ダノン、ネスレ、デルモンテ――拡大進む米国のNON-GMO(遺伝子組み換えでない)食品、ラベル表示すら実質禁止へ進む消費者軽視の日本
アメリカのダノンヨーグルト。原料はすべてNON-GMOで、原料乳もNON-GMO飼料で育った乳牛の牛乳という徹底ぶり。 |
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- ネスレ、デルモンテもNON-GMO商品拡大へ
- アメリカのダノンヨーグルトは乳牛飼料までNON-GMO化
- 日本のダノンは対応なし
- 消費者庁「遺伝子組換えでない」表示実質禁止へ
- 日本はアメリカGMO農産物のゴミ捨て場になるのか
アメリカで「NON-GMO」と表示された食品が増えている。こうしたアメリカのNON-GMO商品を日本で購入できないものかと考え、調べた。まずはコストコに聞いてみたが、後述するようなネスレやデルモンテの「NON-GMO」表示のついた食品は、日本のコストコでは取り扱いがなかった。
日本で購入できるNON-GMOチョコ。ハーシーズのキスチョコミルクチョコレート |
調査を続けると、唯一日本でも買える正真正銘のNON-GMOチョコレートが見つかった。
ハーシーズの「Kisses Milk Chocolates」(左図)で、これはイオンの輸入食品コーナーで購入したものだが、ほかにも成城石井やカルディなどでも販売されている。
ただ、商品の包装にはNON-GMOという表示がない。どうしてNON-GMOだと分かるのかというと、ハーシー社は、個々の商品での遺伝子組み換えの有無について、アメリカの自社ホームページ上で情報開示しているからだ。
アメリカの消費者は、商品に付けられたQRコードをスマホで読み取ることで、これを見ることができる。
この5.3オンス(150g)入りの「Kisses Milk Chocolates」のスマートラベルの中で、「その他の情報 GMOなど」というところをクリックすると、右図のような画像が表示される。「この商品には、GMOといわれる遺伝子組み換え農産物由来の原材料は含まれていません」と書いてある。
上記ハーシーズチョコがNON-GMOであることを示すスマートラベル表示。(原文英語、日本語訳筆者) |
ハーシー社のアメリカのHPでの商品GMO表示に関する説明によれば、一部の消費者の要望に応える形で、商品の原材料のNON-GMO化を進めており、現在、以下7種類の商品について、遺伝子組換え原材料を含まないものへの転換が終わった、とのこと。
Hershey’s Kisses Milk Chocolates,
Scharffen Berger Chocolates,
organic Dagoba Chocolates,
Hershey’s Cocoa Powder
Hershey’s Unsweetened Baking Chocolate,
Brookside Fruit & Nut Bars and Sofit Snacks
原材料のどこが変わったのかというと、甘味料として、以前は遺伝子組み換えのてん菜(砂糖大根)由来の砂糖や、遺伝子組み換えトウモロコシ由来のコーンスターチを使った異性化糖を使用していたものを、遺伝子組み換え品種のないサトウキビの砂糖へ切り替えたという。
また、チョコレートを滑らかにするための添加物である乳化剤のレシチンの原料の大豆も遺伝子組み換えでない大豆に切り替えた、とのこと。
イオンで購入した日本への輸入品にもQRコードが付いているので、スマホで読み込んでみたが、画面には「このパッケージのQRコードは、アメリカの消費者だけしか利用できません」という表示が出てきた。NON-GMO情報はアメリカの消費者向けだけで、日本の消費者へは、情報提供してくれないようだ。
日本で売られている同商品も、本当にNON-GMOなのだろうか?筆者が参加する「食の安全・監視市民委員会」では、遺伝子組み換え食品の表示についての調査の一環として、ハーシージャパンに問い合わせた。
――日本で売られているハーシーズチョコレートは、アメリカで販売しているものと同一という事で良いのでしょうか?
ハーシーズジャパン「同一のものは8割程度で、2割はアジア向けにマレーシア工場で作ったものもあります」
――例えばキスチョコのミルクチョコレートについて、アメリカのHPでは遺伝子組み換え農産物由来の原材料を使っていないと表示されていますが、それは日本で販売されているものでもそうですか?
「原産国がアメリカとなっていれば、そうです。」
――日本でも、アメリカのように遺伝子組み換え原材料を使っていないことを宣伝されないのでしょうか?
「以前、アメリカ本社の方でNON-GMOという表示をしたいという意向があった時に、日本でどうするかという話し合いもあったのですが、日本の表示ルールは砂糖や大豆レシチンは義務表示の対象にはなっていないので、特にNON-GMOという表示などもしていない状況です」
NON-GMOのハーシーズチョコレートは上記7品目あるが、筆者が調べた範囲で日本で見つけられたのは「Kisses Milk Chocolates」だけだった。
ロッテも輸入販売しているが、それはマレーシア産とのこと。「原産国アメリカ」と書いてあるものを選ぶ必要がある。
添加物の原料の大豆にまでこだわって非遺伝子組み換えに変えたものなどは、日本には存在しないので、非常に貴重なチョコレートである。
ネスレ、デルモンテもNON-GMO商品拡大へ
アメリカでは長年、バイオ技術導入を促進する大手アグリビジネスの影響力が大きく、現在のところ、遺伝子組み換え食品の表示に関する法規制が存在しなかった
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ネスレ社のNON-GMO表示のあるコーヒーメート
デルモンテのNON-GMO表示のあるのトマト缶。
消費者庁の遺伝子組み換え表示制度改悪案。11月8日締切でパブコメ中。「遺伝子組み換えでない」という表示が実質使えなくなる。
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読者コメント
記事を見る限りでは外資系メーカーの方が取り組みが進んでるのかな。日系メーカーの取り組みはどうなんだろ。
原料欄に加工でんぷんというのをよく見掛けるが、一般人はどういったものか本当に理解しているのでしょうか?それから、人工甘味料のアスパルテームやアセスルファムKはそれくらい理解されているのでしょうか?民放のTV局だとスポンサーに気を使って詳しく報道されていないのではないでしょうか?
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