僕にもできた!ネットで募金集め、福島の子ども達を香川に招待
募金を募って社会貢献が出来るサイト「CAMPFIRE」で、福島の子供達を田舎に招待する「おいでプロジェクト」を掲載し、交通費などの資金を集めた。最終的に20人の大所帯を香川に招待することができた。 |
- Digest
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- 「おいでプロジェクト」の立ち上げ
- 資金はネットの募金サイトで
- 増える避難者、病気になる子ども達と問題が続出
- 支援したい人の気持ち、される側の気持ち
- 毎時1,1μsv でも帰りたい!福島を離れられない理由
「おいでプロジェクト」の立ち上げ
記者は福島原発事故が起きて以来、西日本を旅しながら家を探していた。ツイッターで「西日本で家を探しています」とツィートしたら「香川県のまんのう町という所に、11LDKの家が空いている」と返事が来た。6月に1度、その家を見に行くと、その広さに自分達家族3人には広すぎると感じた。毎週ごとに東京に仕事に行かなければならない妻も交通の便の悪さから乗り気でなかった。
放射性物質が含まれた食物についての記事を書いても、安全な所から福島の危険性を訴えている自分に疑問がわいて来る。避難した方が良いはずの福島の子供達に、何かできないのか。震災以降、いち早く東北に行き、物資の支援などをしていた妻は「知り合いの福島出身の友達が、子ども達を夏休みの間だけでも、どこかに避難させたいと思っている」という。よし、その子達を受け入れよう!ということで「おいでプロジェクト」を立ち上げる事にした。
資金はネットの募金サイトで
場所は、先の11LDKを、大家の峯峻いずみさんが提供してくれた。問題は資金である。福島から香川に来る交通費を捻出しなければならない。疎開したい家族は4家族になり、13人分の往復運賃は30万円を超える。このお金を誰が出すのか。
「交通費くらいは自分達で出したら良い」と思う人もいるだろう。しかし、多くの福島県民は、お金に余裕がないから避難できないでいる。福島に住むお金持ちは、既に避難していたり、妻子だけでも疎開させている。ボランティアで負担するのか?それは無理だ。しかし福島の子ども達にボランティアをしたいと思っている人は、自分だけではないはずだ。そんな事を考えている時、妻が被災地援助で知り合った俳優の伊勢谷友介氏が代表をつとめる「リバースプロジェクト」による、クリエイターや社会貢献活動などへの募金を募るサイト「CAMPFIRE」(キャンプファイヤー)を知った。
「個人から少額で支援を募り、クリエイティブなアイデアを実現させる」ためのマイクロ・パトロン・プラットフォームだという。CAMPFIREで火に薪をともすように、クリエイターが持っているアイデアを実現するため、内容に共感した複数のファン(パトロン)から、必要な創作費用を少額ずつ集める事のできる、ネット上のプラットフォームだ。
パトロンにとって『CAMPFIRE』は、投資でも寄付でもない。支援した見返りとして、成果物や限定ノベルティグッズ、さらにブログや動画によって公開される進捗報告といった、『CAMPFIRE』でしか獲得できないプレミアムなモノやサービス(リターン)を手に入れることができる。「支援の見返りは感動や体験」だ。
→参照:マイクロ・パトロン・プラットフォーム『CAMPFIRE』
『CAMPFIRE』の仕組みは、まず最初に実現したいアイデアをプレゼンテーションするための「プロジェクト」ページを『CAMPFIRE』のサイト上に掲載する。その後、設定したパトロン募集期間内(最短7日~最長90日)に、掲げた目標金額の100%以上の支援を集めた場合はプロジェクト成立となり、クリエイターや企画者へ、集まった金額が支払われる。
しかし、期間内に目標金額に達しなかった場合は、それまでに集まったお金はクリエイターに支払われず、パトロンへと、差し引きなしに返金される。同時にプロジェクト掲載も終了し、リターンも行われない。成立した場合は、プロジェクト掲載を継続する事ができ、その後も任意のタイミングで掲載を終了するまで支援を無限に集める事が可能だ。そして集めた支援額の20%を手数料として『CAMPFIRE』に支払う。
◇ 資金集め成功の理由
早速、「おいでプロジェクト」 を『CAMPFIRE』上に掲載した。募集期間を90日に設定したところ、なんと資金は見る見る集まり、3日目には38人から30万円が集まって、最低希望額である福島と香川間の交通費は達成したのだ!
最終的には、70日時点で84人の方がパトロンになって頂き、841,040円に達した。具体的な募集のための活動は
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日本人の寄付金の少なさをアメリカやイギリスと比較(出典:内閣府経済社会総合研究所2008)
福島の子供達が学校から渡された線量計。本人は数値が分からず研究材料にされる
8月3日の読売新聞に掲載された記事
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