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弱者に厳しい共産党 障害者雇用ワーストランキング政党・大学編

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障害者雇用ワーストランキング政党編。常用労働者数56人以上の組織は1.8%の法定雇用率が適用される
 2009年版「障害者白書」(09年5月26日に公表)の中にある内閣府の調査結果で、障害者が日ごろ差別を感じる事例で最も多かったのは「雇用・就業」だったことからも明らかなように、障害者雇用は当事者にとって切実な問題だ。しかし、立法府である与野党の政党からして、実は障害者雇用率を守っていないことが発覚。さらに、大学の実体も調べてみると、30人不足の阪大を筆頭に、九大、東大といった多額の税金が投入されている国立大学ほど法を守っていなかった。(「私立・国立大未達成ランキング」は記事1番下からダウンロード可)
Digest
  • 政党のダブルスタンダード
  • 障害者雇用を守っていた政党はゼロ…
  • 「一般企業などと違う」共産党
  • 「定年退職が相次ぎ…」公明党
  • 「無回答」民主党
  • 自ら立法した法律を守らない自民党
  • 大学ランキング集計方法
  • ワースト12位まで国立大学が独占

政党のダブルスタンダード

政府は「障害者白書」なるものを発表しておきながら、もっとも肝心な雇用率未達成企業・団体の名前を載せないことで、雇用の促進をはばんでいる。弱い立場にいる国民の生活よりも、企業・団体の利益を優先しているのだ。普段は弱者の味方を売りにしている共産党も、口先だけであることが分かった。

前回までの記事で、政令都市のある全国14都道府県に情報公開請求して入手した「障害者雇用率の未達成企業一覧(2008年6月1日時点の数値)」をもとに、雇用不足数の多い企業と、ダブルスタンダードなマスコミの実態を報じてきたが、法律を守っていない組織は、これだけではない。調査をさらに進めたところ、あろうことか、立法府を司る国会議員の集まりである「政党」からして障害者の法定雇用率を守っていないことがわかった。

 政党組織に対しては、民間企業と同様、常用労働者数56人以上の組織に1.8%の法定雇用率が定められているが、日本の主要政党のうち法を守っている政党はゼロだった。未達成の政党が1つか2つならまだしも、表のように共産、公明、民主、自民と、主要政党はいずれも守っていないのが驚きだ。

そもそも、こと障害者政策については、いずれの政党も熱心に見受けられた。たとえば共産党は、派遣切りが顕在化した際に、志位和夫委員長が麻生首相と会談するなど、もともと雇用政策は得意とする分野。だから代々木の党本部「日本共産党中央委員会」のビルには大きな横断幕が掲げていて、「くらし・雇用まもる政治を」と書いていたりもする。

他にもたとえば、昨年12月9日の衆院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員がこんな風に追及していた。

「障害者の権利条約二十七条には、他の者との平等を基礎として障害のある者の労働の権利を認める、募集、採用、雇用の条件、雇用の継続、昇進などの面で障害に基づく差別を禁止しているわけです。経団連は、こうした権利条約、当然日本も批准をし、国内法整備が必要とされているわけですけれども、こういう部分をどのように受けとめ、取り組んでいくのか伺いたい」。

このように基本的に共産党は、障害者雇用の問題に熱心に見える。

公明党も、たとえば障害者の解雇が多発していることが明らかになった今年2月に、太田昭宏代表が河村建夫官房長官に視覚障害者の情報バリアフリー化を求める申し入れを行ったり、同党の渡辺孝男・厚生労働副大臣が日本経団連を訪れ、雇用の維持・拡大を要請するなど、力を入れているように見える。

民主党も、障害者の雇用率の引き上げなどを明記した「障がい者制度改革推進法案」を今年4月に参院に提出するなど活発に動いている。自民党も、麻生首相が昨年11月に政府の「中央障害者施策推進協議会」に出席し、障害者雇用の取り組みを審議する等、政権与党として障害者雇用の問題に取り組んでいるように見受けられる。

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政党の未達成の状況が記された情報公開請求文書

障害者雇用を守っていた政党はゼロ…

このように一見したところ、どの政党も一様に「みなさんも、ちゃんと雇用しましょう」と、国民に呼びかけているかのように見えるのだが、フタをあけてみると、未達成のオンパレードという呆れ果てた結果だったわけである。

ちなみに、情報公開請求文書には、国民新党と社民党の名は、達成、未達成企業の文書の両方で見当たらなかった。これは、法定雇用率の義務が発生する常用労働者数が56人以上ではない、ということを意味する。つまり、日本の主要政党のうち、障害者雇用をちゃんと守っている政党はゼロという、日本の人権、民度を計る上で非常に残念な数値となった。

その責任の重大性から考えて、いいわけの余地はないとも思うが、各政党は一体全体、なぜ未達成だったというのだろうか? 有権者にどう説明するつもりだろうか? 気になる。そこで、①未達成だった理由、②ダブルスタンダードだと思うが、どうお考えか? という二点を質問したところ、次のような答えが返ってきた。

「一般企業などと違う」共産党

共産党の回答は次のとおりだった。

「① 日本共産党中央委員会は、法定雇用率の達成をめざして努力しています。障害を持つ党員の採用や障害者を持つ勤務者の雇用維持に力を入れ、障害者雇用率は近年徐々に上昇しています。現時点では、まだ法定雇用率の達成には至っていませんが、その理由は、日本共産党本部の職員の場合、一般企業などと違って、おのずと制約があるからです。日本共産党員であり、しかも

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大学ワースト30。全ランキングは記事の1番下からダウンロードできる

阪大HPにある人間科学研究科についての説明箇所。「人権と福祉の実現」などと書いてある

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seven2015/06/20 03:11
いそちゃん2011/06/10 09:01
seble2011/06/05 11:56
seble2011/06/05 11:53
浅薄2009/06/07 16:10
shangye2009/06/05 13:34
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