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年1千人超採用&見た目重視のベイカレント「採りのポイント」はL・C・M・S――面接官が語る人物評価の実際

情報提供
採用シート改
面接官は、上から①採A②採B③採C④NG――の4段階評価を下す

コンサル需要の上げ潮に乗るベイカレントは、利益の源泉となるコンサルの大量採用を続けている。2023年3月~11月は新卒232人を含む1039人が入社。年1200人ペースの採用で、うち新卒は約2割だ。慶応大によると、2023年9月卒と2024年3月卒を合わせた卒業生全体の就職先ランキングで、ベイカレントがトップの124人となった。つまり、ベイカレ新卒の約半数が慶応という極端な採用戦略をとる。中途採用も年1千人ペースとあって、入社の間口は広い。現役の採用面接官に、採用現場の判断基準や具体的な流れについて、その実情を聞いた。

Digest
  • 新卒も中途もコンサル人気爆発中
  • 採用現場の実務
  • 「採用A」は1割だけ
  • 昔は書類落ちのレアキャラ大も、今はザルで通過
  • テクノロジー子会社は年収がワンランク下がる
  • ダメなクライアントほど儲かりやすい
  • リファラル採用、即戦力中途は150万円に増額
  • 離職率8.4%、上がる理由がない
  • JTCメーカー並みの管理職女性比率3.3%
  • 管理本部で初の女性執行役員

新卒も中途もコンサル人気爆発中

ベイカレント慶應だけで124人新卒就職(2024年3月+2023年9月)
慶応大卒業者の就職先ランキング(2023年9月卒+2024年3月卒)。コンサルがトップ10の半数を占める。

30年間にもおよぶ長期停滞に陥るなか、米国GAFAMのような世界をリードする高待遇のTech産業を生み出せなかった日本経済。「よい働き口」を作れなかったのは大人の責任なので、大学生は、自ら起業しないならば、今あるものの中から勤務先を選ぶしかないのが現実だ。

それが現在では、ベイカレントをはじめとする、成長著しいコンサル各社なのだった。他の企業名を見ると、昭和と代わり映えしない。日本経済は、コンサル以外に、人気の新産業を何も生み出せなかったのである。

ベイカレのコンサル数は、2023年2月末で2961人、2024年2月末で3837人。直近(2024年5月末)でコンサル数「4002人」と、4千人を突破。

同社計画では、テクノロジー会社の分社(9月)を見越したテクノロジー本部の新設(2024年3月)にともなう中途採用強化もあり、2025年2月期末には5千人を予想している。

売上とコンサル数推移
同社「決算補足説明・中期経営計画」(2024年4月12日)より

2024年2月期は、コンサル1人あたり平均で、年約2千4百万円を売り上げた。その6割を人件費とすると、額面年収は1.3(保険や年金など法定福利分)で割って1129万円になり、有報開示データ(1074万円=2024年2月の平均年間給与)に近くなる。

この比率はタクシー会社のドライバー取り分(売上の5~6割)とほぼ同じであるが、タクシー会社のように物理的な車両費やガソリン代が全くかからないくせに人件費への配分比率は同じなのだから、コンサル会社は儲かるわけだ。コンサル数の増加=経常利益増加=株主還元額もうなぎ昇りとなり、配当金は26円→37円→43円→50円方針/1株(2025年2月期)と3年で倍増である。

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社員番号は、単純に入社した順番に1ずつ増えていく。この番号は、社内で共有されている。

「社員番号3桁(つまり1千未満)の人もたまに見ますが、最近の社員は8千番台です。一時的な余剰人員が出ても、プロデュース本部の営業力でプロジェクトを獲得できてしまうこともあって、計算すると、この5~6年は平均で年間1千人規模の採用を続けていることになります」(マネージャー、以下同)

管理職の女性比率3%
同社『コーポレート・ガバナンスに関する報告書』より

内訳としては、義務が課されている中途採用比率の公表(労働施策総合推進法)によると、中途採用比率は81%(2021年度)、82%(2022年度)、82%(2023年度)であり、新規採用全体の8割が中途組。テクノロジー会社の分社化で「SE歴3年以上」などを条件に中途採用を強化しているため、今年は中途比率がもう少し上がる可能性が高い。

1039人採用しました
1039人採用、うち新卒232人(2024年2月期第三四半期報告書より)

昨年度の実績では、2023年3月~11月では1039人採用し、うち新卒が232人だった(2024年2月期第三四半期報告書による)。新卒232人で中途採用比率82%だから、年間の採用総数は、232×100/18=1288人。中途だけで1056人という計算になる。

同社予想では2025年2月期末にはコンサル数5千人突破なので、いま現在、2025年2月期も中途1千人超は余裕で採用中であり、コンサル業界に入りたい人にとっては、チャンスが続く。

採用現場の実務

入社するには、まず情報戦を制しなければいけない。前回記事のとおり、採用権限を持っているのは、コンサルティング本部ではなく、「プロデュース本部」内にあるGM傘下の新卒採用担当チームと中途採用担当チームである。

「プロデュース本部だけの面接では、プロジェクト現場で使える人物か否かを判断できませんから、現場のマネージャークラス以上が採用面接に借り出されます。自分も、中途採用の面接官を20人以上はやっています。1人あたり、45分面接+15分シート記入の、計1時間くらい」

まず、他社にはみられない特徴として、「ルックス」を4段階評価している。

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「採りのポイント」L・C・M・S。「LOOKS=見た目」にベイカレらしさが出ている。

総評を記入。結果は採用かNGで、採用の場合は採A採B採Cと3段階評価を下す。

SE実務経験3年以上、学歴「高専卒」もOK

まだやっていたフューチャーとの民事訴訟(2024年2月期有報より)

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