大正製薬がハミガキ粉『デントウェル』で殺菌剤トリクロサンをまだ使っていた――大腸がん発症を促進、抗生物質耐性菌を100倍増やす
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2019年3月段階で、いまだにトリクロサンを配合していた大正製薬の薬用ハミガキ「デントウェル」 |
- Digest
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- 一部のハミガキにまだ配合されていたトリクロサン
- ハミガキのトリクロサンは歯ブラシにも沈着2週間残る
- アメリカでは家具や塗料、ヨガマットなどの抗菌処理が問題に
- 腸内細菌を減らし、腸炎・大腸がんを促進
- トリクロサンで抗生物質の殺菌効果が10万分の1に低下
- マウスの尿路感染症菌の生存率が100倍に増加
- 世界の200人の医師が全面禁止を求める声明
一部のハミガキにまだ配合されていたトリクロサン
花王のハンドソープ『ビオレU』などに使用されていた殺菌剤のトリクロサンについては、MyNewsJapanでも2015年から3回記事にしてきた。
殺菌剤を含有する薬用石けんを使っても、普通の石けんと比べて感染症予防効果は示されず、逆に、薬剤耐性菌の発生を増やしてしまう可能性が指摘され、弊害が大きいことが指摘されている。
特にトリクロサンは環境中の残留性が高く、体内での蓄積性が高い。環境ホルモン作用も指摘されており、EUでは、2015年に殺菌成分としての使用が禁止された。
アメリカでも2016年9月にトリクロサンを含む19の殺菌剤の抗菌石けんとボディーソープに配合することが禁止となった。日本でもアメリカの禁止措置に準じて、同じ19成分の、薬用石けんへの配合が事実上禁止する措置がとられた。
しかし禁止の対象は、薬用石けんとボディソープだけで、それ以外の薬用ハミガキペーストやマウスウオッシュ、デオドラント化粧品などへの配合は禁止されなかった。
日本では、一部で禁止措置が取られた成分についての、他成分への切り替えは速い。ケチがついたものについて、企業は自主的に切り替える。
それ自体は良い事でもあるが、単に成分を変更しただけだと、通常は公表されないので、消費者はなかなか気づくことができない。
以前にトリクロサンが配合されていた薬用ハミガキ粉などが、その後どうなったのか、今回、調べることにした。
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薬用石けん以外で、以前トリクロサンを配合していた商品![]() |
2015年の段階で、トリクロサンを使用していた薬用ハミガキ・マウスウォッシュは、花王の「ピュオーラ」「ディープクリーン」、サンスターの「薬用GUMデンタルリンス」。
これらはいずれも、「塩化セチルピリジニウム(CPC)」という成分に変更されていた。
また、2017年段階でデオドラント化粧品のボディーペーパーにマンダムがトリクロサンを使用していた。
今回調査したところ、マンダムも「イソプロピルメチルフェノール」という代替成分に変更していた。よって、日本の化粧品や医薬部外品でのトリクロサンの使用は無くなった、と思っていた。
しかし今回、2019年3月にドラッグストアの調査を行ったところ、新たに発見されたものがあった
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石けんや化粧品以外にもトリクロサンは使用されている
トリクロサンの様々な毒性
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