日米でトリクロサン禁止も、資生堂『ハンドソープ』・サンスター『GUMデンタルリンス』等は危険な代替成分「塩化ベンザルコニウム」入り
トリクロサンの代替として「塩化ベンザルコニウム」を使用した資生堂のハンドソープとボディシャンプー、サンスター液体ハミガキ。 |
- Digest
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- EUに続きアメリカでも禁止された「トリクロサン」
- 抗菌石けん規制に44年かけたアメリカ
- 日本の厚労省は企業の自主的変更を支援するだけ
- 代替品で危ないのは「塩化ベンザルコニウム」
- 液体歯みがき、ボディシャンプーの使用で安全量を超える可能性
- サンスター「厚労省の承認を得ているから安全」
- 資生堂「各国法規を遵守し、製品の安全性に万全を期している」
EUに続きアメリカでも禁止された「トリクロサン」
2015年8月12日の記事で、欧州連合(EU)が石けんやシャンプーなどヒトの衛生用品に殺菌剤トリクロサンの使用を禁止したことをお伝えした。
■花王ハンドソープ『ビオレU』はEUで使用禁止の殺菌成分「トリクロサン」入り 環境ホルモン作用、皮膚に浸透
その時に、アメリカでも食品医薬品局(FDA)が規制の見直しを進行中と書いていたが、その結果、アメリカでも9月2日、トリクロサンをはじめとする19成分の殺菌剤について、家庭用の抗菌石けん・ハンドソープ・ボディウォッシュなどへの使用を禁止するという最終決定を発表した。
1年の猶予期間以内にメーカーは販売を中止するか、成分変更をする必要がある。
アメリカの動きには機敏に反応する日本政府は、菅官房長官が9月7日午後の定例記者会見で、記者からの質問に対して、「アメリカで禁止された19成分の国内での販売実態調査および必要な措置の検討に早急に行う」と回答。
それを受けて厚労省は、9月30日に「トリクロサンなどを含む薬用石けんの切り替えを促します」というプレスリリースで、薬用石けんの製造販売事業者に対して、同成分を含む流通製品の把握と、1年以内に成分を切り替え、承認申請することを求め、その際に承認審査を迅速化すると発表した。
日本が素早い措置を取った点は評価できるものの、日米の禁止措置にはかなり大きな隔たりがあり、日本の対応だけでは安全性に懸念が残る。
殺菌成分のトリクロサンは環境ホルモン作用や耐性菌の発生の可能性が指摘され、EUやアメリカの環境NGOの間では、使用を禁止すべき化学物質として、キャンペーンされてきた物質だ。
米国FDAが禁止した成分一覧。 |
今回のFDAの評価では、事業者に対して有効性と安全性に関する追加データを求めたものの、十分なデータが提出されなかったとして、禁止措置が最終的に決定した。
トリクロサンと共に禁止された19成分の一覧表が、左図なので、購入時にラベルを見て注意してほしい
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アメリカのOTC医薬品規制強化の動き
アメリカで禁止されたトリクロサンなど19成分を配合している日本の商品一覧。1年以内には代替成分に変更が必須となる。
「塩化ベンザルコニウム」を使った商品
サンスターからの回答書
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