6年目で年収500万円ないマツダ、残業代ゼロ指令で30歳600万ない日産――『車好き』につけこむ〝やりがい搾取〟の自動車業界
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| 日産の入館証を示すインタビュイー「外資の怖いイメージがありましたが、そうでもなかったです」 |
「いま、開発部門では『残業時間はゼロにするように』、と上から言われています。開発予算が削られ、2027、2028年に向けた新規開発は、いったんストップだ、と」(30代技術職)。2025年3月期に6708億円の最終赤字に転落し、今期も同規模の赤字を見込む日産自動車。昨年5月に再建計画を発表し、追浜・平塚を含む世界7工場の閉鎖や2万人の人員削減を実行中とあって、コスト削減は開発部門にも及ぶ。業績が悪いときこそ、その会社の底が見え、本質が姿を現すもの。マツダから移籍し、両社を知る30代技術職社員に、両社の違いと共通点を聞いた。
- Digest
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- 6年目でも住居費ひいて手取り月12万円のマツダ
- 西日本一帯の「車好き」を集められる地の利
- DINKSは住宅補助ゼロ、独身と扶養家族向けには出る日産
- 2026年度からL1~L4に管理職の報酬バンドを分け直し
- 社割で自社の車を買って通勤、が業界デフォ
- 自動車メーカーに技術職で入社する難易度
- 「街中、かつ世界中に溢れている」魅力
- 異常に低い離職率
- 特殊な社会主義的グローカル企業・マツダ
- フレックス勤務の運用に差
- 手打ちのマツダ、分刻みで厳密に残業代くれる日産
- 交通至便なマツダ、バスだと駅から30分かかる日産
日産は、業績悪化を受けた人事処遇改革として、2026年4月から、管理職クラスの報酬バンド(M0~M3)をL1~L4に分け直し、従来ならば1つ上の報酬ランクの人が担っていた役割まで、同じランクの人物ができるようにするという。「役割と責任は重くなるが給料は上がらない人」を増やすことで人件費を抑制したい魂胆が透けてみえる。
6年目でも住居費ひいて手取り月12万円のマツダ
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マツダ入社6年目(B7グレード)の給与明細。マツダスカイプラン補助手当というのは、マツダ車のマイカーローン補助。![]() |
「勤続6年目で、これですから。安すぎると思いませんか?初任給から、ぜんぜん上がらないんです」
数年前まで勤務していたマツダ時代の給与明細を見せてもらうと、なんと経営危機に苦しむ日産の学部卒の新卒初任給と、ほぼ同額だった。
新卒からの20代の6年間は、ビジネスパーソンがもっとも成長する時期でもあり、同業他社の未経験新卒23歳と同じ給料では、さびしいものがある。安すぎ、上がらなすぎ、なのだ。
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マツダのキャリアパスと報酬水準![]() |
けっして昇格が遅れていたわけではない。同期一律で「B8」というランクからスタートし、4年目(院卒2年目)に「B7」に昇格。ここで差がつくことは、まずないという。全員、同じで、この水準なのである。ということは、福利厚生のほうが異様に充実している、ということだろうか。
「私の時代は独身寮に格安で入れましたが、2023年ごろに総合職向けの寮制度が廃止になって、
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2026年度~日産のキャリアパスと報酬

2026年度マツダ採用計画数の内訳(同社公式発表)

自前主義で円安メリットが甚大なマツダの特殊性

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