毎日新聞140万部“水増し詐欺”の決定的資料
97年と2002年の比較表。実売数は5年で26万部以上も減っていることが分かる。 |
- Digest
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- 新聞販売店が押し紙を捨てるタイミング
- 新聞社は“広告詐欺”
- 新聞販売店は“折込手数料詐欺”
- 明治時代から続く不平等な契約形態
- 雑誌は改善、プロ野球も
- 損害賠償請求をすべき
私はかつて毎日新聞販売店の店主を経験し、現在は全国新聞販売労組の顧問をしているが、この問題に取り組んで45年になるので情報が集まる立場にある。この資料は、別の幹部から入手した同社の「新中期経営計画」(全26頁)の内容とも合致しており、経営会議での参考資料として作成されたものと考えられる。
毎日新聞社は、この資料がニセモノだというなら、ぜひ私を提訴してほしい。様々な証拠資料を揃えて勝つ自信がある。
「参考 朝刊 発証数の推移」(2002年11月18日付)全体。87年以降の全社の部数推移。バブル崩壊後、一貫して実部数は減り続けてきたことが分かる。 |
この店扱い部数と発証数のギャップが「押し紙」と呼ばれるもので、新聞社が販売店にノルマを課し、達成できないと強制的に買い取らせることで発生する。押し紙は古紙業者に直行し、読者に届くことはない。
発証数を増やすため、新中期経営計画では《発証部数が下げ止まらない現状を「非常事態」と認識し(中略)「社員1人毎月最低1部」を基本指針とし、》などと記者も含め全社員で発証を増やす計画を打ち出し、《店主にノルマを課す》《達成出来ない場合は特別対策の打ち切り》《改廃》といった言葉が並ぶ。
新聞販売店が押し紙を捨てるタイミング
「新中期経営計画」7頁。発証部数の下げ止めは2004年度末を目標とし…「社員1人毎月最低1部」を基本指針とし… |
新聞販売店主は、午前1時30分には起きて出勤し、配送されてくる新聞を受け取る。だいたい滋賀県の毎日新聞販売店の平均だと1千部くらいだ。次に12~13人の配達員と共に折込みチラシを入れる作業を1時間くらいやって配達を開始。
実際に配達するのは600部くらいで、残りの400部は店の奥の外部からは見えないところに積んでおく。大きな店だと、専用の倉庫を持っている店もある。
午前4時過ぎに配達が終わると、週に2~3日は古紙業者のトラックがやってくるので、真新しい新聞(押し紙)と封も解かれていない折込みチラシをトラックに皆で積み込む。1回あたり1千部ずつくらいにもなる。
これらは最初から配達される予定もないのに新聞社から購入を押し付けられ仕方なく捨てる無駄な紙だ。
せっかく綺麗に印刷された折込チラシも、封も解かれていない新聞も、古紙業者によって処理されるのだから、膨大な環境破壊行為でもある。
こうしたスポンサーに対する詐欺にあたる行為は、人目につかないよう早朝5時ごろには終える。
「新中期経営計画」8頁。店主にノルマを課し、改廃もあり得ることを明記 |
新聞社は“広告詐欺”
新聞社が強引に公称部数を増やしたがるのは広告料金を高くしたいからだ。実際、表にもあるように、97年からの5年間で公称部数は増えたが、実売数は減っている。「毎日は広告効果がない」とよくいわれるが、当然だ。4割は読者に届かないのだから。
政府や政党の広報広告も定価で支払われているため、全国規模で税金がドブに捨てられている。彼らはコスト意識がないから値引き交渉も一切なし。これは納税者に対する詐欺だ。
新聞販売店は“折込手数料詐欺”
新聞社がこのように広告詐欺を働く一方、販売店も、公称部数である「ABC部数=店扱い部数」に応じて折り込みチラシの手数料をとり、広告主を騙す。
販売店は、新聞社から、朝夕刊セットで1部あたりだいたい2,000円弱で仕入れるため、売れない新聞が4割もある以上、何らかの埋め合わせがないと経営破たんしてしまう。だから、配達されない新聞の分まで折込チラシを受け取り、手数料をとるのだ。折込チラシの手数料収入は、販売店の売上高の約半分を占める重要な収入源になっている。また、新聞社から補助金が出ることもあり、毎日新聞はこの額が多い。
