日本生命 変革途上の部門間パワーバランスと適材配置
Baa 優良企業予備軍 (仕事2.5、生活3.7、対価4.8) |
- Digest
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- 「入り口」偏重、「出口」軽視
- 年400人も総合職を採ったバブル期の反省
- リテール中心のキャリアパス
- ほとんどが定期異動
- 総合職は、手に職はつかない
- メールは、全て管理職がチェックできる
- 「誰かが見ている」蓄積評価
- 11年目で明確な差が付く
- どの部署に異動できるかが重要
- 雇用はかなり安定的
- 20時までに帰る仕組みに
- 支社のほうが残業は多い傾向
- 緩やかな体育会系カルチャー
- 女性総合職はほとんど辞めてしまう
「入り口」偏重、「出口」軽視
同社では、優秀とされる人が配属され事実上の出世コースとなっているエリート部署と、明らかにそうでない部署があり、社内では、ほとんどの人がそれに気づいている。本部の、部署名に「企画」「人事」「主計」などの名前が入っているところが典型的なエリート部署で、ヒト・カネの配分権限を持つ。
一方、商品開発系は、そうとは見られておらず、さらに今回問題となった契約関係の事務を扱う、契約管理部、契約審査部、契約総務部などは、「総合職が少なく、これまで大事とは思われていなかった部署」(同)。
不正を行っていたのは、50代の総合職社員だった。「自分だって、そこに16年もいたら…、と思っている。誰がああなっても、おかしくなかった。これまで会社が成長を続けるなかで、保険の“入り口”のほうばかりを重視して、“出口”の管理を行う部門に光が当たっておらず、杜撰に放置されている面があった。もっとヒト、モノ、カネを配分しないといけない」と同情する。
「金融庁は人材の中身まで分からないから、組織を作り、人を配置させることで納得するしかないが、実際には、“ピカピカの人材”がそこに送り込まれるか、が重要。少なくとも、『あんなヤツまで?』という人が配置されないと、変わらないと思う」(同)。
同社は属人的な問題とはせず、不正を犯した社員に賠償請求訴訟を起こすどころか、一週間の停職処分と軽いものにとどめた。逆に、役員の報酬を最大3割カットするなど経営全般の問題とし、「創業以来の改革をする」(岡本圀衞社長)としている。
年400人も総合職を採ったバブル期の反省
日経新聞の調査では、2007年4月の入社予定は1,050人(2006年春は845人)で、大量採用が続いている。だがこれは、総合職、一般職、営業部長候補生、法人営業総合職と、すべての合計数。内訳は公表していないが、実際に大幅に増やしているのは、会社の中核を担う総合職ではなく、むしろ地域限定の営業など、専門職のほうだ。
総合職についての最新の発表データは、2005年春入社で、165人。2006年以降も、この人数が激増している訳ではない。なぜなら、バブル期に一度、痛い目にあっているからである。
90年代半ばの就職氷河期、総合職は、年間100人強の採用が続いた。だが、その前のバブル期(1990年前後)は、総合職だけで、4倍にもあたる年400人規模が新卒入社していた。その理由は、保険にとどまらず、証券、銀行、そしてアジアへ進出し、総合金融機関を目指す、という壮大なプランがあったたからだ。しかし、バブルがはじけ、計画もはじけた。
もともと計画通りならば、10年後に管理職ポストが大幅に増えていたはずだった。だが、計画だけは消えたが、社員は解雇できないため、消えずに残った。あぶれた人たちは、「営業所長」などに回されることになった。営業所長とは、現在、総合職ではなく「営業部長候補生」として成果主義を重視した別の給与体系で採用した人が目指すポストだ。会社の中核を担う総合職とは異なるキャリアパスであり、適性がある人はよいが、そうでない人にとってはツラい仕事である。
組織図 |
つまり、同期の人数の関係で、同じ総合職でも、営業所長を経験したり、しなかったりがある。そして、今でも総合職の給与体系のまま、数合わせで、ゼネラリストというより専門職的な仕事である営業所長をやっている人がかなりの数いるのだ。
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キャリアパス
20代後半明細
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読者コメント
現在はグラフのような給料はもらえません。
全体的にだいぶ下がっています。
データが古くなってきているみたいですね。
総合職は勤務管理システムの裏をかいた
サービス残業が多いのが実態です。
よく労働基準監督署に指摘されないものです。
単価にするとそれほど高くないというのが実際のところです。
生命保険という人様のお金を預かる仕事のはずなのに、何故自分のことだけしか考えていないような人達にお金を払わなければいけないのでしょうか。
民間の生命保険機能を使うだけで高い手数料を払わないといけない、
高い手数料は日本生命の従業員のために使われ、できるだけ支払いをなくすために躍起になっている現実を、
そろそろ皆が分かってきたのではないでしょうか。
基本的にニッセイで働く女性はプライドが高い。はっきり言って、ダントツ。
保険金不払い事件のとき思い出すのは、「たたき出している利益に比べてちっぽけすぎる」とあざ笑っていたことです。それも入社一年目の人間が言っているぐらいですから、会社の雰囲気も分かります。
大企業病というのは本当に日本をダメにしていくのかもしれません。
生命保険業界は
全社的に給料が下がり気味ですね
業務総務部にいますが、半端じゃなく仕事きついです。
記事に書いてあるように、事務部門にいる人は優秀な人が少ないです。しかし、最近は海外のロースクールなどで勉強した社員も、支払いサービス室といった「正に事務部門と言えるところに異動したりしています。
日本生命は今後数年間の間に課長補佐の給料を大幅に下げます。したがって、30代前半で1000万円にのる人は極端に減るはずです。これは、管理職と非管理職の給与の逆転を無くすためだという説明がなされていますが、実際は人件費削減が目的です。
営業企画部や総合企画部の企画系の部署や、人事部、そして営業職員の勤労管理を行う、営業勤労Gは繁忙期ではなくても、23時頃までは働いています。あと、401Kや確定給付企業年金を扱う部署も最近は忙しいです。また、主計部の中でも、予算の管理や配分を行う収益管理Gや決算の取りまとめ業務を行う会計・税務Gも一ヶ月近く休みがない時期があります。
でもほとんどの人は8時には帰れてるようです。早い人は6時頃とか。部署格差もなくすよう努力してほしいです。
新入社員でも帰れる時間は格差が大きい。八時に帰れる社員もいるが部署により毎日ほとんど終電近くで帰ってるかわいそうなのもいるらしい。身内が内定とってるがそういう部署にやらされたら悲惨だ。
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