ひろゆき氏逮捕の条件 『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』
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『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?』(扶桑社新書) |
著者のひろゆき氏は〔1.0〕章の「まずは結論」で、こう述べている。
僕が逮捕されて、2ちゃんねるが運営できなくなってしまったとき、ジムは、僕のドメインの管理者でもあるので、「じゃあ俺やるわ」と、僕に代わって運営を始めるのではないかと思っています。ここで「ジム」というのは、カリフォルニア州に住んでいるサーバー会社のオジさんで、2ちゃんねると同じシステムを使用しているWEBサイトの運営者であり、もちろんジムが運営した場合の2ちゃんに対して、日本の法律は適用外となる。
その後、アメリカの法律でも制限されるようになったら、「じゃあ次はどの国にしようか?東欧にでも行ってみようか?」ということになります。
つまり、ひろゆき氏は、現状では日本人である自分が管理をしているから、裁判で2ちゃん内の書き込みの削除決定が下って実際に削除依頼が来れば応じているが、もし自分を逮捕して掲示板の管理が外国に移ったら、それもままならなくなり、事態はより悪化する、それでもオレを逮捕するのかい?と、権力側に対して冷静な判断を求めている(脅している、またはクギをさしている)のである。
これを「結論」として最初にもってくるあたりに、著者の若干の危機意識が感じられた。
さまざまな試算があるものの、“反2ちゃん派”で逮捕させたい意向がミエミエの読売新聞の調査によれば、少なくとも43件の敗訴が確定し、賠償金が約5,800万円、仮処分命令に従わないことによる制裁金が約4億4,000万円に達しているという(2007年3月14日朝刊「2ちゃんねる敗訴、5億円不払い 逃げ得許さぬ制度に」)。
にもかかわらず、個人の年収が日本の人口を超えた、つまり約1億3千万円だと公言するひろゆき氏は、賠償金を支払っていない。
支払わない理由は、本書内でも他のインタビューでも繰り返し述べられているが、「それがルールだから」。おかしいルールだとは自分でも感じているが、「悪法も法なり」という理屈である。
しかし、一見、合法であっても、権力というのは、自らの法の未整備を棚に上げ、平気で狙った獲物を血祭りにあげる。宮内亮治氏が、著書『虚構 堀江と私とライブドア』のなかで述べていることは、まさに本質を言いえている。堀江や私は違法は論外としても、法の網の目をかいくぐる行為は合法なら許されると信じていた。それに、合法の積み重ねが邪な脱法意識のもとで行われると、国家権力はその脱法を許さないという「国家の論理」を知らなかった。
ここで重要なのは、この「国家の論理」において、「邪(よこしま)な脱法意識」であるかどうかが、どういった基準で判断されるのか、である。
田原総一朗責任編集の『オフレコ』vol.4 では、堀江貴文、佐藤優という“国策捜査”で逮捕されたとされる2人が、国策捜査の走りとされるリクルート事件を検証したばかりの田原氏と3人で対談しており、この基準についても突っ込んだ議論がなされていて、興味深い。
3人の議論をまとめるならば、リクルート事件の時代から変わっていない基準は、
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読者コメント
さらにそれを正当化し、あおりたてる連中は好きじゃないし、そう思う人もきっと多いだろう。ひろゆきも2ちゃんの管理人らも、いずれそれなりの代償を払うときがくるのではないか?(すでにはらっていると思いこんでいて、腹いせに裏話をあおって、それでもうけているのかもしれんが。さらにいえば、何かしらの理由で彼らに金を払っていて運営させている連中もいるということではあるが。。。)
いろいろ言いたがるのは人間のさがだ、特に自分の正体を隠せる状況では。だから本音や本当の情報が出るという説もあるんだろうが、くそみそいっしょだし何が正しいか誰も証明できない。結局ターゲットをきめて暗い世界で闇討ちしたり、笑い物にしているだけだと思う。
2ちゃんに書き込んで捕まるやつはいても、2ちゃんに書き込まれて捕まったやつは皆無だからね。「アンパイ」なのさ、2ちゃんねるってのは。
2ちゃんの運営連中や常習的利用者らがMixi内に入り込み、何がしかの理由で標的とした者のプロフィールや参加コミュニティから個人情報を取得して悪用しています。Mixiにも、こういった悪質な連中が既に参加しているので、情報の開示には相当注意が必要ですね。
日光東照宮は、見ざる聞かざる言わざるで知られているが、もしひょんな拍子に誰かが悪の実態を知ったとした場合、3猿になれば危険な目に遭わなくて済むだろう。しかし、皆が同じように対応すれば歯止めなく悪が蔓延ってしまうに違いない。得てしてほとんどの人は3猿になる為、既に水面下では悪が蔓延してしまっているように思う。そんな場合、どう対処すべきだろうか?真に勧善懲悪な世の中であって欲しいものだ。
2ちゃんは体制側の世論操作に使われてるから、絶対潰されないって。
「既存権力」は政治的に「親米従属路線是認派」であり、「新興勢力」は政治的に「民族主義路線是認派」であるという見方もできる。結局は検察・司法が「米国に従う」のか「天皇に従う」のか?どちらが正統派か?という意味とも思えるのだが。
記者からの追加情報
税務調査が入るまで隠蔽していた、つまり組織的・日常的に行われていた可能性が高いにもかかわらず、だ。『あるある』のような事件が起きても、なぜか放送免許が剥奪されない。
逆に、フジを攻めたライブドアにはあっけなく強制捜査が入る。フジは「既存権力」、ライブドアはそれを脅かす「新興勢力」だからである。同様に、日興コーディアルも「既存権力」だから守られる。それが地検の考える“国体護持”的な正義なのだから、まったく間違っている。