私が住む滋賀県では、10ページくらいの県の広報誌(パンフレット)も毎月折込まれるが、これも4割は県民に届くことなく捨てられる。膨大な税金(紙代+折込手数料)が無駄遣いされていることになる。
折込みチラシは、B4一枚で、折込み・配達の手数料として2.5円が相場(印刷費は別にかかる)。だから1回、B4サイズ1枚の県の広報を請け負うと、2.5円×140万部=350万円が全国で無駄になる。これに紙代、印刷代の無駄も加わるため、納税者としては税金がドブに捨てられる被害に遭っていることになり、見過ごすことはできない。
明治時代から続く不平等な契約形態
販売店は、契約上、売れもしない新聞を押し付けられても、本や雑誌、およびコンビニ扱いの新聞のように返品がきかない。仕方がないので販売店のほうも折込詐欺でスポンサーを騙し、やりくりしているのだ。このような不平等な契約になっているのは新聞販売店だけで、こうした前近代的な構造は、明治時代から変わっていない。
本来は「消費者連盟」や「市民オンブズマン」が動くべきだが、こうした団体は新聞社を敵に回せない。聞けば、新聞社に嫌われて新聞に自分らの活動が全く載らなくなると、運動にならなくなってしまうからだという。また、私は議員と共に国会で十数回にわたって新聞の押し紙問題などを追求したが、記者席は常に満員だったが、新聞には絶対に載らなかった。自らに都合の悪いことは書かないのだ。
雑誌は改善、プロ野球も
《雑誌「印刷」部数公表へ 水増し「公称」やめます》(2004/5/16朝刊)と一面トップで報じた朝日新聞を含め新聞各社は、自らについては未だに公称部数しか公表せず読者に配達される部数は闇の中だ。
私のこれまでの調査では、押し紙は読売で2割、朝日で2~3割、毎日で4割だった。今回の資料で、毎日のデータが正しいことが証明された。実売では読売800万部、朝日550万部といったところではないか。
雑誌に続き、球場入場者数の水増し発表が当たり前だったプロ野球でも、実行委員会が先月、観客動員数を実数に近い数字で公表する方針を決めた。あとは新聞だけだ。
損害賠償請求をすべき
とはいっても新聞社はこれを認めたら経営の根幹が揺らぐので否定し続けるはずだ。広告主が、過去にさかのぼって水増し詐欺分(約4割)の損害賠償請求をすれば、少しは変わるだろう。行政の折込チラシが詐欺に遭って配達されず、税金が無駄に遣われているのは明白なので、全国で住民訴訟を起こせば勝てるはず。まずは私が地元でやるつもりだ。この先は会員限定です。
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2005年のデータ。訴えられても勝つ自信があるそうな。
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読者コメント
世の中には「真実」と「嘘」がある。新聞業界は全社が販売部数を大幅に上乗せして公表する「嘘」が現在迄まかり通ってきた。この手口によって政治を動かす権力を持つまでに巨大化したがやはり天罰が下った。どの新聞社も部数が毎月々減る一途でその流れは変わらない。「インターネットよこんにちは、新聞よさようなら」の時代になったのだ。販売店の経営者は1日でも早く転職しないと今までの苦労が水の泡になるよ。
江戸川区の某コミュニケーションズがその押し紙空発証店です なので赤字決算が何年も続いてます
店によっては押し紙の分まで空発証してごまかしてる店もあります
Aの勧誘がきた。『S新聞とってる』と言ったら『S新聞の代金払うからうちのもとってくれ』だと。結局2紙とってるが、Aはそのまま回収袋へ。
毎日新聞の広告の宣伝効果がまじで低いので読んで納得した。全国紙で費用対効果が一番ましなのは産経だな。押し紙率がどれくらいかはわからんが、内容が好きで読んでる愛読者が多いからかと推測している。朝日も愛読者が多いだろうが大手紙だからという理由で読んでる人も多いからな。
元毎日新聞販売店の店主で、現在は全国新聞販売労組の顧問であるサワダさんの記事には説得力があります。
販売店が狭い所で密集している(数が多い)所はあやしい。うちの所ではA。
エコロジーのため、各社は押し紙を廃止すべし。そして毎日新聞は売日新聞と改名すべし。
現役新聞販売店関係者です。 サワダオサム さん 是非その後を書いてください!!
