安全な国産みかんはこう選べ!――EUが禁止した危険農薬検出で台湾が日本産みかんを廃棄、大一つで子どもに健康リスク
台湾で農薬が検出された日本産みかんでは、子どもにみかん1個以上で健康リスクが出る量。その農薬「メチダチオン」は世界的に製造中止になったものを、全農が独自に製造販売し続けている。商品名は『スプラサイド』。 |
- Digest
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- 台湾で日本産みかんから農薬メチダチオン検出で廃棄処分へ
- 日本のみかんの残留基準値では摂取許容量の4.8倍超過
- EUでは残留基準値を250分の1に
- 世界的には製造中止も、日本だけ全農が製造販売続行
- 有田みかんも愛媛みかんも「メチダチオン」使用
- 大地を守る会は不使用、パルシステムは選択式、残りは…
- 厚労省「急性参照用量」を正式決定
- クロチアニジンの基準値案の慢性・急性ばく露評価試算
台湾で日本産みかんから農薬メチダチオン検出で廃棄処分へ
今年の2月6日に台湾で日本産みかんからメチダチオンという農薬が1.4ppm(みかん1㎏あたり1.4㎎)検出された。台湾での残留基準は1ppmだったため、廃棄処分となった。
台湾での日本産みかんの残留農薬量では、急性参照用量を超過。筆者試算。 |
その同じ農薬残留量の日本産みかんを、一度に大量に食べた場合のリスクを検討したものが、左図である。
ミカンの国民全体の最大摂取量(※一度に食べる量)は326.4g(大体3~4個分)に設定されており、その量を食べた場合、急性参照用量(ARfD)の1.35倍になる。1~6歳の小児に限定した場合、3.8倍にもなり大幅に超過する。
大人の場合、だいたいLサイズのミカンを4個、子どもではLサイズ1個と少し、で健康への影響が懸念されることになる。
日本のみかんの残留基準値では摂取許容量の4.8倍超過
このメチダチオンという農薬の、日本でのみかんへの残留基準値は5ppm(みかん1㎏あたり5㎎)だ。
台湾の基準値は1ppmであったため廃棄処分にされたが、同じものが日本で売られていても、違法にはならない。
EUでは残留基準値を250分の1に
そもそもこの農薬は世界的には使用削減の方向にある。欧州連合(EU)では2004年に登録を抹消し、使用できなくなった。ただその後もEUでは、輸入かんきつ類に対する残留基準値は、日本と同様の5ppmが設定されていた。
しかし2010年に人への健康影響を再評価したところ、5ppmでは急性参照用量やADIも超えてしまうことが判明。2012年に残留基準値を大幅に引き下げた。かんきつ類の残留基準値は250分の1である0.02ppmにまで引き下げられた。
世界的には製造中止も、日本だけ全農が製造販売続行
世界的に使用量が減少したため、製造メーカーのスイスのシンジェンタ社は、2011年に、製造中止を発表した。
しかし、なぜか日本でだけは、販売が続いている。と言うのも全国農業組合連合会(全農)が、このメチダチオンは、日本のかんきつ類などの果樹栽培や茶栽培でのカイガラムシ防除には必須だとして、日本での登録・製造・販売の権利を2012年1月にシンジェンタ社から買い取ったのだ。
2012年10月からは、全農の子会社であるクミアイ化学工業(株)が製造し、全農を通じて販売し続けている。農業協同組合新聞では、その農協の対応の早さをほめたたえる記事を掲載している。
全農は日本の農産物は世界一だと豪語するが、ミカンは世界一危険かもしれない。消費者の安全より農家の利便性を優先するJAの体質がよく表れている。
有田みかんも愛媛みかんも「メチダチオン」使用
食品添加物と違って、栽培中の農薬の情報は、商品には表示されていない。消費者としてはどのような対策が可能だろうか?以産地による差や、こだわりの農産物宅配会社を取材した結果が、以下である
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首都圏の主要な生協・野菜の宅配業者でのみかんへのメチダチオンの使用の有無
ADIでの評価とARfDでの評価。3月18日の厚生労働省の農薬部会に提出された資料より
クロチアニジンの残留基準値案をADIとARfDを使って評価した。筆者作成
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柑橘類は輸入物は発癌性が確認されているOPPや催奇形性が確認されているTBZのような防黴剤が米国の圧力によって使用可になっている問題がある上に国内産がまたこれではもう柑橘類は食べない方が良いね。
別に他国がどうのこうのは関係ないが、ただ、毒性が本当に問題ないレベルなのかは疑われる流れになるわな。
ほほう。なるほど。いやまてよ。
ん~。農薬の残留基準はARfDではなくADIをベースに決めている。ADIの方がかなり厳しいのだけど。
メチダチオン(スプラサイド)どうこうより、輸出先の農薬残留基準値の確認や輸出前の検査が不十分だったことが問題。
?
