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障害者雇用、最悪企業は日本郵政 ニッセイ、損保ジャパン…保険会社上位に

情報提供
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障害者雇用不足数ランキング ワースト30社
 「派遣切り」「内定取り消し」など雇用不安が拡大するなか、不況前から弱い立場におかれているのが障害者だ。だが、企業と癒着する厚労省は法定雇用率に達しない企業名を公表せず、障害者の雇用促進を妨害している。マスコミも企業の広告収入欲しさに一切、報じていない。そこで、政令都市のある全国14都道府県の「障害者雇用率の未達成企業」を情報公開請求して集計したところ、最悪企業は、なんと日本政府の子会社である日本郵政で、466人も不足していた。上位には、保険金未払い問題でもコンプライアンスを問われた生保・損保が目立った。
Digest
  • 「企業名を公開する必要性がない」と厚労省
  • ワースト1位は日本郵政
  • ワースト2位は富国生命、保険会社が上位に並ぶ
  • ワースト3位は介護のニチイ学館
  • 日経平均銘柄の3分の1が違法

「企業名を公開する必要性がない」と厚労省

不況の波が押し寄せる中で「派遣切り」や「内定取り消し」「正社員リストラ」など「雇用悪化」が問題になっているが、障害者の人々は不況以前から、ずっと高い失業率に見舞われている。

こうした最底辺の社会的弱者と位置づけられる側の視線に立って労働環境を変えていかない限り、多くの人々が抱く「雇用不安」の根本的な解決は不可能だろう。雇用のセーフフィーネットを含め、今よりも人に優しい雇用環境にしていくためには、障害者の雇用の実情を知る必要がある。

障害者の雇用は、民間企業では、法定雇用率1.8%が基準とされ、未達成の企業にはペナルティとして1名につき1カ月5万円(常用労働者数が301人以上の企業)の“罰金”が課せられる。

厚労省は法定雇用率の状況を毎年11月下旬頃に公開するが、統計データのみで、企業名は伏せられており、雇用率が低い企業に対しては裏で行政指導をする。企業名を公開するか否かは役人の胸先三寸とすることで権力の源とする、という裁量行政だ。障害者雇用を促進するためには、厚労省のWEBに全て企業名と数字を載せるのが最良の方法であることは言うまでもない。

厚労省が個別企業の実態を公表しないことについて、筆者は厚生労働省の担当課に「個別の企業ごとの法定雇用率の未達成状況を教えてほしいのですが、よろしいですか?」と聞いたところ、「情報公開請求をしてください」と言われた。

--税金を使って調査しているデータなのだから、情報公開ではなく、ふつうに公開すべき情報ではないですか?

 「企業名を公開する必要性がないと考えているから、どうしても知りたいなら情報公開してください」(厚労省担当者)

役人は、障害者雇用の促進よりも、自らの裁量権を保持するほうを優先する生き物だ。「公開の必要性がない」の一点張りで埒があかないので、「情報公開」を請求することにした。

法定雇用率の未達成率の情報公開は、厚労省の出先機関である各都道府県の労働局に、情報公開請求しなければならない。これだと、全国の情報を知りたい場合、49都道府県に請求しなければならない。

政府に対して情報公開請求をする場合は、一件の請求につき、300円の収入印紙をつけて80円切手を貼って郵送しなければならない。つまり、請求するだけで2万円近くかかってしまう。その後の文書の公開手数料や郵送料などの追加料金を合わせると、少なく見積もっても5万円、多い場合は10万円以上かかる可能性も出てくる事態だ。

そこで、政令都市を抱える自治体と東京都の計14都道府県に本社を置く企業の障害者雇用の実態を情報公開請求して取り寄せ、表のような「悪質ランキング」を作成した。

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ワースト第1位の日本郵政について記載されている、東京都の情報公開請求文書。

ワースト1位は日本郵政

集計し作成した「障害者の雇用不足人数の多い企業のワースト10」が上記の表である。ワースト第1位は、日本郵政だった。

日本郵政がトップになった理由としては、雇用している労働者数の母数が36,872人と、情報公開請求で出てきた他の会社と比べ、とてつもなく人数が多いことが挙げられる。民間企業の障害者雇用の法定雇用率は一律1.8%と決まっているので、雇用する労働者が多い企業ほど、多くを雇い入れなければならない。

だが日本郵政は雇用率1.63%と低調なため、結果的に466人も雇用が不足するという事態になっている。

しかも日本郵政(株)は、少し前まで省庁の一部で、今も政府が株式をすべて保有する、政府の100%子会社である。にもかかわらず、他の追随を許さぬダントツの雇用人数不足という点で、通常の民間企業に比べ、二重に悪質といえる。政府は自分で作った法律を、自ら破っているということだ。まさにワースト1位にふさわしい悪質な企業といえよう

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上:障害者雇用悪質ランキングワースト100社下:人材派遣業界の悪質ランキング

日経平均銘柄障害者雇用ワーストランキング。ワースト企業は損保ジャパンだった。

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公務員ではない人です2015/07/11 04:37
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