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双日、2年連続最低水準のボーナスで妥結

情報提供
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Baa 優良企業予備軍
  【ステップアップ型】
(仕事4.5、生活3.0、対価4.6)

 労使協定で年間ボーナスが「4ヶ月分+α」と決まっている総合商社の双日。リーマンショック後の傷が癒えない2009年は、最低ラインの年4ヶ月だった。組合員年収の前年比15%削減を受け入れることで目標達成を目指すことを労使で合意、4ヶ月は「2009年度一年限りの施策」とすることを約束したはずだった。ところが、今年も減収減益で業績はさらに悪化。組合側は6ヶ月分を要求したが、このほど妥結した2010年のボーナスも、やはり4ヶ月だった。
Digest
  • 4ヶ月で妥結
  • 基本給が高く、高コスト体質
  • 兼松みたいになっていく
  • 「ステップアップとしては最高」
  • 業績悪化でコーポレート配属増加
  • 社内公募に手を挙げてイジメ
  • 人材輩出企業
  • 日商岩井出身は理不尽な体育会系も


4ヶ月で妥結

「商社は実態以上に税金をろくに払っていない」とよく言われるように、事業や資産を売却して決算の帳尻合わせをするため実態が見えにくい。本当の双日の業績実態は、ボーナス推移を見るほうが分かりやすいといえる。労使で会社のヤバさ加減を話し合って落としどころを決めているからだ。2006年5.5ヶ月、2007年6.5ヶ月、2008年7ヶ月、2009年4ヶ月。

そして、2010年も4ヶ月で妥結。数字上も、2010年3月期は2期連続の減収減益で、売上に至っては26%も減ったので、ボーナスアップは株主としても受け入れがたいところだろう。経営の綱渡りが続いている。

「こんな会社に入って人事にだまされた、って言ってる若手も多いんですよ」(若手社員)。特にリーマンショック前に入社した若手は、日商岩井とニチメンの合併(2003年)後の統合効果と世界的な好景気で期待度が高かっただけに、この2年は予想外だ。2007年度に統合後の再建完了宣言をした途端に、2008年秋のリーマンショックで業績が悪化。ボーナスだけでなく、経費削減などでカネ回りが悪くなり、縮小、カットの連続だ。

「2008年に入って、ビジネスクラスによる出張が開放されたと思ったら、下半期に入ってリーマンショックがあり、やっぱダメ、となった。エコノミーによる出張さえ、部署によっては無理。今ではタクシーも、何で終電で帰らないの?と言われる。唯一の福利厚生、会員制の宿も利用回数制限ができた」(若手社員)

住宅補助はゼロ、独身寮は光熱費込み8千円だが、場所が南柏(千葉県)で通勤に1時間15分ほどかかる遠さだ。社宅は駐在帰りの一時利用のみで実質なしである。

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各ランクの標準基本年俸。基本給が高い。さらにプラスして残業代がつく。全産業のなかでも、これほど高水準を固定費で支払っている企業は珍しく(経営破たんしかけている光文社くらい)、倒産の原因になるのでは、と心配してしまうほど。

基本給が高く、高コスト体質

年功序列の賃金なので20代の若手はまだ高くはないが、全体の水準は最高水準に近い。大手商社は軒並み、30代半ばまで、ほぼ完全な年功序列で、全員が年収1200万円超まで伸びるのが特徴である。ボーナス比率が高い住友商事などと比べ双日は基本給が高く、業績が悪いときでも固定費として高値安定してしまうため、経営側から見ると圧迫要因だ。

ボーナスも、ほぼ完全な一律支給。成果はほとんど問われない。確かに人事査定はS,A,B,C,Dの原則5段階評価になってはいるが、8割以上の人にBがつくから、あまり関係がないのだという(Aだとボーナスが2割アップ、Sだと6割アップする)。

P3からスタートし、P2、P1と年功序列で上がって行く。それぞれの中で、3~4段階に分かれている。制度上は査定でSランクをとれば飛び級もアリだが、「飛び級した人は見たことがない」(若手社員)。

30歳だと、P2のⅡくらいで、基本給は43万7600円。これに残業代が加算される。業績がよくてボーナスが6ヶ月分あれば、年収1千万円を超える(現在は900万円ほど)。

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20代後半の給与明細

P1の上がMMで、これが組合員の一番上。P1で評価B以上を3年以上とらないと上がれない。MMは、基本月収が75万円で、基本年収が900万円。これにボーナスが4か月分なので、今年は1200万円が最低ラインとなる。これに残業代がプラスされ

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