Ba:普通の企業
(仕事3.5、生活2.0、対価4.2)
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2012年4月、住友信託と中央三井信託の合併で誕生した三井住友信託銀行。軍隊的カルチャーの住友とマイルドな中央三井のギャップもあり、合併後は住友出身の部長がいる部署を中心に精神的な病による休職者が続出。一方、給料は今年3月まで公的資金が注入されていたにもかかわらずメガバンク以上の高水準を維持している。「三井住友銀行と勘違いしている客もいる」(社員)というように、何をやっているのかよくわからない地味さはあるが、かつての“都銀エリート”のごとき面影を残しつつ、社員はワークライフバランスとは無縁な激務の日々を強いられている。
【Digest】
◇入社10年目、1000万円まで年功序列
◇主任調査役どまりが一番多い
◇年金受託はDB中心
◇マーチクラスまで普通にいる
◇まずは支店に3年
◇客は結果が悪くても「看板」に預け続ける
◇メガバンク並みにガチガチで辞めない
◇7~8人に1人は中途組
◇「有休はとらないのが当り前」のカルチャー
◇合併後「休職者が増えた」
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役割グループと職位の対応関係 |
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持ち株会社の三井トラスト・ホールディングスは、従業員数159人の平均年間給与が1152万円(平均42歳)と発表されており、これは傘下の三井住友信託銀の、いわゆる総合職(Gコース)の平均値とだいたい合っている。
同社の合併後の新人事・報酬制度は、G1~G7までの7段階の「役割グループ」と呼ばれるものに分けられたグレード制。
その運用は時を経ないと不確かな点も多いが、合併前までの慣行によれば、総合職Gコースの新卒社員は、G1からスタートし、4年目にG2(550万)、7年目にG8(750万円)と、ほぼ一律で昇格していく。
G1がヒラ社員、G2が「主務」と呼ばれる役割。G3が「主任」で、役割は「小規模グループのリーダーとしての役割を担っている。もしくは、担当業務において他の担当者を指導する役割を担っている。」と定義される。
評価は、5項目ほどの評価項目(リーダーシップ、協調性など)があり、上期・下期ごとに査定される。これが賞与査定になり、1回あたり数十万円の幅で上下するほか、昇格審査の材料にもなる。
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各コースごとの「能力給」テーブル |
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次のG4になると、肩書きとして「調査役」という邦銀独特の名称が与えらえる。これは管理監督者ではない組合員の一番上のランクである。
このG4には通常、10年目で昇格するが、最速組は30~31歳もいる。給与は「能力給」(右記参照)+「役割給」(各コース共通)+各種手当で構成され、通常、約3分の1ずつの比率。
G4では、能力給が24万円または27万円、役割給が.....この続きの文章、および全ての拡大画像は、会員のみに提供されております。
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キャリアパスと報酬水準 |
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給与明細(30代調査役)。ほかに、1回110万円前後のボーナスを年2回支給。 |
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評価詳細&根拠 |
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