マッキャンエリクソン、電博より4割安いのにさらにリストラ・賃下げ
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![]() 【生活・対価犠牲型】 (仕事4.0、生活2.3、対価2.4) |
- Digest
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- 「500億あるかないか」の売上高
- 仕事を「こなす」感じの「インターナショナル」営業
- コミュニケーションプランニングはスキル価値が高い
- 粗利益の前年比で総人件費が決まる
- ケビン社長「7:3でフィーを主流に」
- 人事部の目標は「離職率低下」「精神疾患者減」
- 中途が7割ほどを占める
- 国内系最大顧客はオリエンタルランド
- 「英語ができるモノをスバズバ言える女性」に向いてる
- AMD所属社員、電通よりは知的な1日
- 「有休を消化しなさい」という紙
- 男6:女4くらい
- ボーナス4.5ヶ月分
【Digest】(ログイン後、本文内へジャンプ)
◇「500億あるかないか」の売上高
◇仕事を「こなす」感じの「インターナショナル」営業
◇コミュニケーションプランニングはスキル価値が高い
◇粗利益の前年比で総人件費が決まる
◇ケビン社長「7:3でフィーを主流に」
◇人事部の目標は「離職率低下」「精神疾患者減」
◇中途が7割ほどを占める
◇国内系最大顧客はオリエンタルランド
◇AMD所属社員、電通よりは知的な1日
◇「有休を消化しなさい」という紙
◇ボーナス4.5ヶ月分

「また退職の挨拶メールが来たよ…」。マッキャンエリクソンの社内では3月、次々と職場を去る社員の姿が見られた。広告業界は景気悪化の影響をもろに受ける。マッキャンでも2008年12月期決算がグローバルで大幅に悪化。日本法人では、スタッフ部門(クリエイティブ、戦略プランニング)の30代、40代をターゲットに、大量の解雇が行われた。
営業部門でも、外資系企業を担当する組織「マッキャンインターナショナル」でチーム解体など大胆なリストラが行われた結果、空きデスクが大量に発生。残った社員も、不況で広告会社の転職先がほとんどないこともあり、「次は自分の番か」と戦々恐々としているという。
「スタッフ部門、営業部門合わせて、2~4月で50~60人が会社を去りましたが、解雇、降格による自主退社、契約満了などで、早期退職優遇制度はほとんど適用されていないそうです。契約社員が多いこともあり、クリエイティブ部門など約4割も減っています」(元社員)
当然ながら、毎年2月に出ていたインセンティブボーナス(決算賞与)はゼロ。それどころか、経営陣が社員の給与3%カット(経営陣は6%カット)を通達してきたため、「雇用も守れないくせに給与にまで手をつけるのか」と労組が激しく抵抗し、実施を阻止している最中だ。
そんなマッキャンに早々に見切りをつけた元社員に実態を聞いた。

「500億あるかないか」の売上高
辞めて半年以内です。マッキャンでは営業部門にいました。
マッキャンは国際展開するエージェンシーのなかではトップですが、国内では11位前後と小規模。
エージェンシー単独の売上だと、世界でも日本でも電通が1位です(国際展開はできていない)。グローバルでは2位がBBDO、3位がマッキャンエリクソンになります。
マッキャンの日本での売上は659億円(2002年度)を最後に非公表になりましたが、社内では「500億円あるかないか」と言われていました。下がっている原因の1つは、フィー制度への移行です。従来のように、メディアから枠を買い付け、20%~15%を上乗せして企業に売る、といった媒体商社のビジネスから、1時間いくらでチャージしてコミッションで貰う制度に移行しようとしており、見かけ上の売上が下がります。

仕事を「こなす」感じの「インターナショナル」営業
社員数は会社発表の441人(2008年4月)より多少減って400人強だと思います。組織は大きい順に、①AMD(営業)、②UM(メディア担当)、③CR(クリエイティブ)、④PLNG(プランニング)。
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マッキャンの組織![]() |
AMD(営業)は200人前後で、外資を扱うインターナショナルと、日本企業を相手にするジャパンに分かれ、ほかにクリエイティブサービスディビジョンが制作会社の選定や印刷物の買い付けなどをやっています。
インターナショナルのほうは、J&Jなどから継続的にアサインされている仕事をこなす。「作業をこなしていく」という感じ。40歳前後の社員がこう言っていました。「私は回すことはできるが、営業はできない」と。
逆に、ジャパンのほうは提案型の営業力が求められます。コンペ中心の仕事です。チーム制で、クリエイティブディレクター、アートディレクター、コピーライター、戦略プランナー、コミュニケーションプランナー、メディアバイヤーら計6~7人のチームでオリエンに行って、提案し、コンペに勝ったら、実行段階までフォローする。営業が全体を統括する役目となります。
ジャパンは流動性が高い組織で、シニアプロデューサークラス5人程度がそれぞれメインクライアントを持ち、 それが緩やかな組織になっている。 その下にクライアント単位で、4~5人単位のチームが構成されています。
コミュニケーションプランニングはスキル価値が高い
UM(メディア)は100人くらいで、「バイヤー」と「コミュニケーションプランニング(CP)」に分かれている。バイヤーは枠の買い付けが仕事。古い組織(新聞、テレビ)を相手にするので、対外的に名刺に「部長」「局長」と刷られている。ゴルフ接待なども重要な仕事になります。
CPのほうは、顧客企業別のチームになっています。どういうメディアで、どういうコミュニケーションをしたらよいかをプランニングする。統計的なスキルも身につくので、こちらは市場価値が高いです。
CR(クリエイティブ)は70人くらい。コピーライター系とアートディレクター系に大きく分かれます。アート系は美大出身の人が多い。
PLNG(プランニング)は40人くらい。調査やマーケティングブランをつくる人たち。どうやって商品を市場に攻めていくか、を立案する。
あとは管理部門(人事、総務、経理・・・)で、派遣社員が多くて、社員は数十人でしょう。
新卒は年10人くらいで、バラバラに配属となります。最初に配属となった部門から出ることは稀で、異動は、少ないと考えてよいです。異動希望を出しても、バーターなので実現しにくい。私は異動した人を2人しか知らない。PLNG→営業と、メディア→営業。異動するには、根回しのうまさと意志の強さが必要です。中途も年10人とかでしょう。社員の7割がたが中途入社、という印象です。

専門的なスキルが身につくと考えて入社しましたが、営業では、プレゼン力と、マーケやクリエイティブなどチーム全体を統括してコントロールするマネジメント能力が特に身につきました。あとは、ブランディングに関する知識などです。
政治力で仕事をとってくるような日本的で泥臭い電通とは逆のカルチャーなので、
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