ゲンダイネットは米国新聞界のリストラを伝えている。一方、同じく斜陽産業である日本の紙の新聞社は、政治力と“吠えない番犬”公取の無力を背景に、リストラとは無縁。規制に守られ、終身雇用どころか世界最高水準の賃金体系も保つ理不尽さを誰も伝えない。
ゲンダイネット「
リストラの風吹きまくる米新聞界の惨状
」によれば、米国の新聞界はリストラの嵐。全米4位のLA(ロサンゼルス)タイムズは編集スタッフ全体の約8%にあたる85人の編集スタッフを年末までに削減すると発表。
9月にニューヨーク・タイムズが500人(うち編集45人)、今月初旬にボルティモア・サンが75人(編集は12~15人)の削減を発表している。
業界団体が公表する4~9月の平均発行部数は前年同期比で2.6%も減少。各紙とも、ニュースのネット配信に押され、大幅な広告減と部数減に陥っているという。
一方、米国とは異なり、定価販売を定めた再販制度という規制や記者クラブといった利権に守られている日本の新聞業界は、リストラとは無縁。80年代に「USA TODAY」の新規参入があった米国とは異なり、宅配網などの問題から、日本では新規参入もない。
会社発表で朝日新聞1,358万円(平成17年3月31日現在)、日経新聞1,282万円(平成16年12月31日現在)など、相変わらず世界最高水準の平均年間給与を維持しつつ、終身雇用も守るというぬるま湯状態となっている。
系列の新聞販売店に、さばき切れない部数を押し込んで買い取らせるなど「販売店イジメ」の問題が公正取引委員会に持ち込まれても、朝日・毎日・読売の談合による同調的な販売価格設定が行われても、公取が見てみぬふりをして、なかなか動かないことも大きな原因となっている。