ASAで新聞奨学生をやりました。順路帳の顧客数と増減簿の顧客数があわないので専業に質問しました。その差が押し紙の数だそうです。 朝日新聞の実際の部数は500万程度らしいですが、まあ押し紙の数を引くとそんなものかと。
「新中期経営計画」まるで末期の旧日本軍のようだ。
酷すぎなのでちょっと情報!置き紙半分以上・・働いてる従業員には休み半年以上も与えずに、所長は法人などとほざいてる!法人なら税金も緩和されてるのに休みなしで働かされて何だろうね?法人って簡単になれるのか、嫌だな!税金逃れ&海外送金してるのかね?環境も良くないし、マルでタコ部屋状態!店事態汚いし掃除すらしてない!江東区夢の島上げとでも言っておこうか
是非、ここで叫ぶだけではなくて、この証拠を法廷でも証拠として提出してください。お願いします。
杉谷よく聞け部長が貴様のことイカ担って呼んでたぞ 宮代より
無権利状態の毎日店主。社に楯突けば補助金切られるし、かませ犬だ。
あのーひとつ聞いてもいいですか。毎日新聞の所長さんって集金もぉ拡張もぉ配達もぉーしてますよね。朝日の主任以下みたい・・・なのが不満だ
毎日販売店主は専業経験がなく脱サラ組が多い。知らない間にはだかの王様にされ最後には裸にされ投げ出される。青年会長・幹事長の時はまだ社から期待されていると勘違いさせられ会長となれば最後・地獄の押し紙。社が見ている点はやる気があるなしでなく・どこまで金借りられるか。若手の所長サンたち早くはだかの王様だと気ずいてほしい
最近では押しの十傑賞と言われ各支部会で笑いネタとなりました
私の所属する毎日会・一部の店主と担当員の癒着が問題視されている・青年会の議題の一つだ。キャバ嬢世話する店主もいて醜悪だ
私も去年の夏から半年間販売店主やりましたが260実配に対して760の取り紙でアホらしくて即自配した。しかし嫌な担当左遷まで追い込んだだけでも満足だ。
毎日に実数減推移は実感できるものがあります。ここ数年ほどで私が元いた地域の店主半数以上が入れ替わっています。10年前までは考えられない状態ですそれだけノルマがきついと容易に推測できる状態です。
世の中全て新聞社員の高給を賄うために存在している。日ごろの彼らの傍若無人ぶりには呆れるばかりです。わずか2年たらずで、初々しい新入社員が王様に変貌。我々から搾取した金で豪遊し(40歳を超えると、痛風、糖尿、高血圧の贅沢病を患う)、毎日2食は販売店にたかり、自分のお金は遣わない。出世ばかり考えているので、虚偽報道がおこるのです。朝日新聞社員の常識は世間の非常識です。
さすがは『小朝日』やることがセコイ!
広告を出している側です。うちは小さな規模なので、多くの広告が打てずに、販売店ごとの発行部数ギリギリの印刷をしてます。しかしこのような実態を知った以上、どうしたらいいのでしょう?一枚でも無駄にはできない小さな広告主もいることを理解してもらいたいものです。無駄にならないようにする何か良いアドバイスはありますでしょうか?
新聞専用の古紙処分場があることは、Y新聞についてのものでしたが、過去に写真週刊誌で報じられたこともありますね。ところで、コンビニに早朝行くと、配達員の方が朝刊を届ける替わりに、売れ残った新聞を捨ててますね。
新聞社は自己に対する批判や指摘に耳を傾けることはなく、普通なら埋もれてしまう内容。それはさておき、公官庁・企業が支払う広告費は4割近く水増しされたもの。当然、広告の費用対効果は相当に低く、広告主もそれを反響などで知りえるはず。それにもかかわらず広告を出稿するということは、広告主が新聞社に経済的利益を提供しなければならないような政治的な理由があるということか。
理解出来ます。チラシを入れる立場です。販売店の販売部数に端数がない。ひどいところは1000部単位。持ち込み枚数を増減しても、多いとも少ないとも言わない販売店ばかり
全く同じ内容を探していてココ来ました。ビックリです。このサイトの趣旨がまだわからないので、なんですが。捨てられていくチラシを現場で見ながら、どう告発すべきかってサイト歩いてました。ウチは他の全国紙で40%を超える「積み紙」があります。本社にもウソの積み紙。やっぱ本社の担当もグルかなぁ。偽の帳簿類見ててすぐ解るだろうに。前職で何も知らずにチラシ配布を依頼してた身として、この方を応援してますよ。
この記事は大きな「疑惑」を提示しているのに読者コメントや、同様の情報が出てこないのは不思議である。これが週刊誌・・なら大変だろうに。
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