Aaa:ベストカンパニー
(仕事4.5、生活5.0、対価5.0)
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四半期のパフォーマンス予算を追いかけるグーグルの営業部隊。昨春の緊急事態宣言時は、コロナ特別措置として「現クォーターは全員100%達成とみなす」という救済措置が実施された。顧客企業が外出自粛となり、不可抗力で予算達成が困難となったため、ターゲット数値を無視して体制を立て直すことになったのだという。グーグル自体も、渋谷の本社オフィスを訪れることなく自宅から仕事を続けるフルリモート体制に移行。ウェブ会議システム『Google Meet』と電話や顧客訪問を組み合わせ、営業活動を継続している。
【Digest】
◇OKRとパフォーマンス
◇360度評価で可視化「よく巻き込めたね」
◇ジョブレベル1~9 昇格「ビジビリティーが大事」
◇新卒時から300万も高いエンジニア職
◇セールスプランとカンパニープランのボーナス
◇RSUを1年目から付与
◇ビジネス職トップ組は20代で2千万超に
◇ジョブレベル7で3千万円~
◇PIPはあるが「図太ければずっといられる」
◇節税効果大きい借り上げ社宅制度
◇OKRとパフォーマンス
このパフォーマンス予算は粗利ではなく売上高であるが、有名な「OKR」(Objectives and Key Results=目標と主要な結果)とどう関係しているのか。OKRとは、インテルが導入して大成功を収めた手法で、2000年代はじめにグーグルも導入。ようは、目標管理制度の発展形である。
「OKRとパフォーマンスは別モノで、直接リンクしていません。これは、個人の業績評価とリンクさせると、O(目標)を達成しやすい低いものに操作してしまうからです。Oは長期的な目標で、アンビシャスなものを掲げるよう求められます。パフォーマンスは、四半期単位で管理される短期的な営業目標数値で、個人の評価に直結します」(若手社員)
グーグルが、富士通“成果主義”の失敗を繰り返すことはなかった。計測可能な目標の達成率のみを成果だと定義して評価すると、組織全体の目標が低く設定されるインセンティブが発生し、会社が成長しなくなる。または、逆にトップダウンで実現不可能すぎる高い数字を押し付けられて組織全体のモチベーションが下がるかの、いずれかになりがちだ。
実際の営業活動における最適な目標設定値は、「頑張れば越えられるかも」と現場がギリギリ思えるくらいの、ストレッチされたアートなラインなので、機械仕掛けで自動的に上から降りてきて決まるものでは機能せず、特に“ムーンショット”では遠すぎる。現場感覚を持ったディレクターくらいが絶妙なポイントを設定するほかなく、よってOKRとパフォーマンスは、方向性さえ合っていればよい。
◇360度評価で可視化「よく巻き込めたね」
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2013年から使われているという評価書式(『WORK RULES!』より)。「今でもだいたいこの通り」(元社員) |
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グーグルでは、クォーターでパフォーマンスの数字を追いかけ、もっとも重要な、昇格がかかっている人事評価は、半期に1度ずつ行われる半期評価(5段階査定)で決まる。12月決算なので、該当期間は1~6月と7~12月だ。評価手法として重視されるのは、「集合知」。つまり、大勢の社員からの情報を活用する点が、検索ロジックと同じ哲学に基づいており、実にグーグルらしい。
「これはグーグルの特徴だと思いますが、かなり本格的な360度評価が実施され、重視されています」(若手社員)。流れとしては、以下のとおりで、これが年2回、実施される。メガバンクや三菱電機が導入したようなパワハラ防止目的で「気づきを与える」程度のものとは、根本的に意味が異なることがわかるだろう.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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グーグル(日本)のキャリアパスと報酬水準 |
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アルファベットのRSUを、中堅社員クラスで年数十株、受け取る |
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評価結果詳細と根拠 |
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