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東京地検ヤメ検が愛人を弁護士事務所に採用、入社1か月後に「風俗客扱いした」と即日解雇――労働審判は「女性に200万円払え」

情報提供
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元東京地検のヤメ検に、弁護士報酬を身体で支払わされ、その後も意に反する肉体関係が続いた上、不当解雇された、と訴えるSさん(現30代)
 東京地検の元検事で、都内で弁護士事務所を経営するW氏(現40代)は、妻と別居中で彼女がいる状況下、12年2月にミクシィ上で知り合った愛知県在住の女性Sさん(現30代)から「彼氏が逮捕されて状況が分からず困っている」と相談を受け、その彼氏に接見した。その晩、W氏はSさんとホテルで肉体関係を結び、接見の弁護士報酬を無料にした。その後、行政書士試験の勉強を開始したSさんに対しW氏は「受かれば事務員として雇ってやる」と述べ、毎月のように愛知県に赴き肉体関係を重ねた。翌13年1月、試験に合格したSさんは約束通り雇われたが、時を同じくしてSさんが同郷の男性と付き合い始め(後に結婚)、初出勤から1か月後、W氏に「もう一生セックスしない」と伝えたところ、翌日に即日解雇された。不服を申し立てたSさんに対し、労働審判では解決金200万円を支払うとする審判が下ったが、現在も本訴で係争中だ。トラブルになりがちな「男女関係を伴う人との雇用契約」はどうすれば防げたのか。法律専門家ですら陥った泥沼雇用劇を詳報する。(訴状、懲戒請求申立書、同議決書はPDFダウンロード可)
Digest
  • 弁護士報酬を身体で支払わされたと訴え
  • 「避難具無しのセックスを強要された」Sさん
  • 「勤務中に無理矢理ホテルに連れて行かれ体液を注入された」
  • 「もうセックスは一生しない」と拒否したら即日クビに
  • ヤメ検・W氏側は全面否定
  • 「先月まで既婚者セフレ二人いました」「ラブホでもいいですよ~」
  • 真の解雇理由と泥沼闘争の引き金

弁護士報酬を身体で支払わされたと訴え

元東京地検の、いわゆるヤメ検(※検事を辞めて弁護士に転じた者)に、女性が弁護士報酬を身体で支払わされ、それ以来、意に反する肉体関係が続いた上、その弁護士の事務所に雇われたあと、不当解雇されたとして、地位確認や慰謝料450万円などを求め、東京地裁で係争している、という不可解な事件がある。

そんなことが本当にあるのか――。筆者は真相を知るべく、原告の女性にコンタクトを取り、取材することが決まった。取材前のメールのやり取りのなかで、参考資料として女性側が音源ファイルをメールで送ってきた。それは、冒頭から、女性と男性が、このように口論している音源だった。

女性「それこそさ、私が『中出ししないで』って言ったら『そうだね』って、もう、ねー、そういうのもダメなんか、『うん、わかった』って言っているのに、■■ちゃんは…」(※■■は男性のニックネーム)

男性「それとこれとは全然レベルの話が違うだろうよ!話のレベルが違うだろうが!」

以下、その音源。(※音声は特定を避けるため加工処理している。ニックネームの箇所は無音処理した。この会話の全5分23秒など、計3つの音源は、本文なかばで公開)

  →音源

ただ事ではなさそうである。その後、筆者はその女性に会って、取材した。女性は、都内在住のSさん(現30代)。訴えられているヤメ検とは、都内のW法律事務所の弁護士・W氏だ。Sさんは、W氏に対し、裁判だけでなく、「懲戒請求」を東京弁護士会に申し立てていることも判明した。

Sさんへの取材からしばらく経った今年6月10日、Sさんから連絡があった。懲戒請求が棄却されたので、異議申し出をする、とのことだった。裁判で言うなら、一審で敗訴判決が下ったようなものだ。

