【オリコンうがや訴訟10】オリコン集計担当者、Jポップチャート順位の"でっちあげ"を告白
売り上げをオリコンに報告している、オリコンのチャート集計への協力店に配布しているステッカー |
- Digest
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- 売り上げの実売数を渡したことはない
- オリコンの人間とは接触もなし
- 適当に順位をつけて自分でつくっていた
- 予約を実売数に入れるかは小売り店の判断
- オリコン側のチェックなし、やっつけ仕事
オリコンへのチャート操作依頼の働きかけが日常化していたことを語った、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)元社長の丸山茂雄氏に続き(ソニーME元社長が証言 オリコンのチャート操作、働きかけ日常化 )、日本のトップ5に入る有力レコード小売チェーン店本社でオリコン集計担当者だったX氏(40代)がインタビューに応じ、オリコンのチャート集計の不透明さを語った。
X氏は現在も、同社のある店舗の現役の店長。取材には、かつての同僚で、20年同社に勤務して退社したY氏(40代)も同席した(以下、 特に表記のない限り、発言はX氏)。
オリコン本社( 東京都港区六本木) |
売り上げの実売数を渡したことはない
--御社がどうやってオリコンにCDの売り上げを集計して報告していたのか教えてもらえますか?「それが妙なんですが、オリコンはウチの社を『調査協力店』(注:オリコンに売り上げ枚数データをランク付けして報告している店のこと)の中に入れているそうなんですが、私が知る過去15年間でうちの会社はオリコンに売り上げの実売数を渡したことはないはずなんです。
少なくとも私が担当していた間は一度もありません。数字を教えていた同僚もいましたが、それは『卸し』の枚数、つまりメーカーからの『出荷数』で、実売数ではありませんでした。
--いつ頃、オリコン担当をされたのですか?
「私が店舗ではなく本社勤務だった頃の話です。当時は『Jポップ』の担当でした。2000年以降の1年間なのですが、具体的にいつからいつまでだったかは思い出せません。すみません」
--どういう経緯でオリコン担当になられたのですか?
「ある日、上司が私のデスクにやってきて『これ、頼むな』とぽんと紙切れを置いていきました。それはオリコンからの『チャートを出して欲しい』という依頼の手紙だったと思います。手紙といっても、A4のFAXペラ一枚でしたけど」
--上司とはどういう役職の人ですか?
「当時私はJポップの担当だったんですが、その上にロック、ジャズなどを含めてオール・ジャンルを統括している人がいるんです」
--オリコンの集計の仕事を命じられて、どう思いましたか?
「『やっかいな仕事が来たなあ』という第一印象でした(笑)。その頃はまだわが社にPOS(注:Point of Salesの略。レジにつなげた機械で商品のバーコードを読み取り、ホストコンピュータで集計して売り上げ、在庫、経理などの管理を自動的にコンピュータでするシステム)が入って単品管理が始まった直後で、ボタンひとつでCD別の売り上げが呼び出せるとか、そういう状態まで整備されてなかったんですよ」
--POSは御社の中だけで閉じているのですか? それともオンラインで社外でも読めるのですか?
「社内だけで閉じています。外部からは読めません」
オリコンの内部告発を募集中(MNJ編集部)。Email:info@mynewsjapan.com まで。 |
「はい。それに、それ(オリコンの集計)が自分の仕事として成果が現れて評価される作業でもありませんし。上司には『やめましょうよ』と言ったんですが、『まあまあ、適当にやっといてよ』と押し切られた(笑)」
オリコンの人間とは接触もなし
--オリコンにはどうやってチャートを報告していたのですか? 何か専用の用紙があったのですか?「いえ、自分のパソコンでエクセルを使ってフォーム(表)をつくり、1位から10位までを打ち込んで送っていました
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2006年12月、オリコンが、週刊誌にコメントを寄せたジャーナリスト烏賀陽氏個人に、5千万円を請求する訴訟を起こして1年。「オリコン裁判」最大の山場を迎える「第6回口頭弁論」は12月11日(火)13時半~。東京地裁709号法廷にて。
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読者コメント
だからと言ってプラネットは信用がおけると言うものでも無いのでは。結局チャートは参考程度に見ろと言う事ですよ。バラエティ番組はヤラセを演出と言い、音楽チャートは順位調整を演出と言うのでしょう。
どおりで最近のアニソン1位がことごとく阻止されてるんですねぇ…。これを機にプラネットチャートに乗り換えたほうがいいのでは…。
先日、たまたまタモリが司会をしているミュージックステーションを観たのですが、オリコン統計は使っていませんでしたね。
統計学的にある程度の傾向はつかめても、販売実数などわかるはずがないでしょ。
じゃ、やっぱり大きな事務所には気を使ってるんでしょうか?キンキキッズ連続○作1位、とかいうのも嘘?
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■オリコン訴訟の詳細は、うがやジャーナル
■第6回口頭弁論期日:2007年12月11日(火)13時半~。東京地裁709号法廷。
そのあと地裁隣の弁護士会館5階で弁論内容の説明会を予定。誰でも参加自由。
烏賀陽氏本人のほか、2003年1月に烏賀陽氏の電話を受けたという元オリコン社員が証言台に立ち、双方の弁護団の質問を受ける。一連の「オリコン裁判」では最大の山場である。審理はこの12月11日の証人尋問で事実上結審し、後は判決を待つだけになる可能性が高い。