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アデランス2「シベリアの凍土のように」
木村画伯の抽象画。ちなみに、1が角質層。2が毛穴。ケラチンリングという皮脂の塊がはりついている表現で、二科展入選を狙っているようだ。3は皮脂腺。あなたはここがすごく肥大しているんですと楽しそうに言いながら、ふくれあがったラインを描いたその痕跡が見える。4番が毛根部分。ここが浅いから抜けるんです……、とのことだ。

 五木寛之と木村カウンセラーのヘアケア対決! 「あれは頭に載っているだけでしょう?」木村の失礼な言動に、肝をつぶす私。アデランスの飛び道具スカルパンチの暗い影がちらつきはじめ、さらには木村から思いもよらない申し出が……。え、いきなり無料で?

○毛根チェック
 木村は毛根の検査をしましょうと、机の上を片付け出した。事前の指示に従って私が持ってきた10本の毛をプレパラートに接着し、それを顕微鏡で見る。画像は、テレビに送られる仕組みになっている。
 「正常な毛球っていうのは、毛の太さの3倍あるんですがね」

 彼が机に広げたファイルのページには、「正常な脱毛の毛根」の写真が大写しになっている。それと比べると、テレビに映し出された私の毛根は、明らかに毛の太さの3倍などないのがわかる。まあ、あって2倍いくかどうかといった程度だ。

 「毛根がかなり脂っぽい。それに正常な毛は、もっとふっくらしている。育ちたかったのに、脂のせいで、毛穴が浅くなって育ち切れていない」
 もっと育ちたかったのに……って俺のせいか? 

 「これも育っていない……えー、これ双田様の毛で間違いないんですよね」
 と、木村は不吉なことをいいながら深刻な顔で毛根をチェックしていく。毛の太さの3倍もある毛根はついにひとつも見つからなかった。

 私は、頭部全体を櫛で梳いて毛を採取した。後頭部や側頭部といった抜けにくい部分の毛もまじっているはずだが。
 どうにも納得がいかない。

これも木村画伯の絵。処女作品。表現はシンプルだが荒々しい。皮脂腺が、ゆうに10倍以上は肥大している様子が描かれていて、断定的な表現を禁ずる毛髪業協会のガイドラインを見事に無視したアヴァンギャルドな試みだ。
○年に四回も髪を洗う
 木村は、というよりアデランスの方針では、遺伝的な要素よりも後天的な対処の仕方が、脱毛において大きなウェイトを占めているとされる。それも、おそらくある程度までは正しいのだろうが……少々、行き過ぎてはいないか?
 皮脂がそこまで悪影響なら、遺伝的に禿げにくい人でも、髪を洗わないと例外なく禿げてしまうということになるだろう。

--浮浪者とか、全然髪なんて洗わないと思いますが、結構髪があるというか……もさもさなのも結構いるし、禿げの割合は通常人とさして変わらないような気がしますが、ああいうのはどうなんですか?

 実は、私の脳裏にはもうひとつの例が浮かんでいる。
 何を隠そう直木賞作家の五木寛之氏である。
 72歳でありながら髪もさもさの五木氏……彼はなんと髪をまったくといっていいほど洗わない。「年に四回も」髪を洗うのだ。四回しか、ではなく本人によると「四回も」洗う、ということだ。ちなみに、これは、洗浄剤で頭皮・頭髪を洗うのが四回ということであり、風呂に入らないというわけでない。

 この事情は、世界文化社発行の「おとな二人の午後 」での塩野七海との対談に詳しいのだが、そこから彼の言葉を少々引用させていただこう。

 『頭皮の毛根の根元に溜まっているのを皮脂っていうでしょう。あれをテレビでは誇張して、すごく恐ろしいもののように云うけれども、僕個人の説では、人間のそういうオイルっていうのは、皮膚を保護するために出るんですよ。それを毎朝毎晩きれいにとってしまうのは心配ですよね』

 『(ヘアマッサージについて)だから頭皮をこう動かして、適度な潤いがおのずから自然に補給されてると、フケが意外に出ない。最初は出るけど、やがてシベリアの凍土のように 表層が固まってくるから、落ちても黒いフケで目立ちません』

 さて、木村は、あくまでも五木寛之氏のことではなく、浮浪者のことについて以下のように回答した。

 「まずは、ああいう人たちは、ここが(皮脂腺を指し)大きくない。……それと、もし、ああいう人たちが髪洗ったら、全部髪が取れちゃう。あれ、乗ってるだけでしょ?」

塩野七生、五木寛之の対談集「おとな二人の午後」。アマゾンで手に入れて読んでみよう。
--の、乗ってるだけ?

 ああ、なんという失礼なことをおっしゃる。五木氏は、大事な人に会うとか、パーティーの前とかそういう時に、相手のことを考えて髪を洗うのだ。ごっそり落ちたら、人前に出られなくなるではないか。

 「えー、他に、浮浪者とかは……ああいう方たちは、ストレスもなく、人間的妄想もなく、そういうことがここの肥大化をスタートすることがない」

 心理的な面が、皮脂腺の肥大化のきっかけとは聞いていなかったが。
 そこはおいといても……禿げない人は、ストレスもなく人間的妄想もない?  おいおい、「大河の一滴」を読んでいないのか、木村さん。いや、私も読んでいないが、そんな言い方はないだろう。
 あるいは、すでに五木氏が独自の仏教思想を極め、悟りを開いているとでも解釈しているのか?

