記憶力低下招くトランス脂肪酸 大きく減らす敷島製パン、微増の山崎製パン
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敷島製パン(Pasco)のこの1年間でのトランス脂肪酸削減結果 |
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- トランス脂肪酸を減らすPasco
- 全然減らさない山崎製パン
- 日本でも945人の死亡者削減効果
- 1日1g摂取で記憶力に影響が
トランス脂肪酸を減らすPasco
業界第2位の敷島製パン(Pasco)が、菓子パンのトランス脂肪酸削減に本腰を入れていることが分かった。
トランス脂肪酸の表示が一向に進まない日本で、唯一製パン業界だけは、率先して含有量の表示に取り組んでいる。特に主要2大メーカーである山崎製パンとPASCOブランドの敷島製パンは、各社のホームページ上でトランス脂肪酸低減の取り組みの一環として、主要商品の栄養成分の一覧表の中でトランス脂肪酸の表示も行っている。
2013年12月15日の記事「敷島製パンはトランス脂肪酸漬け コンビニ独自ブランドパンではファミマとサンクスに要注意」では、2社の公表データを元に、パン1個当たりトランス脂肪酸を1g以上含むワーストパンのランクキングをつけた。その段階では敷島製パンの方がトランス脂肪酸の含有量は多かった。
今回その後1年間で、それらの含有量がどれくらい変わったかを調べてみることにした。
表紙の表は、敷島製パンのワースト9位だった商品について、2015年1月8日段階での含有量を調べて比較したものだ。1個当たり1g以上の商品は9商品から1商品へ激減している。
中でも「サンドロールダブルバナナ」、「サンドロールダブルメロン」、「ホットケーキサンドマーガリン」などは、1年前は1.8g、1.6g、1.5 g あったものがすべて0.1gと激減している。
敷島製パンは、自社のトランス脂肪酸対策のページでも「トランス脂肪酸低減」を明示しているので、削減の本気度が現れた数値だ。
全然減らさない山崎製パン
一方、業界1位の山崎製パンはどうだろうか?
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山崎製パンのリスト この1年間ほとんど削減なし。![]() |
2013年11月段階では、山崎製パンも1個当たり1g以上トランス脂肪酸を含む菓子パンは9種類あった。しかし当時は、敷島製パンと比べるとトランス脂肪酸の量は圧倒的に少なかった。敷島製パンのワースト9商品の中には1個当たり3g以上含むものが1種類、2g以上でも3種類もあったのに対して、山崎製パンのワースト9商品の場合、1番多いものでも1.3g止まりだった。
左図が、それらの9商品の、現在の含有量を比べたものだ
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2015年1月段階での山崎製パンと敷島製パンのトランス脂肪酸ワースト10位比較。敷島製パンの方が含有量は少なく、この1年間で逆転した。
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読者コメント
山崎パンはちょっとどうかと思う対応が数多くある
行きたくない会社の一つ
マーガリンなどに含まれとりすぎると心筋梗塞などのリスクを高めるとされる「トランス脂肪酸」について、アメリカのFDA=食品医薬品局は2014年6月16日、3年後までに加工食品などでの使用を全面的に禁止すると発表した。
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