東京メトロ全168駅の騒音、ワースト駅は西船橋 ワースト路線は日比谷線
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東京メトロ全168駅を騒音計で実測した結果のワースト10 |
◇大手私鉄15社に85dB以下を提案
前回の「大音量『バカ放送』で騒音性難聴の危険、救急車の10倍でも東京メトロは改善拒否」に関する騒音公害の記事の紹介と一緒に、(社)日本民営鉄道協会に加盟する(東京メトロを除く)大手私鉄15社に2月24日、「貴社(各社ごとの全駅数)駅の発車ベル・拡声器放送の音量も85dB以下に下げることをお勧めします。」というメールを送ったところ、6社(近畿日本鉄道、京成電鉄、京阪電車、東急電鉄、西武鉄道、阪急電鉄)から回答がきました(回答は画像にて表示)。
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大手私鉄15社に「発車ベル・拡声器放送の音量も85dB以下に下げることをお勧めします。」というメールを送ったところ、6社(近畿日本鉄道、京成電鉄、京阪電車、東急電鉄、西武鉄道、阪急電鉄)から回答がきた。![]() |
◇西船橋駅は暴走族、
パチンコ屋、街宣車以上
以下のような対応しか取り続けない東京メトロとは大違いです。
■東京メトロからの昨年の回答
「駅の発車ベルや構内放送については、前回もご説明いたしましたが特に音量基準等はなく、ご利用になられるお客様に注意喚起を促す為に行っており、適切な音量での放送に努めております。ご指摘の赤坂見附駅に確認いたしましたが、発車ベル・構内放送とも特に音量が大きいということはございませんでした。■2月12日東京メトロに送ったメール
今後ともご利用になられるお客様に配慮した音量での放送に努めてまいります。」
(筆者注:日付は不明。誤って削除し、一部残っていたので掲載します。)
1日乗車券(710円)を買って「休日返上」で、2月11日 8時30分から15時30分まで、東京メトロ168駅中91駅で、発車ベル・アナウンスの音量を測定しました(編集部注:測定結果は前回の記事で紹介済み)。■2月15日東京メトロからの回答
本来なら、貴社の産業医が労働安全衛生法で義務づけられた職場巡視で測定して改善勧告し、すぐに音量を85dB未満に下げるべきことであります。
このような状況を放置しておくことは、利用客の聴覚障害発生の危険を考えれば、極めて恥ずべきことです。
近々残りの駅でも測定し、東京メトロ全168駅の結果を報告します。
東京地下鉄お客様センターです。■2月17日東京メトロに送ったメール
この度はお忙しい中、弊社一日乗車券をお求めいただいた上、各駅の音量測定の結果をご報告いただきありがとうございます。
ご報告いただいた内容を関係箇所に申し伝えるとともに、各駅の放送音量については現在、関係箇所と協議を進めております。
また、著書についての内容をご連絡いただきありがとうございました。
(編集部注:前回のメールのなかで参考図書を記して送っている)
東京メトロ 全168駅 測定結果(編集部注:画像参照)
東西線・西船橋駅の発車ベルは、貴社の168駅の中で、最も音量が大きく、104.5dBでした。うかつにも耳栓をはずして測定したため、音響性外傷 (ディスコ難聴)になりかけています。
このレベルですと、1回の被爆で、騒音性難聴を発症し治療できないため、加害者として損害賠償責任も生じます。104.5dBは、騒音性難聴の危険限界として世界共通の 85dB の100倍です。
この西船橋駅の発車ベルは、暴走族(85dB)・パチンコ屋・右翼街宣車(90dB)を遥かに上まわり、このレベルは、労働安全衛生法の危険作業場を除くと、ロックコンサート以外にはありません。現状のまま放置するのは、損害賠償リスクだけでなく、業務上過失傷害罪などの刑事責任も生じるおそれがあります。一刻も早く音量を下げることをおすすめします。
(編集部注:筆者実測で、暴走族は3m離れて83.6dB、パチンコ店は約90dB、 街宣車は5m離れて95dB)
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東京メトロ(銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線)の168駅測定結果 注釈がないのは発車ベルの音量 |
また、路線別で、85dBを超える駅の割合(有楽町線・池袋駅と新線・池袋駅は2駅でカウント。千代田線・綾瀬駅は北綾瀬行き0番線も含めて1駅としてカウント)を調べてみると、ワースト路線は日比谷線(76.2%)でした。
路線別 dB差 (最大値の駅・最小値の駅)では、丸ノ内線の新宿と荻窪の差が34.9dBと3,090 倍の差があることがわかりました(いずれもランキングは画像参照)。
◇日比谷線脱線事故を社史から抹消、JRは「お詫び」
東京メトロがいかに酷い会社であるかは、日比谷線脱線死亡事故の扱いを見るとよくわかります。東京メトロにとって、日比谷線脱線死亡事故などは「パスネット導入」に比べれば、些細な出来事ということなのでしょう。
この事故に対して、東京メトロはホームページに「お詫び」の掲載もなく、沿革でも触れず、社史から抹消しています。
JR西日本、JR東日本は、3年前の事故について、ホームページの冒頭で、「お詫び」をし、さらに事故の反省を踏まえて、その後の対策を公表しています。
■JR西日本
■JR東日本
JR西日本は「沿革」に、福知山線の事故を載せています
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■ワースト30駅■路線別85dBを超える駅の割合■路線別dB差(最大値の駅・最小値の駅)
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読者コメント
はじめまして。別の方のH.P.「JR新宿駅で発車メロディー省略の実験(書き込み終了)」での田中さんの意見を拝見し辿り着きました。全面的に同意見です。民度の低さ!よくぞ言ってくださった!ご存知かとは思いますが「静かな街を考える会」のH.P.「悪い景観」のサイトもご覧下さい。 先進国でこれほど醜悪な都市景観(音を含む)を持つ国を どう好きになってよいのか困り果てています。
初めて乗る路線であれば、乗る前に調べるなり聞くなりしておけばいいのです。そのための駅員でしょう?乗務員もしかり。今や駅も車内も自動放送や案内表示が普及しているにもかかわらず、無闇やたらと騒音とも言える放送をする必要はないと思います。ある路線バスでは「運転手の放送がうるさい」と言って運転手を殴った乗客がいます。その乗客は酒に酔っていたようですが、しつこい放送は迷惑だということです。
自分がどこで降りるかも
分からずに乗る人は、
電車には乗らない方が
良いです。
一見親切の様ですが
「聞かれるのが面倒だから、大音量で放送してやる」
と言う押し付けを感じます。
上野駅は最近「駅の定期はインターネット」をエンドレスに流しています。
またJRの駅で最も重要な事項は「エスカレーターの乗り方」のようですね。
もしも、その一人の乗客がその路線を初めて利用する人だったらどうしますか?