 「だいたい、こう薄くなってくる人は、神経質ですとか、気にしてたりとか、繊細な心の持ち主なんで、そういう人がああいう(浮浪者になる)ことはないです」

 ちなみに今、アメリカでは、イラク戦争から帰還した兵士が、心的ストレスからホームレスになる例が多くて大変だそうだが。繊細だからこそホームレスになるのも結構いるんじゃないのか? 

 「ま、あの人たちは、ここ(皮脂腺)は大きくなってないのは間違いないです。で、こんなふうに(スコープの写真を指して)見たら、汚い」

 汚くても、禿げなければ全然かまわないのだが。ふさふさの五木氏の頭皮は『シベリアの凍土のように 表層が固まってくる 』とあることだし。

 「ですから、双田さんはいかに皮脂腺の肥大を止めることができるかということです。皮脂腺が肥大する性質なのは間違いがない」

--間違いはない、ですか……。

○突然の告白
--でも、そういう脂を取ったりするケアはずっとやりつづけないといけないんでしょ。

 「全然、全然。全然。こういう毛穴が手に入れば、維持していくだけなんで。ただ、アデランスにやらせてもらえるのであれば、簡単にこんな毛穴が手に入っちゃいます。けど、ある時期、アデランスに通ってもらわないといけないです」

アデランスのホームページ。くりぃむしちゅーの髪のうんちくというコーナーの、「髪と遺伝」という項目。「薄毛になるかどうかの別れ道は後天的な要素にアリだな」と、有田に言わせている。ならばアデランスの施術で、彼の生え際がちゃんと前進してくるのか注目しておきたいところだ。
--具体的にどんなことをやるんですか?

 「まずは、脂を溶かして、ぐじゅぐじゅにして、針で掃除していく。針のような水で」

--(びびりながら)髪に悪いのかな……なんて思ったりしますけど……。

 突然カウンセラーは自分のアタマを指差し小声で「カツラです」と言った。そして照れたような顔をする。

 ……?

 わけがわからない。意味不明で面白すぎる。笑いそうになるのをこらえねばならなかった。
 もしかして、彼は、「髪には悪い」という言葉に反応したのか。彼の髪は、赤茶けていて、乾燥している。
 つまり、自分の髪はカツラだから、傷んでいるように見える、サロンの施術ではこんな赤茶けた髪にはならないということか?

--えー、(言葉に困る)その……カツラなんですね

 「(微笑みながら)ええ、カツラはカツラで、成功です」

 何が成功なんだかよくわからないが、私に自慢されてもどう対応していいのかわからない。やっぱり酔っているんじゃないのか? 
 私はここでふと、アートネイチャーで聞けなかったカウンセラーへの質問を思い出した。

--えと、あなたはこのサロンの施術されてたんですか?

 「んん……」と、彼は考え込み、
 「やってた時期もあります……。ただ、これは、管理するのが大変で。僕はこういう仕事をしていますから、お客様のお話を聞かなきゃならない。時間がなくなっちゃった。ある程度できればよかったのかもしれないけれど、こういうのを僕はできなかった」

--いや、私も忙しいんですが……。

 「まあ2週間にいっぺん通ってもらえればいいだけですけど」

○今からサロン体験?
 ここで仕事をしていながら、2週に一度施術を受ける余裕がない? このカウンセラーはそんな忙しいのだろうか。というか、俺のせいか? 俺があなたの育毛タイムを浪費してしまっているのか? 

 「いや、本当にね、治すのは簡単なことなんです。髪の手入れをはじめられると、ばんばん太い毛が出てきます。サロンの行程でシャンプーの時に、抜け毛を集めてチェックさせて頂くんですが、これで見ると、みんなどんどん毛根が深くなっていって、マッチ棒みたいな毛がいっぱい出てきます」

--普通どのくらい通うんですか?

 「僕の感覚だと1年。1年でしっかりとした毛球を手に入れて、後は自宅でケアするだけです」

 逆の言い方をすれば、たいていの人は1年でサロン施術をやめるということか。
 不思議だ。もし、本当に効果があったなら、その後も金を惜しまずサロンを続ける人が多くてもよさそうなものだが。サロンとホームケア、どちらも続けるのが一番効果的なのだろうし。もしかして金額が馬鹿高いのか?

 「とりあえず1年間通っていただければ、いいんじゃないかと思います。ただそのためには、ほんとに、一刻も早くはじめていただかないと……」

 なるほど、先方もなんとか1年の契約を一刻も早く取りたいようだ。

 「双田さんの場合は早めに手をうたないといけない。僕も、あなたの頭をこれ以上悪くしたくない。だから、今日これから、よろしければ双田様の頭を掃除をさせていただきたいと思います」

 え? 無料サロン体験。しかも、これからすぐに?

 「僕はこれから、他のお客様の診断をしなければいけませんので、上のサロンの人に双田様の症状を伝えておきますので、どうでしょうか」 

--ちょ、ちょっと待って下さい。
 てっきり、サロンを体験するには、結構な金額を払うしかないと覚悟していたぐらいだから、これはありがたいと言えばありがたい話なのである。

 とはいえ、さっき、「針のような水」とか言っていなかったか? いったい何をされるのだろう。アートネイチャーの後にあらためて体調を整えてくる予定だったので、まだ心の準備ができていないのだが……。

--お、お願いします。
 仕方がない。チャンスを逃すわけにはいかないのである。
 私の返答を受け、木村は急に嬉しそうな顔になり、立ち上がった。気のせいか、何かいやな予感がする……。

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