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【オリコンうがや訴訟12】9999万円の和解金を拒否し、武富士に1兆円請求した寺澤氏

情報提供
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寺澤有さん。
ジャーナリスト。1967年生まれ。中央大学法学部在学中からジャーナリストとして、警察や検察、裁判所、会計検査院、防衛庁、記者クラブなどの聖域となりがちな組織の腐敗を追及し始める。著書に『警察庁出入り禁止』(風雅書房)、『PL法事始』(三一書房・共著)などがある。共謀罪反対
 オリコンが烏賀陽弘道氏に起こした「恫喝訴訟」から1年。裁判は結審した。警察権力の監視をライフワークにするジャーナリスト寺澤有氏は、警察官への損害賠償請求に始まり、政治家の平沢勝栄から名誉毀損、武富士から2億円の損害賠償請求を起こされ、弁護士費用や経費は計600万円に。武富士には2億2千万円で反訴し、武井会長の逮捕後に上限「9999万円」で懐柔してきたが、「なめるのにもほどがある」と和解条項を蹴った。政治家や企業からの恫喝訴訟、さらに裁判所とも闘ってきた寺澤氏に、裁判の闘い方、制裁の方法について語ってもらった。
(協力:山中登志子
◇オリコン裁判結審、4月22日に判決
 フリージャーナリスト烏賀陽弘道氏が、月刊誌「サイゾー」のコメント取材に応じた発言内容が名誉毀損にあたるとしてオリコンに訴えられた「オリコン裁判」も、最初の口頭弁論から1年。2月19日に結審し、4月22日(火)13:10~、東京地裁にて判決が言い渡されることが決まった。

 今回、新たに双方から提出されたものがある。

 オリコン側は今回、業界紙『オリジナルコンフィデンス』(2003年7月号)を提出してきた。そこには調査協力店の一覧が掲載されており、烏賀陽氏のコメントを掲載した『サイゾー』出版時にはすでに協力店を公開していたことを主張したいようだった。

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閉廷後、弁護士会館で烏賀陽氏側の報告会が開かれた。前回、オリコン側からの反対尋問で、取材ノートの筆跡などが不自然と指摘された点について、烏賀陽氏は該当個所を示しながら筆跡のくせなどを語った。
 烏賀陽氏側からは、売り上げが100万枚を超えたもののなかから、オリコンとサウンドスキャン(POSデータでCDの売り上げをカウントするチャート会社)の売り上げ比較をグラフ化した資料が提出された。

 そのデータによれば、サウンドスキャンに比べオリコンのデータのほうが発売第1週目で20万枚多く、その後は両社ともにほぼ同じになっていることがわかったという。そこには、ケミストリー「The Way We Are」、浜崎あゆみ「I am...」、宇多田ヒカル「DEEP RIVER」などがあげられている。

 「発売1週間でオリコン第1位というのは、宣伝文句としての売り込みになる」と烏賀陽氏が言うように、オリコンにとって発売第1週は重要であるが、オリコン側からその違いが出る理由についての証拠は提出されなかった。

 烏賀陽氏側の釜井弁護士は「主張は出し切った」と語る。

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(上)平沢勝栄が問題にした『フライデー』(2000年3月17日号、講談社)記事。
風営法違反の摘発を見逃してもらうためにパチスロメーカー社長は平沢勝栄に1000万円を渡していた。これをスクープした寺澤さんに対して平沢は名誉毀損で提訴した。選挙をひかえたパフォーマンスだった。

(下)武富士を批判した『週刊プレイボーイ』記事(2003年5月27日号、集英社)。
この記事で寺澤さんは武富士が警察と癒着している実態を批判した。雑誌の連載記事が毎週発表されるたびに訴状が届くという異常事態が続きながらも、微笑みを忘れなかった。

◇平沢勝栄スクープ記事で名誉毀損
 オリコン訴訟のように、ジャーナリストが名誉毀損訴訟で訴えられたとき、いかにして闘っていけばよいのか。

 今回は、週刊誌に寄稿した記事によって、国会議員や武富士から名誉毀損訴訟を起こされた経験を持つフリーランスジャーナリスト寺澤有氏のインタビューを紹介する。

--はじめに寺澤さんが訴えられたのはどういう事件でしたか?