なぜJRの中距離電車(東海道・高崎・宇都宮線等)は、各駅停車にもかかわらず全停車駅をアナウンスするのでしょうか。私は通勤が朝早く、車内は各車両に乗客が一人いるかいないかの状態です。それなのに到着時間、グリーン車がどうとか、携帯が・・・、禁煙が・・・との放送。呆れて物も言えません。鉄道会社はマニアは採らないというのは昔の話のようですね。
田中さん、よくやってくれました!
いつも電車に乗るたびに、あの「バカ放送」に悩まされていました。特にうるさくてしつこいのが京王です。駅も車内もマニア社員のアナウンス地獄。あまりにうるさいので本社に何度もメールを送ったのにスルーされました。放送する人は自分のアナウンスに酔っているようですね。今回の田中さんのメールにより鉄道各社が音量低下に努めてくれることを祈ります。
田中さんの記事を読み音量について自分の感覚が正しかった事が分かりました。東西線沿線に住み、西船経由で会社に通勤しておりましたが西船の放送に嫌気がさし、敢えて不便な経路で通勤しています。駅員に何度か音量を小さく出来ないのか?ハンドマイクの使用を止められないのか?と言いましたが対応は全くありませんでした。田中さんの記事を読み再度JR,メトロに抗議してみる元気が出ました。
田中様 ご尽力ありがとうございます。わたしも細々ですが、小田急電鉄に音量の正常化を求めています.先月26日に「担当した係員の不注意から」などという言い訳文書を送ってきました。
著者は一所懸命に音量を測定しているのに、東京メトロの返事からはあまり誠意が伝わってきません。著者が具体的な数値を報告しているにもかかわらずメトロ側はただ「音量基準はなく」とか「特に音量が大きいということはございません」、とあまり取り合ってくれない気持ちがうかがえます。このページの下に意見・要望のための窓口が書いてありますので積極的に利用しましょう。
西日本鉄道(株)がMy NewsJapanの記事を読んだこと、周辺住民や利用客から音量の苦情があればすぐに下げていることを聞き、いいことだと思いました。大体こういう騒音に苦情を言った場合、不要な放送をやめるのはしないので、音量を下げるのはしてくれるのですね。
・軍事政権下のお客様第一主義
どんなに利用者に配慮しているとしても,またそれが主観的事実であっても,利用者の声を直接きいていないのであれば,市民にやさしい軍事政権と同じであって,現代的な意味では,「ご利用になられるお客様に配慮し」ていることにはならないでしょう.軍事政権の優しさが,どういうものなのか,われわれは痛いほど承知しているのではないでしょうか.
本来なら,各会社が独自に調査して,専門委員会等を設けて,利用者の利便満足を追求しなければならない問題です。メトロの首脳は社保庁なみのようです。「田中」さんの提案の重要性がまだ分かっていないようです。
お忙しいと思いますがJR西日本も是非…。
私は今、ものすごく感動しています。田中さんの最初の記事が出た時、よっぽど西船橋駅のことを言おうかと思って、でもローカルな話題なので迷ってやめていました。今度は西船橋がクローズアップされている!カラオケで自己陶酔するオヤジのような絶叫、あれは駅長の個人的趣味なのでしょうか。それとも先輩駅員から受け継がれた愚かな伝統なのでしょうか。群を抜くにもホドがあります。
の駅構内放送は、どこがワーストとか言うことなく、どこもうるさいと思います。
連れと話をしたくても、お互いの声が聞こえないことも多いです。
日比谷線脱線事故のこと、確かに社史には一言も載せていませんね。「安全への取り組み」というpfdファイルの後ろのほうに、他人事のようにぽつんと触れているだけ。
発生時期の古い・新しいの差があるとはいえ、JR東日本・西日本や西鉄の対応との差は、無視し得ないといえましょう。
記者からの追加情報
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東京メトロ広報:03-3837-8277
お客様相談センター:03-3941-2004
e-mail :customer@tokyometro.jp
https://ssl.tokyometro.jp/contact/goiken/index.html からも意見などを送信可能
■ただいま、東急・小田急・京王・京急・相鉄の全駅も測定中。