「現場から逃げろ!転倒するな!」 痴漢えん罪被害者を出さないための男性の心構えと必需品
【電車内での痴漢えん罪対策法その1】 車内が込んでいて奥まで進めない場合は、あえて一番最後に車両に入り、入口のドア前に位置をキープ。他の乗客に背を向けて、両手を挙げてドアのガラスにつくか、片手で本を読んでもいい。要は、背中を女性にむけて両手を高くあげることだ。 |
【Digest】
◇いつどこでも、あなたが痴漢犯人に
◇被害者の供述をほぼ100%採用
◇刑事裁判の有罪率99・9%という現実
◇電車内で「痴漢です!」と事務室に連れて行かれるが・・
◇駅の事務室に行けば「アリ地獄への道」
◇地獄への道は善意によって舗装されている
◇現場から逃げろ! ただし転倒するな!
◇普段から名刺・身分証・携帯電話・筆記用具を準備
◇できる限り女性を近づけないこと
◇車内でバッグや内ポケット内をいじるな
◇疲れているときは座らず、立ったまま
◇電車通勤経験のない裁判官に裁かれる恐怖
◇いつどこでも、あなたが痴漢犯人に
2007年1月26日(金)午後9時半頃、JR飯田橋駅で各駅停車に乗り、四ッ谷駅で快速に乗り換えようとホームに下りた。金曜日の夜にしては、比較的人は少なかった。
ホーム中ほどの階段に向かって少し速めに歩いていると、20代に見える女性とすれ違いざま、彼女の右手が軽く私の股間に触れた。
あっ、と思った瞬間の出来事だった。ヒヤっとした。もし逆に、歩行中の私の手が女性に触れてしまったら、どうだったか。私が痴漢犯人にされていたかもしれない。
なぜなら、「デパ地下で女性とすれ違い痴漢にされた!『痴漢えん罪』被告が実名で告発」でも伝えたが、この事件の被告も似たような状態で女性とぶつかって、痴漢犯人に仕立て上げられたからだ。ただ、この事件では「触れた」のではなく「ぶつかった」ので私の場合より接触の度合いが強かった。
とはいえ安心はできない。「それでもボクはやってない」と叫んでも、アリ地獄へ落ちていたかもしれないのだ。いつでも、どこでも痴漢犯人にされかねない男性は、どうやって身を守ればいいのだろうか。
満員電車・空いている電車・デパート・路上など、どこでも痴漢えん罪事件は起きている。そして、あなたが、今日、明日にでも痴漢犯人にされても決しておかしくはないのだ。ならば、被害にあわないための最低限の方法を知っておくべきだろう。
◇被害者の供述をほぼ100%採用
駅で事件が起きた場合、駅事務室へ連行され、否認すれば警察を呼ばれて拘束される。ここで取り調べが始まるのだが、いくら身の潔白を主張しても取り調べ担当者は、その訴えを調書に書いてくれない。
多くの人は、調書というのは、被疑者が供述してそれを刑事が筆記して署名するものだと思っている。が、多くの場合、それは間違いである。
刑事が一方的に書いた文章を読まされてそれに署名させられるだけである。痴漢事件の場合に刑事が書く文書(調書)は、被害者の供述をほぼ100%採用し、これを少しアレンジする。
痴漢行為を認めなければ、釈放されず、長期間の拘束が始まる。裁判になれば、多くの人は職を失い、なかには離婚・一家離散。経済破綻して生活保護を受ける人も実際にいる。
裁判でも、罪を犯していないから「やってない」と主張すれば、「反省の色が見えない」として有罪判決を受ける。
そのため、多くの人は、無実なのに認めて示談になるケースもあり、その相場は30万円、40万円だという。もちろん、このような目に合わされる人の数は不明だ。
取り調べで認めれば、痴漢容疑の場合はすぐに釈放されるだろう。
◇刑事裁判の有罪率99・9%という現実
痴漢えん罪に見られるように、日本の司法にはさまざまな問題がある。
【被疑者取調べ要領(平成13年10月4日) 適性捜査専科生によるもの】 捜査の心得のようなもの。どういう態度で取調べを行なうかが書かれている。 否認する被疑者は留置場から引きずり出され、朝早くから夜遅くまで長時間の取調べを受ける。肉体的精神的に追い詰めて被疑者を弱らせ、自白(虚偽自白)させるのが目的だ。ただ、痴漢えん罪の場合はこれとは逆に、ほとんど取り調べもせずに身柄を拘束されているケースも見受けられる。 |
そして、刑事裁判では99・9%被告が有罪になる。裁判が始まる前から、ほぼ100%有罪判決になるとわかりきっているのが事実だ。
また検察官の拘留請求(身柄の拘束のための請求)を裁判所が却下する率は1%に満たない。氏名住所、職業や身分を明らかにし逃亡の恐れがなくても、である。
起訴後に釈放になる率も、自白している場合は初公判までに67%。否認している人は36%しかない(2005年)。裁判は本来、有罪無罪を公正に判断するためのもののはずである。