その後、筆者は、Sさんの訴えに対するW氏の言い分を載せている裁判資料を精査し、Sさんの訴えは、嘘も交えている疑いが強いことがわかった。一方、W氏の側も、自分には全く非がないかのように訴えているが、そこにも嘘が混じっているように見受けられた。

そこで、双方が裁判所に提出している証拠類という「動かぬ証拠」を精査していくと、この事件の本質が浮き彫りになってきた。Sさん、W氏双方の主張をまとめた上で、泥沼の訴訟闘争を検証する。

「避難具無しのセックスを強要された」Sさん

まず、Sさんの主張をお伝えする。Sさんによると、事件は次のようなものだったという。

Sさんは愛知県のシングルマザーで、離婚後、愛知県の実家で、ピアノ講師の仕事をしていた。プライベートでは、ミクシィの離婚にまつわるコミュニティ(メンバー1千人超)の管理人をしており、そのミクシィつながりで、09年8月にW氏(現40代)と知り合った。

W氏は元東京地検の検事。Sさんによると、W氏は東大法学部首席で、司法試験合格後、東京地検でエースとして活躍していたが、30代前半でパワハラに遭い検事を辞め、弁護士に転じたという。

なお、W氏は弁護士ドットコムでも営業しており、法律相談の回答の際、冒頭に、「元検事の弁護士です。」という枕詞をつけいる。その点からも元検事のブランド力を活用していることをうかがわせる。

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元東京地検の検事で現在弁護士のW氏(同氏のツイッターより)

そんなW氏とSさんが初めて顔を合わせたのは09年11月。Sさんは上京する機会があり、そのとき、子どもを連れて都内代々木にあるW氏の事務所を訪問し、小1時間、世間話をした。

それから疎遠になっていたが、13年2月27日、当時、Sさんが交際していた男性が、突然、背任容疑で逮捕された。接見禁止で事情が分からなかったSさんは、元検察の弁護士であるW氏に相談したところ、W氏は「弁護士だったら中に入れるから、聞いてあげようか」と言った。Sさんは、弁護士費用がかかるだろう、と思ったが、W氏は、「交通費のみで行ってあげるよ」「その晩一緒に泊まるということでどう?」と言った。

Sさんは、「一緒に泊まる」というのは「身体で支払う」という意味だと即座に理解し、苦しんだが、逮捕された彼氏の事情を知りたいという気持ちから、OKの返事をした

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W氏のSさんへのショートメール。「彼とのセックスの最中ですかね(笑)」の一文もある

Sさんがもう一生セックスしないと言った日の夜にW氏が送った解雇宣告メール

上は一回目のホテルに行く前に交わしたメール。「ラブホでもいいですよ~」「了解」というやり取りも。下はその後のやり取り

日本音響研究所の鑑定結果。音源が偽装されていることを示している。(全文は本文中からPDFダウンロード可)

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hagex2014/11/04 14:29

その後、どうなったんだろう?

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jiangmin-alt2014/09/01 23:07

るいとも

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todesking2014/08/30 02:28

(;´Д`)

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ysync2014/08/29 13:32

「なお、W氏は弁護士ドットコムでも営業しており、法律相談の回答の際、冒頭に、『元検事の弁護士です。』という枕詞をつけいる。」興味ないからあれだけど、すぐ特定できそうだなw

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j36722014/08/29 06:17

"淫らな男女関係をしていると、後に凄惨なトラブルに陥るということが、この事件の教訓といえよう。"

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読者コメント

判決傍聴人2015/03/26 07:45
傍聴人2014/11/25 01:11
名無し2014/11/23 01:33
ななし2014/09/18 05:15
審判経験者2014/09/12 14:35
ななしさん2014/09/12 11:32
ななしさん2014/09/12 11:32
ななしさん2014/09/12 11:25
ななしさん2014/09/12 11:24
ななしさん2014/09/12 11:24
通りすがり2014/09/11 06:58
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