで、上下違うものを着てる。女性はちょっとチャラチャラした感じの派手なギャル系か、多少キャリアウーマンが入ってる。でも、フルスピードの社員は、同年代なのに全然違う。全体的に黒系で、モードな感じですから」(男性社員)
今風の、おしゃれでチャラめなファッション。女性は顔採用で、男性も今風な風貌。さらに、ここ5年ほどは新卒を75~135人を採用し、男女比は半々とバランスも考慮。その結果、当然のように社内結婚が増えた。「同期では入社数年後で10組います。社員がみんな若いし、残業で夜まで一緒だから。労働時間が長いので、社外の人だと理解されにくいのもあると思う」(女性社員)
同社は「2駅ルール」と称し、勤務地(ほとんどの人が渋谷)から2駅以内に住めば月3万円の家賃補助が出る。したがって、遠くても三軒茶屋で、ほとんどの人が渋谷周辺の近場に住む。「週末も社員と遊ぶ人が多く、一ヶ月間、社員としか会わない人もいる。だから、外部の人からは『サイバーの人には出会わない』とよく言われます」(男性社員)
著書『藤田晋の仕事学』によると、「社員同士が近所に住むことで仲良くなって連帯感を持ち、会社を辞めにくくなる効果を見越して、近距離通勤者には補助金を出すといった制度も作りました」と、社長自身、連帯感を生み離職率を下げることを狙った施策であるとしている。
◇感覚はサークル
こうしてみると、渋谷周辺に居心地のよい“サイバー村”を作り、村内で結婚させ、同質性を強め、より愛社精神を高めていく施策が、よく考えられている。複数の社員が「社員がみんな同じ色で、同質性が高い」と声を揃える。
「上下関係は緩く、上司が同い年とかも多い。感覚はサークルです。我流で、一般社会の常識や敬語を知らない人も多い.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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逆さ文字で、鏡に映ったものを読むミッションステートメント。トイレに行くたびに毎回、見ることになる。
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サイバーエージェントのキャリアパスと報酬水準 |
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サイバーエージェントの組織 |
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