まるで江戸時代の「お白洲」のようだが、まず、それが現実なのでぜひとも身を守る方法を確立しておく必要がある。
◇電車内で「痴漢です!」と事務室に連れて行かれるが・・
痴漢はどこででも起こりえるが、実際、痴漢えん罪が多発しているのは混み合った電車内だ。
よくある例では、駅のホームに電車が到着して扉が開き、入り口付近の乗客が外に出た瞬間、被害女性が特定男性の手をつかむなどして、「痴漢です」「触ったでしょう」と迫る。
周囲にいる男性客なども「とんでもないやつだ」と女性の味方をする。正義感からか、周囲にいた男性が女性に味方をし、痴漢にしたてあげられた人を駅職員に引き渡す例もいくつも報告されている。
トラブル発生であるから当然、駅員がやってくる。そして事務室へ連れて行かれるが、この時点で、人によっては社会的生命が絶たれる。
◇駅の事務室に行けば「アリ地獄への道」
痴漢えん罪に詳しい立教大学の
まずは、この点から明らかにしたい。
全く身に覚えがないのに痴漢に間違えられた場合、「痴漢行為などしていない」とその場で説明するものの、女性は納得しない。そこで、落ち着いて話を聞いてもらおうと、自ら進んで駅事務室に行くと、痴漢冤罪の坂道を転がり始めることになる。
ここがポイントだ。「坂道を転がり始める」どころか、まさにアリ地獄への道なのだ。
たいていの男は、まず動転し、焦る。ある程度気が落ち着くと、身に覚えのない言いがかりだと憤る。そこで下手をすると「上等じゃないか、出るところに出よう」という感じで事務室へ行ってしまうことがあるかもしれない。
しかし、これは厳禁なのだ。
◇地獄への道は善意によって舗装されている
痴漢えん事件を取材中の1月24日、東京新宿の「Papa-J」(パパジェー)というバー。銀座で化粧品会社を経営する女性社長と飲んでいると、痴漢えん罪が話題になった。
【電車内での痴漢えん罪対策法その2】 カバンがあたっただけで「勃起したペニスを押し付けられた」と実際に供述した女性もいる。確かに、混雑した電車内でカバンを他人に接触させるのは危ない。くるぶしではさみ、他人にあたらないようにする。うっかり太ももの位置ではさむと位置的に考えてかえって災いをもたらす危険性がある。 |
--身の潔白を晴らそうと、女性とともに駅事務室に行くと、ほぼ100%地獄へ落ちるんですよね。そのあと警察に突き出されて、無実でも無理やり罪を認めさせられ、職も失い、離婚、一家離散となっちゃうんですよ。
このように私が説明した。すると女性社長は、「えっ、なんで!? 何も悪いことしてないんだから、堂々と事務室に行って説明すればいいじゃない。私だったら、絶対そうするわよ」
--だから、事務室に行って「痴漢していない」と主張すると、警察に突き出される。何もしてないから、「やってない」と認めないですよね。そうすると絶対釈放されないで身柄拘束をされ、起訴されて99%くらいは有罪にされちゃっている。だから事務室に行っちゃダメなんですよ。
「でも、おかしいじゃない、何もしてないんだから。逃げも隠れもしないで話し合って、そのあと調べがあったり、裁判で潔白が証明されることだって・・・」
--いや、そうなってないから困るわけで
この先は会員限定です。
会員の方は下記よりログインいただくとお読みいただけます。
ログインすると画像が拡大可能です。
- ・本文文字数:残り3,338字/全文6,652字
【電車内での痴漢えん罪対策法その3と4】(上)これがバンザイ通勤の基本。とにかく両手を高いいちにあげるのだ。二つのつり革を握ってもかまわないのだが、満員電車では他につり革が必要な乗客がいるので、ひとつのつり革に両手をかけるほうがいいかもしれない。(下)可能ならば、車両の奥まで入り、荷物は棚に置く。さらに、両手でつり革をつかむか、写真のようにバーを握る。この場合も極力女性が座っている場所は避けることだ。
公式SNSはこちら
Twitterコメント
はてなブックマークコメント
混雑した電車に乗ったら負け。両手つり革でも何かいわれたら、英語と中国語で怒鳴り散らして萎縮させて逃げるしかないな。
全文は会員登録しないと読めないけどブクマ
facebookコメント
読者コメント
電車通勤なんかしなければいいんだよ。
民事で名誉毀損に持って行って徹底的に抗戦するということはできないでしょうか。悪質犯であれば興信所を使えば、簡単にしっぽを掴めるはず。(IMF前専務理事vs.ホテル従業員みたいな)
両手挙げたらスリに財布盗まれてアウト。まぁ痴漢で逮捕よりはましだけどね。
