欧州で進むケータイ中継アンテナ規制 対策取らぬ企業にアンテナ撤去命令も
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マンションの上に建てられた携帯電話中継アンテナ |
- Digest
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- 欧州議会がアンテナ設置規制などを求める決議を可決
- フランス司法は中継アンテナを「近所迷惑」と判断
- EU加盟国の1/3がより厳しい予防的基準を設定
- 予防基準値はどれだけ厳しいのか?
欧州諸国では国民の関心も高く、既にEU加盟国の1/3に当たる9カ国で基地局などからの電磁波を「可能な範囲でできるだけ低く」するための予防的基準値が採用されている。BSEやアスベストなどの被害事例から学んだ事前対策優先の政策だ。
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ヨーロッパ各国の予防基準値![]() |
欧州各国の予防基準値と、日本の総務省が示している中継基地局周辺の電磁波の強さを比較したグラフが、右記の通りだ。
携帯電話を10年以上使い続けると脳腫瘍のリスクがあがるという研究がふえていることは、すでにMyNewsJapanでも紹介している。携帯電話を使う際に、脳がかなり強い電磁波を浴びてしまう点が問題にされている。
一方中継アンテナの場合、周辺環境の電磁波の強さは桁違いに低い。しかしたとえ微弱であっても24時間浴び続けることのリスクには不明な点が多い。一部の研究では、白血病などガンや頭痛や集中力の欠如などの症状が増えるという報告も出ている。
そこで、国民的に関心の高いヨーロッパ諸国では、中継アンテナからの電磁波を、「技術的可能は範囲でできるだけ低くする」という政策を採用する国が増えてきているのだ。
欧州議会がアンテナ設置規制などを求める決議を可決
2009年4月2日には、欧州議会が「電磁界に関する健康への懸念についての決議」)を圧倒的多数で可決した。携帯電話およびその中継基地局アンテナなどからの電磁波による健康影響の懸念から以下のような提言を行っている。
1)現在EUが定めている電磁波基準の勧告値の再評価2)周辺の電磁波を低くする技術開発の促進
3)地域住民の曝露を減らすための行政措置の実施
4)中継基地局アンテナの位置や出力などの情報のネットでの公開 などだ。
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欧州議会に電磁波規制の決議案を提出したフレデリック・リース議員![]() |
提案したのは、フレデリック・リース議員。欧州議会が運営しているテレビ番組でのインタビューの中で、以下のように述べた
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日本の総務省が示している中継アンテナ周辺の電磁波の値の計算値
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読者コメント
近隣妨害で判決が出たのですが、これはフランスの法律で近隣妨害を認めているからで、日本の法律にはこの近隣妨害という規定はないのではないでしょうか?
欧州では携帯基地局の情報を公開しているとありますが、全てではないはずです。ドイツでは、地上自治体の特定の職員はDBを見れるが、一般は駄目、理由は携帯電話会社の営業上の問題に関連するからである とされます。
上の顔色ばかり伺っている、もとい下駄履き官庁のヒラメ役人達です。自身の出世や保身しか頭にないのでしょう。
中央官庁が国益を考えないのだから、この国の現状は大変危険です。
UQコムのWiMAX基地局には要注意。
昨年決定した2.5GHz帯における事業者への周波数割り当て結果を見ても明らかなように、総務省は一部の業者と完全に癒着。おまけに左寄り過ぎます。
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