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「成成明学獨國武」卒の僕がユニクロ内定を蹴り、トーマツ非監査部門を経て20代で年俸1400万円マネージャーになるまで:前編

《亜流を極める》

情報提供
インタビュイー写真3
キャリアアップ志向が強いインタビュイー(20代後半)

偏差値55~60くらい、「中の上」ランクに位置するのが、「成成明学獨國武」と呼ばれる大学群である。就職人気ランキング30位くらいまでの会社だと、通常は新卒採用の対象外となる。採用にかけるコストは無限ではないので、確率的に効率が悪いからだ。世界で通用する専門職ブランドBIG4(デロイト、PWC、EY、KPMG)の一角・デロイトトーマツグループの中核企業であるトーマツ監査法人も、会計士資格が不要な非監査部門では、新卒採用だと学歴が求められる。では、この「成成明学獨國武」文系学部卒のインタビュイーは、どうやって20代半ばで監査法人トーマツに転職し、数年後には、さらに高い待遇とポジション――20代後半・マネージャー職・約1400万円の年俸――でステップアップの転職ができたのか。

Digest
  • 成成明学獨國武とは
  • 伸びる非監査部門=社員急増で「入り口」も緩く
  • バイトではなくインターンをやる
  • さっそく大学1年の夏から
  • アフリカで長期インターン
  • ビジネスコンテスト優勝、課外活動賞を受賞
  • ユニクロ「採用直結型」海外インターンで内定
  • 迷ったら怖いほうを選ぶ
  • 2社目に移籍、社会人3年目で年収700万円に

成成明学獨國武とは

国内の私大(医学部以外)には偏差値上のアバウトなランクがあり、就活・転職活動(特に新卒カード)で重要となる。以下のグループ分けは、受験業界だけでなく、企業側の人事部も意識している。

①早慶上智ICU(+ときどき東京理科大)

②GMARCH=学習院、明治、青山、立教、中央、法政、の6大学。

③成成明学獨國武=成蹊・成城・明治学院・獨協・國學院・武蔵の6大学。

④日東駒専=日本、東洋、駒澤、専修の4大学。

⑤大東亜帝国=大東文化、東海、亜細亜、帝京、国士舘の5大学。

実際には、職業直結型の理系学部(特にIT系・医療系)が有利で、“就活楽勝度”は学部によって逆転が起きている(→就活楽勝度マップ)。

もっとも危機感を持たなければならないのは③~⑤の文系学部で、普通に学生生活を送っているだけだと、就活から社会人以降のキャリアは苦しくなりがち。一般論として、社会的地位があって高い給料を得られる職に就くのが難しくなる。それを克服したケースの、実例を報告したい。インタビュイーは③文系学部である。

伸びる非監査部門=社員急増で「入り口」も緩く

非監査業務収入比較BIG4
4大監査法人の「非監査」部門収入推移。圧倒的な伸びを見せるトーマツ。人手不足となり、「歪み」と「チャンス」が生まれる。

「監査というピストルを突きつけながら、コンサルサービスを売りつける」というコーポレートガバナンス問題が発覚したエンロン事件(2001年)以降、監査法人による非監査サービスの提供は、厳しく制限されてきた。

ところが20年という時を経てムクムクと復活。今や4大監査法人の売上全体に占める割合は3割を超えた。

ESG(環境、社会、ガバナンス)の情報開示がグローバルで進み、日本でも2021年6月改訂のコーポレートガバナンス・コードで、東証プライム上場会社に、気候変動リスクに関する開示が義務付けられるなど、「非財務情報」のリスク開示が求められていることが、背景にある。

クライアント企業の心情としては、お墨付きを与えることを仕事とする監査法人にやらせとけば間違いなかろう、丸投げするのが一番ラクだ――と安直な会社ほど考えるため、ビジネスチャンスが広がっている。なかでもトーマツは、非監査収入比率が2022年5月期で38%(526億円)にもなる「非監査」最大手で、年率20~30%増の成長事業である。

「マーケットが成長する波に乗る」ことが、個人のキャリア形成では重要だ。《昇りエスカレーター》の市場で勝負すれば、成長スピードは下駄を履かせてもらえ、人手不足によって、採用の入り口もユルくなる。「成長市場で勝負する」は、キャリアアップの基本である。

以下、昨年までトーマツに在籍していた本人に、詳しく語って貰った。

バイトではなくインターンをやる

もともと大学受験の第一志望は横国、第二志望が首都大でしたが受からず、滑り止めで受かった「成成明学獨國武」のなかの1つの大学に現役で入学しました。小中高とスポーツばかりしていて、あまり受験勉強をしませんでした。

トーマツ契約書-2
トーマツの雇用契約書。社会人4年目。「スタッフ」ランクだが、前職から下がらないよう「調整手当」が上乗せとなった。裁量労働手当は「33時間」分相当。

上位の大学から大手企業に就職する「王道」への憧れはあります。そのほうが絶対ラクですから。でも、受験で志望通りの大学に受からなくても、入学後の行動次第では有名企業にも転職できますし、収入面で挽回も追い越しも可能なので、私の、いわば「亜流を極めた」実例が参考になれば、と思います。

希望した大学ではなかったので、大学では最低限の単位をとるのみとし、ゼミにも入らず、卒論も書きませんでした。だから、学内に友達もいません。学外での活動に、ほとんどの時間を使うことにしました。その中心は、国内外のインターンで社会経験を積むことでした。バイトではなく、「インターン」がおススメです。

バイト=単純な時間の切り売り、換金。コンビニや居酒屋が典型。末端の機械的な仕事。

インターン=経営者の近くで行う、人手が必要な作業。経営判断を見聞きでき、職業の本質を身をもって知ることもできる。

最近は、《インターンに参加するための選考》も厳しくなっています。ここでも大学名は関係してくるのが現実で、サイバーエージェントには、インターンの選考で落とされました。

当時は、ワークスアプリケーションズ(※SIプロジェクトや新ソリューション開発で失敗し2019年、分割&解体された)がインターン先として人気で、優秀な学生は1年目の正社員と同じ給料を貰えていましたが、自分はこの選考にも落ちています。

インターンは、大学1年時から、国内外で4つやりました。大学のキャンパスにいる時間より、インターンに使っている時間のほうが多かったくらいです。

さっそく大学1年の夏から

私が大学生になったのは今から10年ほど前になります。大学1年になって3か月ほど経った7月から、センサーなどの技術系商社(社員10人くらい)でインターンを始めました。これは「キャリアバイト」(エンジャパンが運営)で探しました。

ようは雑用なのですが、2年弱の間、『アウトルック』をはじめPCソフトの使い方など、ビジネススキルの基礎を学べたのがよかったです。働く現場が見えて、視座が上がりました。

並行して、大学2年の秋からは、国会議員の私設秘書を始めました。

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岡本太郎著「自分の中に毒を持て」

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