私もえん罪で有罪になった。とっさの出来事…パニックになって逃げたくなるよね。私も世の中信じられません。警察は取り調べのとき「甘いんだよ!」だって。これでは、悪人を更正させるどころか、余計悪くしてしまう。私は訴えた奴、殺したい、警察は壊滅したい。普通に生活してて、どうして…。
冤罪で戦っている妻です。今示談中です。相手は示談金目当ての詐欺でしょう。かなり悪質でやっかいです。警察、検事、ずさんでひどい。担当の弁護士もやる気はありません。世の中が信じられなくなりました。狙われないように男性の方々気をつけてください。この苦しみを増やさないように。
誠意ある対応は、実は女性のほうにも求められます。つまり、「冤罪かもしれない」ということに責任を持つということです。つまり相手が冤罪だと主張するなら、立ち去るのを許容することです。(私人による現行犯逮捕の場合は除く)もし冤罪なら、女性が不愉快という程度では済まず、男性の人生が台無しになるのです。逃走というのは語弊がありますが、立ち去ることはとても重要だと思います。
私も逃走は間違いなくNGだと思います。被害者なら大いに疑い、法廷に持ち込むでしょう。ただ、私達が一般に無罪の証と信じている責任感や謝罪の気持ち、誠意ある応対といったものは、痴漢冤罪問題に関しては逃走すること以上に有力な罪の証となっています。想像を絶する異文化空間でのサバイバルといったところでしょうか。納得できませんが、ポイントを理解し今後の立ち居振る舞いを考えます。
逃げる行為そのものが挙動不審ですね。たとえ誤解であったにしろ、その女性に不快な思いをさせたとか、誤解させられるような行動をしてしまった等という責任感のうえで謝罪するのが基本でしょうに。もし私が女性で痴漢と勘違いしてつかまえた男に逃げられたとしたら、ますます疑ってそれこそ法廷へ持ち込みそうなのですが。誤解あるなしにしろ誠意ある対応が望まれるような気がしてなりません。
男女平等なんて言ったって実際は今女性の方が得をしているよ。私も女に生まれたかった。私も痴漢ではないが、ものすごく些細なことで逮捕された。有罪になった。もう、私は死にたい。私の命では小さすぎる。実際、裁判所や警察なんか行ったって自分の意見なんか言えない。気が弱いから…書くことはできても実際言葉に出せない、緊張して。私みたいに気が弱く、はっきり言えなくてえん罪になっている人いっぱいいるのでは…。
女性専用列車だけでなく、男性専用列車を用意すべきと思います。あくまで私見ですが、どんなに混んでいても私はその列車に乗ります。
「社員証」は、人事課に行って再発行してもらいました。別に不審がられることもなく、その後の査定に影響することもありませんでしたよ。
辞めておいた方がよいでしょう。後々尾を引きかねませんから。免罪なのにトラブルになっていたら、証言はしてあげると感謝されるでしょう。見ず知らずの人なら共犯にはされないはず。
もし自分が乗っている電車内で冤罪が発生した場合、善意でその男性に「僕は冤罪の対処法を知っています。まず、あなたの身分証明証を女性に提示して下さい…」等と、お節介にも言ったら、どうなるんでしょう?その男性に感謝されるか、共犯扱いされるか…自分だったら、冤罪被害者の味方になりたいですが…
>誤解されて後で掴まった際に困りませんか??? その場で事務室行ったら99%「負け」にされるわけですから。やっていないのだからやっていないと言って立ち去るのが一番。
なんでここまで気を遣わなければならないんだ。冤罪が恐いからって、バンザイしたり、カバンの中を漁らないなど、自分の行動を規制することは自分は絶対しない。
社員証の返却はどうなったのですか?
痴漢と疑われて駅員室に連れて行かれそうになったことがあります。その時に社員証を渡して「私の住所氏名は此処に明らかになっています。私の身柄を強制的に確保することは、刑事訴訟法第217条に違反することになりますよ。」と言い残してそのまま出勤しました。数日後、所轄の警察から「社員証をお返ししたいので、御足労頂けませんか?」と、丁寧な電話がかかってきましたが、当然無視しました。
弱い立場の個人が相手となるとホイホイと動きますね。普段そうでない時には動かないだけに。しかも、記事内容が本当なら、対処の仕方が極めて安易。訴えられる男も男ですが、訴える女も女。こんな下らん話で社会的生命が絶たれる人がいるなんて、馬鹿らしくも泣かせられます。
意外ですね。否定するより逃げろとは。それでは誤解されて後で掴まった際に困りませんか?事務所まで行くのは避けた方が良いにせよ、ただ逃げるのではなく、相手に否定を表明してからさっさと退散するのがベストかと。
記者からの追加情報
会員登録をご希望の方は ここでご登録下さい
新着のお知らせをメールで受けたい方は ここでご登録下さい (無料)