温暖化ガス排出ブラック企業、ワースト1は三菱マテリアル
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温室効果ガス排出量90年比ワースト・ベスト10社 |
- Digest
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- 90年比でどれだけ減らせるか
- 三菱マテリアル、東ソー、東燃ゼネラルがワースト3社
- 自らの消費量をひた隠す電力会社
- シャープ、デンソー、日産、イオンも…100社中43社が非公表
- 排出量上位4社は軒並み製鉄所 新日鐵は削減
- 三菱レイヨン84%増、昭和シェル56.4%増
- ベストランキング1位ダイキン工業、2位旭硝子
90年比でどれだけ減らせるか
環境省の統計によると日本の温室効果ガス全体の排出量は基準年の1990年が12億6130万トン。その後、増え続けたため、2007年度には13億7430トンとなり、90年比8.95%分も増加。つまり、25%削減ということは、2007年比で31%も削減しなければならない。
中でも削減が求められるのは排出量の多い大企業だ。なぜなら、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)による2007年度の企業の排出量は、6億5041万3281トンと、日本全体の47%を占め、排出量上位100社だけで4億236万844トンと日本全体の3割の排出量を占めている。残りは家庭部門や自家用車の排出などだが、圧倒的シェアを占める企業の排出削減が不可欠だ。
それも、90年比で各企業がどれだけ減らせるか、がポイントとなる。国際公約は90年比であるからだ。
そこで、具体的に温室効果ガスの大口排出企業ごとの90年比の増減の状況を調べた。温対法では1990年の情報について公開を義務づけていないため、各企業のホームページの「環境報告書」、および個別取材にて地道に情報を得て作成したのが、画像1のランキング表だ。
まず、国内で100番以内に入るほど排出量が多いにもかかわらず数値を非公開にする会社は、とても社会的責任を果たしているとは言いがたいため、90年の数値を非開示としている会社を「ワーストAランク企業群」とし、なかでも排出量の多い企業ほど悪質度が高いと定義した。100社中43社が非公表だった。
次に、90年比の数値を公開している企業のうち、90年比で温室効果ガスの増加率が高い企業を「ワーストBランク企業群」とした。逆に、削減率の多い企業を、削減率順にベストランク入りとした。
三菱マテリアル、東ソー、東燃ゼネラルがワースト3社
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画像上:三菱マテリアルの製造工程の排出量。90年比の数値は非公開(同社CSR報告書2008より) 画像中:東ソー山口県の南陽事業所、排出量5,609,200万トン(写真提供サイト「WANDER-STYLE」管理人VOYAGER55号氏) 画像下:東燃ゼネラル石油 川崎工場 出量1,815,030万トン(筆者撮影) ![]() |
ワースト1位は三菱マテリアルだ。同社はセメントなどの製造会社。07年度の排出量は921万696トンで排出量は日本の中で7番目に多い。それだけ責任も重いが、同社は90年比の排出量について、エネルギー分の排出量しか出していない。つまり、製造工程の分を隠している。同社に問い合わせたところ
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温室効果ガス排出量上位100社
温室効果ガス90年比全100社リスト
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温室効果ガス排出量ワースト10社は順に三菱マテリアル,東ソー,東燃ゼネラル,東京電力,旭化成ケミカルズ,電気化学工業,電源開発,中部電力,丸善石油化学,麻生ラファージュセメント。非公開の理由もひどい。
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