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寺澤氏ら、記者クラブによる取材妨害禁止を求め仮処分申請

情報提供
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『週刊現代』・舩川輝樹氏、フリージャーナリスト・寺澤有氏、弁護士・佃克彦氏
 警察庁記者クラブ内で実施されている記者会見などの出席を妨害されているとして、フリージャーナリスト・寺澤有氏と『週刊現代』副編集長・舩川輝樹氏の2人は7月9日、記者クラブ・クラブ加盟15社・国を相手どり、妨害禁止を求める仮処分命令申立書を東京地裁に提出。11日、司法記者クラブにおいて会見を開いた。

申立てのきっかけは、全国で問題化している警察の裏金疑惑に関する取材機会をめぐるやりとり。

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仮処分申立書

6月24日、浅野史郎・宮城県知事が宮城県警の捜査報償費予算を、年度途中であるにもかかわらず執行停止。これに対して漆間巌・警察庁長官が6月30日、記者会見で警察活動への介入であるとして浅野知事を名指しで批判した。

かねてより警察の裏金疑惑を報じてきた寺澤氏らは、本件を『週刊現代』で報道するため、浅野知事に取材したほか、漆間長官にも取材を申し込んだ。(関連記事は週刊現代7月23日号[11日発売]に掲載)

まず7月4日、警察庁広報課に取材を申し込んだところ、5日に取材を拒否されたため、漆間長官の記者会見に出席することを模索。8日午前、警察庁記者クラブ、及び同記者クラブに加盟しているメディア15社にも会見出席の要望を伝え、雑誌発行の時間的制約から同日午後5時の回答期限を伝えたものの、クラブ側からの回答は一切なかった。

警察庁記者クラブは新聞社・通信社・テレビ局、計15社によって構成されており、現在の幹事社はテレビ朝日、産経新聞、日経新聞とされる。寺澤氏らは回答を得るために警察庁記者クラブに何度も電話したが、名乗るたびに取り次いでもらえず、幹事社への文書での申し入れも無視された。しかし文書が到達していたことを寺澤氏らは把握しているという。

このような状態で警察庁広報課に再び回答を求めると、事実上はメディアとの定例会見があるにもかかわらず「記者会見は定例的には行っていない」と回答され、スケジュール上の問題で取材を受けないのではなく、記者クラブに入っていない『週刊現代』からのインタビューは受けられない旨のやりとりがあった。

寺澤氏らは今回の申立てのなかで、記者クラブ側が裏金疑惑のような公共性を有する問題を報道するにあたって、本来は共有しているはずの取材・報道の自由を、クラブ非加盟者を会見から排除することによって侵害している、と主張している。

なお、この申立てを受け、警察庁記者クラブ幹事社3社は、取材・報道の自由を侵害した事実はない、と回答したことが毎日新聞で報じられている。

寺澤氏は、会見を開いた司法記者クラブ(裁判所内)での取材では支障を感じたことはないとして、警察庁記者クラブの閉鎖性を強調した。

 今回仮処分申立ての相手方(カッコ内は代表者)は、下記の通り。
◇警察庁記者クラブ(不詳)
◇国(南野知恵子)
◇警察庁記者クラブを構成する主要メディア15社

朝日新聞社(箱島信一)、読売新聞東京本社(滝鼻卓雄)、毎日新聞社(北村正任)、産業経済新聞社(清原武彦)、中日新聞社(白井文吾)、北海道新聞社(菊池育夫)、日本経済新聞社(杉田亮毅)、時事通信社(若林清造)、共同通信社(石川聡)、日本放送協会(橋本元一)、東京放送(井上弘)、テレビ東京(菅谷定彦)、日本テレビ放送網(氏家斉一郎)、フジテレビジョン(日枝久)、テレビ朝日(広瀬道貞)

仮処分決定に法的な期限はないが、審尋手続きは12日にもはじまり、迅速な決定がなされるはずである。

 新聞協会は2003年、「記者クラブ制度廃止にかかわるEU優先提案に対する見解」

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記者からの追加情報

【編集より】下記が記者クラブを当事者とした過去事例。
「藤田さんは九二年六月には、京都市が市政記者クラブを接待したり、ただで電話を掛けさせたりするのは違法な公金支出であるとして、記者クラブと田辺朋之市長を相手取って公金返還を求める住民訴訟を起こした。藤田さんは、市が91年度に、・7回にわたって記者クラブを接待して計約201万円を使った ・クラブの各社の電話料金計約93万円を負担した--のは違法と訴えた。この裁判で記者クラブ側は、『記者クラブは単なる親睦団体で被告としての適格性がない』と主張。市側は市の広報活動の1つと反論した。…大新聞は藤田さんの訴訟をほとんど報道しなかった。京都の支局長会で報道しないという取り決めをしたという。裁判経過を大きく報じたのは『日刊ゲンダイ』だけだった。」 (「マスコミ報道の犯罪」/浅野健一著/96年、講談社文庫)
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