WiFi電磁波も精子に悪影響 ラップトップPCはひざに乗せるな
昨年11月28日付の米『NewYork daily news』の記事。PCを体に乗せて使うことの危険性を示唆したもの。 |
- Digest
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- 無線LANの電磁波で精子に影響
- DNA切断で発がん性の可能性も
- スイス政府が勧告する予防的無線LANの使い方
- パソコン・スマホ・ゲーム機はどれくらい離したらよいか
- WiFiホットスポットの電磁波は?
- イギリスでは学校の無線LAN測定で最大8.7μW/cm2
無線LANの電磁波で精子に影響
この研究はアルゼンチンと米国の共同によるもので、生殖医学誌『Fertility and Sterlity(生殖と不妊)』の2011年10月のオンライン版に掲載された。携帯電話による精子の影響の研究については筆者も5年前より報道し、WHOも昨年ようやく認めたところであるが、同様の影響が無線LANでも起きるということを示した、はじめての研究結果だ。
どのような研究かというと、健康な男性29人の精子のサンプルをとり、それぞれのサンプルを二つに分ける。一方は曝露群として、WiFiにつながったパソコンの至近距離に置き電磁波を4時間照射しながら培養する。もうひとつはコントロール群としてパソコンなど電子機器のない別の部屋で培養する。
実験の条件などを示した図。PCをひざに乗せた時の曝露量を想定している |
その後に両方の精子を調べ、生存率や運動率(動いている精子の割合)、DNAへの異常など比較するというものだ。(記事末尾に論文要旨の日本語訳をつけた)
電磁波の照射量などは、左図のようにノートパソコンをひざの上で使った状態で精巣が照射される条件などを想定している。精子が置かれたシャーレからノートパソコンの距離は3cmだ。
実際に曝露群の精子が4時間置かれた場所での電磁波を測定したデータでは、大体0.5~1.1μW/cm2で、コントロール群の曝露に比べて7~15倍となっている。
実験結果。精子の運動率とDNA断片化で電磁波による影響が出ている。 |
その結果が右図で、生存率について両群に差はなかったが、運動率(運動している精子の割合)についてはコントロール群が80.9%に対して、電磁波照射群は68.7%と12.7%少ないという結果だ。
統計的にも偶然の差とはいえない(統計的有意な)差であった。
非暴露 80.9% ±8.8%
曝露 68.7% ±8.8%
P<0.01
精子は熱にも弱く、パソコンを稼動させている場合バッテリーからの熱が影響する可能性がある。そこでこの実験では換気装置を使ってサンプル周辺温度を常に25℃を維持したのだという。したがってパソコンからの熱が原因ではないとのこと。
DNA切断で発がん性の可能性も
またDNA切断の割合についても有意な差がでており、
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様々な無線LANからの電磁波の測定グラフ。スイス政府の公衆衛生局のHP
空港のホットスポット周辺を測定したもの。
続々と設置されるWi-Fiのアクセスポイント
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う~む、本論からずれた疑問ですが「携帯」も「PC」も「そのまわりにある電磁波」を捕らえてるだけですよね?耳から離したり、膝におかなかったりすることに意味あるのかな?詳しい方いらしたらご教示多謝。
自宅では、可能な限り有線化したり、不使用時は無線を切る等の対策が出来るけど、公衆無線LANとか電車内ではどうしようもないかな。/お父さんが...!
このネタ何周目?
「電磁波照射群は68.7%と12.7%少ない」
WiFi電磁波も精子に悪影響 ラップトップPCはひざに乗せるな
携帯は不通のストレスが充分健康にわるい/
無線LAN、使っていると、疲れるんだよなぁ。
まじか
どっちが使い道があるか
WiFi電磁波も精子に悪影響 ラップトップPCはひざに乗せるな
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読者コメント
これは正視できない問題だ
今回の記事で紹介したのはin vitroの直接精子に照射した影響を調べたものです。まさにX線じゃないのに、精子のDNA切断を増やしている点が問題です。無線LANなど非電離放射線の熱作用以外の影響について未解明の部分があり研究が必要です。その間どう気をつけておこうかという話です。
無線LANの発生装置と精子の距離しか考慮していない。
実際は皮膚組織などがあり透過性が低い無線LANの影響は殆ど無いのでは?X線じゃあるまいし。
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