メッツ“発ガン”コーラ、日本では甘い基準で野放し 発がん物質許容量は評価機関により200倍もの差
原材料のカラメル色素に発がん物質4-MIを含むコーラ飲料。トクホコーラにも普通のコーラにも、ダイエットコーラにも入っている |
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- キリン根拠も示さず「1日16リットル(30本)まで安全」と宣言
- カリフォルニア州の制限値との差は200倍
- 違いは科学的に不確実な部分をどう評価するか
- 日本も含めた世界中で野放しだった発がん物質
- カリフォルニア州規制で劇的に減った4-MI
- トクホの安全性は一般食品と同じでよいのか?
- 4-MIどんなものにふくまれているか?
キリン根拠も示さず「1日16リットル(30本)まで安全」と宣言
8月22日付の前回の記事は、大反響でアクセス数も1万件を超えた。「もう飲んじゃった」という感想を多くいただいたが、1本や2本飲んだからといって「直ちに健康に影響がでる」ことはないので安心していただきたい。
問題は長期にわたって飲み続けることでがんになるリスクが増える、ということ。また、どこまでのリスクなら許容するか、という問題だ。
キリンビバレッジ社は記事を掲載した8月22日の内に安全宣言を発表し、「体重50kgの大人で、1日約16L(480mlペットボトル30本)までは毎日飲んでも安全」と主張した。しかし、その根拠が何も示されていないので、検証しようがない。
同様の事態はアメリカでも起きていて、前回の記事でも書いたが規制に後ろ向きのアメリカ食品医薬品局(FDA)は、1日1000本(350ml缶相当)でも安全だといい、米国飲料協会は1日2900本まで飲んでも安全と発表しているが、いずれも根拠を示していない。
@@本まで安全というのであれば、安全と危険の境目の摂取量を示して、コーラに含まれる有害物質は@@mgだから@@本までは安全、と示さないと説得力がない。
仕方がないので、キリンビバレッジ社のお客様相談室に再度質問してみた。前回と同様対応していただいたカネダさんによると、キリンの見解の根拠となっているのはEUの欧州食品安全機関(EFSA)が2011年に発表したカラメル色素の評価書であることが分かった。その中では、4-メチルイミダゾール(4-MI)の発がん性についても評価されている。
米国NTPが行った4-MIのマウスでの長期発がん試験の結果 |
結果だけ書くと、EFSAでは、米国国家毒性プログラム(NTP)のマウスの長期発がん試験(左図)を元に、この量以下ならがんは増えないという最大無毒性量(NOAEL)を1日体重1kg当り80mgと判断した。キリンでは、その値に安全係数として1000分の1を掛けてヒトでの耐容一日摂取量(TDI)を1日体重1kg当り0.08mgとした。つまり体重50kgの人では1日4mgまでの摂取なら発がん性はないと判断しているということだ。
カネダさんは、キリンメッツコーラに含まれる4-MIの含有量を言いたがらなかったが、4-MIを4mg含むコーラの量が16リットルということだから、コーラ1本(500ml)の4-MIの含有量は0.125mg(濃度として0.25ppm)となる。
前回金田さんが答えてくれたコーラの平均的な濃度は0.3~0.36ppmだったので、それより若干低いということになる。ただそれが本当にメッツコーラを測定して出てきた値なのか、計算した値なのかは不明だ。
ただそうしたデータはキリンのホームページには、いまだ示されていない。「安全宣言をするのならば、こういうデータを一緒につけて発表しないと信憑性が疑われるではないか」と聞いてみたが、カネダさんは「貴重なご意見ありがとうございます。関係部署に伝えておきます」と言うだけだった。
キリンとすれば、すこしでも発がん物質が入っているというイメージをもたれるのがいやなのだろう。とにかく安全だと主張してイメージ回復をはかりたいのかもしれない。
4-MIを含んでいるコーラは、キリンのメッツコーラだけではない。コカコーラでもペプシコーラでも、
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キリンビバレッジが示す安全量とカリフォルニア州の安全量で200倍の違いがある
閾値がある場合とない場合での発がんリスクの推定の違い
閾値あり・なしの断定が難しい化学物質をどちらに評価するかが、EFSAとカリフォルニア州の決定的な違い
アメリカのNPO「CSPI」が発表した世界各国のコーラの4-MI含有量。カリフォルニア州は桁違いに低くなっている
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暴露マージンで評価したらどうなるのだろう。
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読者コメント
キリンは発がん性物質の低減を実施してます。キリンのweb品質保証室をご覧ください。
手前には最初からあの色・味・臭いに嫌悪感がありましたな~。集まりなどで喜々として合成ジュース類を口にしていた諸輩の大方は早めに如何にかなってますよ。勿論、因果は分らんけど・・。
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