日本は農薬に甘過ぎ。
"農家・農協の利益を重視する日本は、台湾の5倍、EUの250倍という甘い基準を放置" 安全な国産みかんはこう選べ!――EUが禁止した危険農薬検出で台湾が日本産みかんを廃棄、大一つで子どもに健康リスク:MyNewsJapan
みかん、好きなのに〜
メチダチオン(スプラサイド) 『欧州連合(EU)はこの農薬を2004年に使用中止とし、2012年には輸入モノの基準値を日本の250分の1に』http://www.jacom.or.jp/tokusyu/2012/tokusyu120131-15986.php
【悲報】みかんは輸出できないガラパゴスフルーツだったw
"その農薬「メチダチオン」は世界的に製造中止になったものを、全農が独自に製造販売し続けている。商品名は『スプラサイド』"
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読者コメント
リンク貼ると投稿が繁栄されないようなので「農藥超標 台灣拒收浦郡柑橘」で検索してもらうと9行目に「日本では剥いてから検査するが台湾では剥かずに直接検査する」とあります。記者が台湾政府の裏を取っているとは言い切れませんが農協が基準調整を台湾大使館(的な所)に申し入れたともあるので疑う必要も無いと思います。
https://consumer.fda.gov.tw/Food/UnsafeFood.aspx?nodeID=170
出口國家に日本と入れるだけで過去に日本のどんな農作物が拒否されたか一通り出てきます。但しこの記事のみかんも先に挙げた蒲郡の件にしてもヒットしなかったので全ての出来事がデータ化されているとは限らないようです。
https://consumer.fda.gov.tw/Food/TestingDetail.aspx?nodeID=1037&id=5706
の下部のpdfをダウンロードすると6pの頭に「果物をナイフやミキサーで切って」とありますが肝心の果物のどこを切るのかが書かれてません。これ以上細かく書かれた資料は存在し得ないと考えられます。
次に台湾福利衛生部サイトで
https://consumer.fda.gov.tw/Law/PesticideList.aspx?nodeID=520&t=18&t2=%E6%9F%91%E6%A1%94&ic=Methidathion
メチダチオン許容量が書かれていて
古い記事だけど気になったのでコメントします。もしこの記事のライターさんが見ていたら嬉しいです。
台湾でみかんをどう検査しているか関係部署のサイトを検索しまくったけど、検査するのが皮なのか果肉なのかはネット上で文書化された根拠は存在しないようです。
但し、まずはこの別件を見て下さい。
ようはJAは最悪で、宅配のなかで一番ましなのはパルシステム、一番だめなのがオイシックスということらしい。掲載後にチクり合戦が展開されている模様で、最新情報は記者のfacebook
https://www.facebook.com/uedatakenori1
参照のこと。
らでぃっしゅぼーやも、自社基準では果樹は例外としているが、「現在のみかんには不使用」とのこと。
下記の生活クラブ生協の情報の訂正です。契約農家7軒ではなく、契約生産者グループの7グループ中6グループで不使用ということだそうです。
生活クラブ生協からその後追加の連絡があり、ミカンの契約農家7軒中6軒はスプラサイド不使用とのこと。1軒だけ慣行栽培もやっている農家で使用されているとのことでした。
記者からの追加情報
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