寺澤「国会議員の平沢勝栄の事件ですね。パチスロメーカーの社長が平沢に1000万円を渡して、風営法違反を免れようとした、という事件がありました。

 その事件の取材のために赤坂プリンスホテルで、平沢にインタビューをしていました。こちらが質問をしているときに、平沢が突然立ち上がって『わたしは帰る! 政治生命がかかっているから!』と帰っちゃうわけですよ。その逃げ出すときの写真を撮って記事にしました。

 平沢はとにかく取材を受けない。数年後、別の案件で取材を申し込んだときも拒否されました。

『自分が意を尽くして、誠心誠意説明して、資料をみせて取材を受けたのに、悪意をもって書かれた』と言うのなら、訴える権利もあるし、名誉毀損になると思います。

 たぶん平沢はこっちがそこまで調べているとは思っていなかった。とりあえず話をしましょう、と取材を受けたと思う。これはまずいと思ったのか、立ち上がってドアのほうに向かっていった。思わず『どうしたんですか?』と言いました」

◇講談社に『告訴しろ!』
--平沢勝栄は単純な人ですね?

寺澤「うん。平沢はほんとうにひどい。

 僕は1989年からずっと警察批判を書いてきました。だから平沢は警察庁のキャリア時代から僕のことを本当はよく知っている。僕が警察のことを書いていることを『悪口を書きやがって』と思っていたはず。僕のインタビューの前に、『平沢さん、パチスロの社長が1000万円渡して、平沢さんにお願いしたという話があるんですがどうですか?』と電話で接触していました。

 そのときに平沢勝栄はこう言いました。

『私はね、現職時代から寺澤さんにはシンパシーを感じていた。』

(え? なにを超嘘くさいこと言っているの?)

『警察庁では、寺澤さんは警察の悪いことを書くやつだ、と言われている。私は、寺澤さんは警察をよくしようと思って書いてくれているんだ。』

(え? なんでこんなわけのわかんないことを言ってるんだろう?)

 最初はそんな感じ。懐柔ですよね。そしてインタビューをしたら逃げ出した。『へんなことを書いたら名誉毀損で訴えるからな』という捨て台詞を残していった。

 この取材記事は『フライデー』(2000年3月17日号、講談社)に発表しました。

 じゃあ訴えるか?というと、すぐには訴えてこない。彼が訴えるのは何ヶ月か後です。

 取材後にあった選挙で、彼は公明党と争っていたんです。公明党がもともと強い地区でした。公明党、創価学会と思われるところが、僕が書いた『フライデー』の記事を全面コピーして、『このような人物を国会議員にしていいのでしょうか?』というチラシを全戸に配ったんです。

 平沢のほうから講談社に対して『これは著作権法違反だ』『これを告訴しないか?』と言ってきました。平沢に言われても仕方がないんだけど」

--おもしろいですね。平沢さん。

寺澤「著作権法違反は被害者が告訴しないといけない。警察は勝手に動けない。平沢は警察を動かすために、『とにかく告訴しろ!』と講談社に言った。講談社としては、平沢と創価学会の争いで、しかも平沢の指図で、著作権法違反で告訴した、というのはヘンだから。何もしないわけですよ。

 そうしたら平沢は、嘘の記事をねつ造した、と言って、講談社、『フライデー』編集長加藤晴之、執筆者の僕を訴えてきた」

◇裁判は選挙のパフォーマンス
--そのときの編集長は『週刊現代』で西岡さんと一緒にJR革マル批判をした加藤晴之氏だった?歴史を感じますね。

寺澤「ええ。平沢は、『(講談社と寺澤を)訴えました。以後このような悪質なデマ報道には断固たる処置を取ります。』とホームページなどで発表した。

 このときは本当に頭にきた。だけどそのときは、反訴は思い至らなかった。

 とにかく裁判で絶対に勝たないといけない。裁判が始まった

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(上)和解条項案。武富士側が寺澤さんに提示した和解案。和解金が書かれていない。これに怒った寺澤さんは、1兆円と書き直して裁判所に提出した。武富士は個人が支払うことができない2億円を請求した、個人が武富士に対して『1兆円を支払え』と請求できる、というのが寺澤さんの主張。裁判所はこれを認めなかった。(下)武富士が、名誉毀損訴訟を放棄したことを証明する調書。寺澤さんが、和解案を蹴ったために武富士側が出してきた文書。『本訴請求を放棄する』の1行が意味するところは、名誉毀損訴訟を起こす原因そのものがなかった、ということ。弁護士としてはもっとも恥ずかしい結果である。

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sarutoru2008/02/25 03:19

寺澤有

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さき2008/04/14 09:59
ヤマ2008/02/20 20:37
やまなかとしこ2008/02/20 03:12
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■オリコン訴訟の詳細は、うがやジャーナル
■判決期日:2008年4月22日(火)13時10分~。東京地裁709号法廷